◆「宮原酒場 もつ焼きエビス参」【宮原】
…先週土曜日。
一〇月後半は何とか金曜日、土曜日と休日が固定出来るも、ほんの偶さか。
一〇月最終週から、下手したら九連勤予定だったりするしな…。
個人の自由が剥奪され、本当、割りに合わないとつくづく思う。
嗚呼、暦通りにきちんと、確りと休める暮らしに戻りたい…。
もう、こんな人生、とっとと終わらせて鬼籍に入った方が増しだ。
死ぬに死ねず、仕方無く生きているが、まあ、話は遡って土曜日。
ブルジョワジーの御近所さんから、有り難い限りだが、声を掛けて頂き、
川越の祭りを見に出掛け、昼過ぎからだらだらと呑み喰いを続ける。
十七時前に成り、本格的にじっくりと腰を据えて呑もうと言う話が纏まる。
然し、川越の呑み屋を知らず、土地勘の無い場所は如何も居心地が悪く、
勝手知ったる地元に戻り、僕の希望で生肉を喰らいに此方を再訪。
血の滴る様な生肉を喰らい、ホッピーを呷り、現実逃避したい…。
◎「生ビール(ジョッキ)」四九〇円
…御近所さんはすっかり此方の馴染みらしく、常連に任せよう。
窓側の席に陣取り、夜風に吹かれつつ、先ずは麦酒を発注。
昼間っから呑みっ放しだが、何度呑んでも麦酒は旨い。
御通しの大韓民国海苔が出て来て、先ずは乾杯。
グイッと、日頃の憂さを一緒に呑み干してやる。
旨いな、畜生!
◎「レバ刺し」四〇〇円*二人前+「ハラミ刺し」五〇〇円*二人前
…さて、肉だ、肉だ。
纏めて、マーナーのクーニーを発注、発注。
先ず手始めにと運ばれて来たのは、「レバ刺し」と「ハラミ刺し」。
週末の土曜日、ブルジョワジー様は御休みの日と言う事で、
店内は生肉に飢えた中年で溢れ返っている。
此方も負けずに、先ずはレバーから頂こう。
胡麻油と塩のテレレは御決まり。
此れにサッと絡め、ひんやりとした口当たりの肝臓を口の中で暴れる。
プリップリの食感で、時折、コリッとした歯触りも感じつつ、
口内でトロットロに蕩け、身悶え、悶絶して悶え死にしそう。
朝締めの新鮮な生肉を売りにしているだけ有り、流石だ。
さて、「ハラミ刺し」も行ってみよう。
此れは卓上の醤油で頂く。
ムチッとした食感と、トロンと蕩ける食感を持ち合わせている。
牛肉も然り、此の豚肉も然り、カルビが無くてもハラミさえ有れば良い程。
◎「ハツ刺し」五〇〇円*二人前+「タン刺し」四五〇円*二人前
…すっかりレバーとハラミに魅せられていると、続いての肉登場。
もう、肉祭りだ。
此の儘、喰い倒れても構わない…。
「ハツ刺し」も赤々として実に蠱惑的だ。
特製のテレレが出され、其れに付けて頂く。
コリッでもなく、サクッでもなく、独特の歯応えが秀逸。
脂身が無いので、あっさりと頂ける。
箸休め、否、肉休めの様な感じ…。
さて、前回頂いて、一番驚いたのが「タン刺し」。
歯を押し返さんばかりの強烈な歯応えが有ったかと思ったら、
軟らかくて簡単に蕩けてしまいそうな感じが有ったり、最高だ。
豚とデープキッスを何遍でもしてあげるわぃ。
◎「レバ刺し」四〇〇円+二人前+「馬刺し」五八〇円+二人前
…早くも、レバーを御替わり。
序に、豚のみならず、馬も頂いておきたいので馬刺しも発注。
豚に馬…、「トンマ」と呼んで呉れ…。
馬刺しはしっとりとした舌触りが心地好い。
長野県人の血が半分入っている僕としては外せない。
リンパ腺が腫れたら馬刺しを貼りたい程だ…。
◎「若鶏唐揚げ」五〇〇円
…御近所さんがあれや此れや発注をした後、届いたのが此れ。
如何やら、串焼きだか、串揚げを発注したつもりが、
何処から如何成ったのか、鶏の唐揚げが登場。
誤発注だが、捨ててしまう位なら食べようと言う信条の為、受け容れる。
少々、胸焼け気味だが、鶏の唐揚げに関しては「三丁目 にしや食堂」、
あの唐揚げ以上の物は有り得ないので、此れに関しては…。
◎「レバ刺し」四〇〇円*二人前+「タン刺し」四五〇円*二人前
…御替わりが止まらない。
酒は疾うにホッピーに替わり、肉食の歯止めが利かなくなる。
半永久的に、際限無く食べ続けられそう。
生肉を買い占めたいね、此りゃ。
存分に生肉と酒を堪能した後は、摘みを購入し、拙宅で歌謡曲を聴き乍ら、
更に酔い痴れる駄目中年…。