◆「中華そば 青葉」【大宮】
◎「特製中華そば」九〇〇円
…矢張り、土曜日が休日と言うのは、心の豊かさを生むな。
広縁に出て、秋風に吹かれ、街を眺めるにしても、平日とは全然違う。
当然、平日の方が何処に行くにしても空いていて良いと言うのは有る。
一日位は平日休みが有っても良いし、其の方が助かる事が有る。
然し、もう一日は、土日の何方かが休みと言うのが有り難い。
と言う訳で、現在の金曜日、土曜日休みと言うのが最良だ。
果たして、此の休日の組み合わせが何時迄組めるかは甚だ疑問だが…。
今朝はそんな訳で、朝は六時に目が覚めてしまい、土曜日の朝を迎える。
何だか、街自体も何処と無く浮かれていると言うか、浮ついた雰囲気が有る。
八時前に寝床から抜け出し、風呂に入り、小ざっぱりとする。
風呂上がりにプシューッと開けたい所だが、自動車の運転が有るので自重。
「ぶらり途中下車の旅」を観つつ、午前中は極めて自堕落に過ごす。
十一時を廻り、そろそろ行動を開始する。
大宮の街へ出て、大した用事は無いが、細細とした野暮用を済ます。
正午に成り、昼御飯の心配をする。
流石に三日連続で暴力的なラーメンと言う訳には行かない。
尤も、土曜日なので、混雑必至なので寄り付こうとは思わないが…。
偶には、正統派、王道のラーメンでも頂いてみようかね。
大宮駅東口へと移動し、ウエストサイドに入り、此方に辿り着く。
言わずもがな、魚介と豚骨のダブルスープの元祖である此方の支店へ。
何年振りだろうか…。
店内に入り、先ずは券売機で食券を購入する。
つけ麺も良いのだが、プースーの味を味わうなら、ラーメンの方が良かろう。
と言う訳で、「特製中華そば」の釦をポチっとな。
如何も最近、具沢山じゃないと満足出来ない身体に成ってしまっている。
だから、エンゲル係数が上がるんだよ…。
満席の為、長椅子で待たされる間、食券の改札を受ける。
其の後、一分と経たずに案内され、着席。
相変わらず、店員は大陸、半島系が多いな…。
冷水を呷り、ぼんやりしていると、後から、吉本興業の芸人が入って来る。
昨今、有名人が何処に来たとか言ってはいけない風潮なんでしょ？
ぼやかせば良いんでしょ？
ポストにマヨネーズを入れられちゃった歌手の方の、
昔、「とんねるずのみなさんのおかげです」の「近未来警察０７２」に出て、
「黒歴史」に成っている女優が主演したドラマの主題歌の販売促進用映像に、
兜虫音楽団の六弦の撥弦楽器担当の方の役で出ていた方。
ほら、相当、ぼやかしたでしょ。
随分とオブラートに包んだ所で、「特製中華そば」の御出座し。
具沢山は優雅で、贅沢で、心が充足された心持ちに成るわね。
さて、久し振りに味わうべく、先ずはプースーから。
嗚呼、染みらぁね。
流石、魚介と豚骨のダブルスープの先駆けで、今のラーメン界の礎の味わい。
東京ラーメンは薫り高い和風出汁が特徴だが、些か淡白過ぎるからと、
九州ラーメンの濃厚なコクを合わせる事に依って、均整の取れた味わい深い、
飽きの来ないプースーを作り上げ、脈々と今も受け継がれているのだろう。
豚骨、鶏ガラの動物系スープから脂を分離し、コクだけを残したスープと、
鰹節、鯖節、煮干しの魚系の和風スープを別々に抽出し、丼で合体させる。
又、豚骨、鶏ガラをふんだんに使用する事で、一般的なラーメンの約三倍も、
ゼラチン質が多く含まれており、濃厚な上、脂分、塩分を抑えると言う。
塩分は一般的なラーメンの約三分の二だとか。
そう言う裏打ちも有ってか、久し振りに啜るスープはグッと来る。
黒胡椒のヒリリとした爽やかな辛味が結構効いている。
続いては麺を頂いてみよう。
中太、否、中細と言った感じだろうか。
極めて緩い縮れが見て取れ、啜ってみると、シコシコした食感が印象的。
もっと、茹で過ぎてテロンとした感じの物を想像していたが、中々に良い。
饂飩と中華麺の良さを狙って開発した麺だと言う。
麺を啜り、スープを啜り、と言うのを繰り返してしまう旨さだ。
具に取り掛かろう。
叉焼は三枚入り、赤身の部位だが、箸で持ち上げられない程に軟らかい。
厚味は無いが、口に入れるや否や、蕩けて無くなる感覚は心地好い。
味付け玉子は黄身の半熟度合いが良く、味も染みていて秀逸。
麺麻は色白で薄味だが、ポリポリ、シャキシャキした食感が癖に成る。
ん！？「青葉」は鳴門が入る筈。
出たよ！僕御馴染みの入れ忘れられ…。
如何してこうも、こう言う事態が発生するのだろうか。
「ジャンクガレッジ」で大蒜や豚を入れ忘れられる事、多数。
肝心の海老の天麩羅を乗せ忘れられると言う、惨事にも巻き込まれた。
何だろう、此れは大掛かりで組織的なドッキリ、嫌がらせの類か…。
此れが、鳴門好きの石原良純だったら、怒り狂って慎太郎にチクられるぞ。
スープも飲み干し、腹八分目で店を出るポンコツ中年…。
