続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「中華そば 青葉」【東池袋】

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 ◎「特製中華そば」九〇〇円

 …月曜日と言うのは、如何してこんなにも憂鬱で、心身が重たいのか。
  寝起きも悪く、起きたら起きたで、行きの電車で寝ようとか、
  今日は早く帰って早く寝ようとか、そう言う算段ばかりしてしまう。
  然し、持っていない人間は、朝の電車で座れない不運に巻き込まれる。
  週五日の内、大概、四日は座れるのに、そう言う時に限って座れない。
  とことん、運が無い、何を遣っても駄目な人間の特徴だな…。
  朝から、すべき仕事が多い月曜日は慌ただしく、気持ちに余裕も無い。
  何とか峠を越え、十三時半も廻り、昼御飯を摂りに外気を吸いに。
  仕事中ずっと、淡麗な、出汁と醤油ダレの旨味の際立ったラーメンが頂きたいと、
  何と無く思い描いていたが、生憎、池袋には無い。
  出汁と醤油ダレの中で、麺が流麗に戦ぐ様な淡麗なラーメンが。
  其処で思い立ったのは、まあ、在り来たりではあるが、絶対に外さない此方。
  三月二日以来、一ヶ月半振りに御邪魔するが、今回は「中華そば」気分。
  券売機で、欲張って「特製中華そば」の食券をポチっとな。
  空いているカウンター席の間に挟まり、食券を提示し、冷水を呷る。
  昨今、外国人労働力が溢れ返っている飲食業界に於いて、此方は純国産で、
  其の点でも好感が持てるが、「大宮店」は彼方の国の人が多かったが…。
  さて、五分強で、スッと丼が配膳される。
  何だろう、此の丼から醸し出される美しい居住まいは。
  プースーが透き通った淡麗ではないが、此れは端麗だ、容姿が。
  先ずは、蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
  一口啜れば、口一杯に豊潤で上品な、魚介と動物の出汁がじんわりと拡がる。
  嗚呼、旨い!
  「中華そば 青葉」のラーメンと言えば、東京ラーメンと九州ラーメン、
  両方の良さを取り入れた物で、東京ラーメンは香り高い和風出汁と、
  九州ラーメンの濃厚なコクを合わせたダブルスープが最大の売りだ。
  九州ラーメンの豚骨、鶏ガラと言った動物系スープから脂を分離し、
  コクだけ残したスープと、其れに負けない様な濃い、鰹節、鯖節、
  煮干しと言った魚系の和風スープを別々に抽出して合わせると言う。
  そして、一般のラーメンの約三倍のゼラチン質が含まれていると言い、
  豚骨、鶏ガラを贅沢に使って実現したと言い、ゼラチン質豊富なスープは、
  濃厚な上、脂分や塩分を控える事が出来、塩分は一般の約三分の二だと言う。
  又、ゼラチン質は、美肌効果などで注目されているコラーゲンと略同じ物で、
  化粧品や食品に使用されているコラーゲンの大半は、豚から抽出した物の為、
  女性を始め、僕の様な美肌を心掛けているおっさんにも御薦めと言う。
  あっさりし過ぎず、油分も程好く有るので、物足り無さは皆無。
  何だかんだ言っても、此方のラーメンは凄いわ。
  無論、僕は一度も、何だかんだ言った事は無いが、世に言う、高名な、
  ラーメンヲタク、ラーメンマニアを自称する様な、嘸かし立派な人々がだ。
  麺は細く、緩やかな縮れの有る麺だが、好みに依り、数量限定で、
  手打ち風の太麺に変更出来ると言うが、此の日は既に売り切れの模様。
  饂飩と中華麺の良さを合わせた物で、此方で開発した物を使っていると言い、
  特に小麦の風味を活かす為、作り立てに拘っていると言う触れ込み。
  緩やかな縮れが啜り心地を良くし、加水率も高過ぎず、粉の風合いが良い。
  具の叉焼は、此方の見せ場の一つでもあり、赤身の部位のホロホロの物。
  パサつきなんぞ無縁で、歯も要らない程の軟らかさで、叉焼増しが無いのが残念。
  叉焼麺や麺麻ラーメン、味玉ラーメンも無く、叉焼、麺麻を増量し、
  味付玉子を加えた物を「特製」として謳い、客の要望を考えた結果、
  色々な具材を愉しみたい、適切な量、妥当な価格の均整を考え、
  「特製」というメニューを考案したと言い、メニュー構成も均整が一番の様だ。
  兎に角、此の叉焼が素晴らしい。
  夢だが、「チャーシュー中華そば」を頂いてみたい。
  半熟の味付け玉子も、黄身がねっとりと、絶妙の仕上がりで、満点だろう。
  麺麻は軟らかく、海苔はパリッと磯の香が薫り、鳴門は昔懐かしい。
  食べ終えてしまうのが勿体無い程で、勿論、プースーは綺麗に飲み干す。
  改めて、「青葉」の凄味を実感し、定期的に味わいたいと切に思った。