…七月二十五日。
いや~、先月二十六日からの九連勤から恥ずかし乍ら還って参りました…。
期間中、略、毎日十二時間に近い労働で、昨年の蟹工船の様な時期を思い出す。
貧乏暇無しとは良く言ったもので、正に其の通りだ。
働けど働けど、暮らしは楽に成らず、ヂッと手を見てしまうよ…。
さて、そんな過酷な九連勤が始まる前日、久し振りのギスカンを頂く。
三〇〇〇円引きの葉書きが郵送されて来たので、八ヶ月振りの訪問。
◎「北海道生ビール」五七〇円
…混雑必至の為、予約を入れ、二〇時に着き、カウンター席に腰掛ける。
一杯目は、奮発して「サッポロクラシック」の「北海道生ビール」。
ジョッキではないので、量は少ないが、偶に頂くなら良かろう。
一気に呑み干してしまうのは勿体無く、じっくりと味わって頂く。
大して分からない馬鹿舌なので、酔えりゃ良いのだが…。
◎「上ラム肉」一〇一〇円
…さて、鉄板の準備も整っているので、クーニーを発注だ。
纏めて発注し、先ず出て来たのが、此方を知った切っ掛けでもある此れ。
六ヶ月未満の仔羊を一頭丸々買い付け、店内で捌いているので、
刺身で食べられる程に新鮮で、火を通してしまうのが勿体無い位だ。
片面五秒ずつ、軽く炙って頂く様にと促されるも、其れは百も承知だ。
一、二と数え乍ら、引っ繰り返して両面を炙り、いざ喰らわん。
テレレは二種類有るが、肉は赤葡萄酒で作ったピリ辛の物が良い。
此れで頂けば、非常に軟らかく、口に入れた其の刹那、涙が出そうだ。
中は半生、しっとりと瑞瑞しく、赤身の旨味が尋常ではない。
本当、際限無く食べ続ける事が出来ると思う。
◎「ラム肉」八〇〇円
…「上ラム肉」に続いては、普通の「ラム肉」を。
普通と言っても、旨さに関しては普通ではない。
牛肉で言えばカルビと言った所か。
脂身が付着しており、此方を訪れた当初は「上ラム肉」ばかりを頂いていたが、
回数を重ねるに連れ、此の「ラム肉」の脂身、仄かな癖が堪らない。
癖が有ると言っても、嫌な臭味ではなく、心地好い風味と言った方が良い。
もう、悶絶してしまいそうで、座り小便して馬鹿に成ってしまう…。
◎「生ビール」五八〇円
…余りのギスカンの旨さに、「北海道生ビール」はいとも簡単に空く。
二杯目は身分に合わせ、「生ビール」にしよう。
酒の味が分からないのだから、ジョッキで量が多い方が良いのでね…。
しっくり来ると言うか、落ち着く味わいだ。
グイッと、日頃の憂さを呑み干してしまおう。
◎「上ラム肉」一〇一〇円
…さあ、追加だ。
何度食べても、飽きる事は無く、食べる毎に感動が有る。
此れは凄いわ。
百見は一食に如かず、是非、召し上がって頂きたいわね。
◎「ラム肉」八〇〇円
…勿論、「ラム肉」も外せない。
ヂュワーっと溢れ出る羊肉の脂が最高に旨い。
此れが品質の悪い羊肉だったら喰えたもんじゃないが、此れは絶品。
金持ちだったら、週一で頂きたいナァ…。
◎「ウーロンハイ」四一〇円
…麦酒を何杯も呑める程の裕福ではないので、酒を替えよう。
減量中なので、油分を洗い流すと言う意味で、烏龍ハイが助かる。
とか言いつつ、一番安いからに過ぎないのだが…。
さっぱりと、仕切り直しをし乍ら肉を頂く。
◎「タコのマリネ地中海風」八二〇円
…少し、趣きを変え、羊肉から逸れてみよう。
蛸を使用したメニューに惹かれ、此れを初めて発注。
「地中海風」と言うが、行った事が無いので分からないが…。
茹でた蛸の上に、橄欖油、西洋漬物を刻んだ物が乗っている。
酸味の効いたさっぱりとした味わいと、蛸の身の弾力、吸盤の食感が良い。
酸っぱい物が昔は駄目だったが、歳の所為か、受け容れられる様に成った。
◎「ラムミートライス」七〇〇円
…羊肉を未だ未だ食べたいが、御金が幾ら有っても足りないので、
耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、〆に向かう。
此方と言えば、骨付き脛肉トマトチリソース煮がドンと乗った、
「モンゴリアンライス」が有名だが、個人的には地味に此れが好き。
羊肉のミートソースが御飯にぶっ掛けられ、粉チーズ、橄欖油が塗される。
羊肉の風味も勿論だが、粉チーズとの相性がイカしている。
腕白中年が嫌いな訳が無いもの。
麦酒二杯、烏龍ハイ三杯を頂き、後ろ髪を引かれる思いで店を出て、
翌日からの九連勤で地獄を見るポンコツおぢさん…。