◆「いきなりステーキ」【大宮】
…昨晩は拙宅で酒宴を行い、こちとら、すっかり呑み過ぎでヘベのレケ。
後半の記憶も無く、気付いたら長椅子で撃沈しており、時刻は朝の六時前…。
其処から寝床に移動し、九時前迄気絶し、起きて風呂に入り、
全うな人間に戻り、昨夜の記憶を辿るが、思い出せない駄目中年…。
十一時半に家を出て、富籤を購入しに大宮の街へと向かう。
其の前に、腹が減っては何とかと言うので、豪勢に行ってみよう。
クーニーをガッツリと頂こう。
ずっと行きたいと思っていた、ビフテキを立ち喰いで頂く此方。
通称「いきステ」。
店に着けば、正午だが空きも有り、いざ喰らわん。
…一番の席に通され、店員から発注方法等を教授される。
クーニーはカット場と呼ばれる所で発注をし、先に席で其の他の発注をする。
と言う訳で、取りも直さず、二日酔い気味ではあるが、ルービーを発注。
出て来る迄に肉の発注も済ませ、席に戻り、暫くの後に御出座し。
休日に昼間っから一杯飲ると言うのは、此の上無い悦び、愉しみだ。
ビフテキの匂いが充満する店内で、其の匂いを摘みにグイッと一杯。
＋「ライス」二一六円
…教えられた通り、カット場と言う肉の切り出し場所に向かう。
一グラム五円の「リブロースステーキ」と言うのが基本なのだろうが、
良く分からず、考えずに、「ＵＳ産アンガス牛サーロインステーキ」に。
二〇〇グラムから発注出来ると言うが、豪勢に三〇〇グラムで御願いする。
すると、冷蔵庫から切り揃えられた肉が取り出され、秤に乗せられる。
重さは、二八五グラムと表示され、少し少ないが良いかと問われ、
僕も其処迄の頑固者ではないので、受け容れ、其れを発注する。
焼き方はレアを薦めていると言い、こちとら、何にしても「ナマ」が好き、
ビフテキはレアと決めている程なので、願ったり叶ったりだ。
席に戻り、麦酒を呷り乍ら、出来上がりを今か今かと待つ。
一〇分強で、ヂウヂウと音を立てた鉄板に乗せられたビフテキが運ばれる。
おおっ、丸で石油王か大富豪にでも成ったかの様な心持ちだ。
肉の上に乗った大蒜バターを全体に伸ばし、切ってからテレレを掛ける様、
此れ又、女店員氏から御教授され、其の通りにしてみる。
卓上に配された、水を入れるポットにテレレが入っており、其れをぶっ掛ける。
端っこの脂身の部位から頬張れば、うん、脂身は濃厚で蕩ける旨さだ。
筋張った感じは無く、旨い肉は脂身も勿論旨い。
此の牛肉は亜米利加合衆国産で、米国ＣＡＢ協会認定と言う御墨付きの様だ。
軟らかくジューシーで、適度な霜降りが有ると言う能書き。
アンガス牛はグレートブリテン及び北部アイルランド連合王国原産の肉用種で、
成長が早く、外国種の中では肉質が優れている事で知られている様だ。
赤身の部位は、レア状態なので赤々として、実に肉肉しい。
適度な噛み応え、噛み締め甲斐が有り、噛むと旨味がじんわり染み出して来る。
嗚呼、矢張り、肉は旨いな。
テレレが少々薄味の印象を受けたので、もう一種類の甘口のテレレも相掛け。
うん、此れで濃い味に変身した。
麦酒も進み、あわよくば、葡萄酒も呑んでしまいたくなるが我慢しよう。
御飯に切り替え、卓上の塩を振り、ビフテキを御数に白米を頬張る。
腕白で、一心不乱に平らげたくなる。
付け合わせも玉葱と玉蜀黍のみで、余計な人参や隠元が無いのも好印象。
日曜日なので昼時メニューは無かったが、平日に行列が出来るのも頷けるな。
此れは再訪有りだなと思いつつも、まあ、決して安くはないわね…。
