◆「寿製麺 中華そば よしかわ」【北上尾】
◎「煮干しつけ麺 濃い目」八五〇円+「大盛」無料+「いわし丼」三六〇円
…一〇月二十三日から続いた八連勤を終え、久し振りの連休を勝ち取る。
と言っても、自分で勤務予定を拵えているのだが…。
仕事中は心臓痛、胃痛、頭痛、立ち眩みに見舞われつつも業務を熟し、
此れに尋常ではない肩凝り、発狂しそうな程のストレスが加わり、心が折れる。
先の見えない暗闇を、目隠しをされて手探りで歩いている様な感じだ…。
昨晩は大宮の「炭火焼 牛たんや」で呑んだ後、御近所さんに声掛けをし、
拙宅でザーピーの出前を取って二次会を催した為、食べ過ぎで今朝は、
胃凭れで身体が重く、九時過ぎ迄、布団の中でゴロゴロして起きられず。
何とか起き出し、風呂に入り、午前中は二ヶ月に一遍の高血圧の御医者へ。
仕事中はストレスで血圧が急上昇している事だろうが、今回はと言うと、
一三二/七十四と言う事で、一時期の一六〇越えと比べたら大人しいもんだ。
薬物を処方され、受け取り、帰宅して一息吐く。
昼御飯は如何しようかと思案するも、中々、此れと言うのが無く決まらない。
折角の平日休みなので、人気で行列しているだろうと回避していた此方へ、
意を決して御邪魔してみようと、自動車を北上尾へと走らせる。
十三時過ぎだが、駐車場に空きも有り、店頭の待ちは七人程。
此れならば御の字だとばかりに、駐車し、先に店内で食券を購入する。
煮干し専門と言う事で、プリン体フェチとしては心躍る。
初めてなので、無難に「煮干しそば白醤油」、「煮干しそば黒醤油」、
其の辺りが良いかなと思うも、券売機の貼り紙の「中毒者向け」に反応し、
「煮干しつけ麺 濃い目」と言うのが気に成り、良し、此れにしてみよう。
序に、此方は鰯が人気と言う情報から、「いわし丼」の釦もポチっとな。
食券を改札され、店外の行列最後尾に接続し、順番を待つ。
回転も良く、一〇分強で店内に通され、テーブル席へと促される。
程無くして、後で後悔する事に成るつけ麺が運ばれて来る。
パッと見は今流行りの「またおま」系だが、此れが半端じゃなかった。
つけ汁が僕の人生に於いて、最強、否、最凶、最狂な物だった。
兎に角、つけ汁がドロッドロで、泥、へどろ、汚泥同様の粘度で、
「煮干しそば白醤油」の約三~四倍の煮干しを使用していると言う。
いざ、麺を手繰り、汚泥の様なつけ汁に浸すが、麺がスッと沈まず、
底無し沼に嵌った人の様に、ゆっくりとズヴズヴと沈むかの様だ。
べっとりと、液体と言うより、固体の様なつけ汁が纏わり付く。
此れを恐る恐る啜れば、強烈な煮干しの風味が鼻腔を劈く様に駆け抜ける。
煮干しの塩分も強めで、蘞み、苦味、煮干しの風味も強烈と謳う通りだ。
兎に角、こんなつけ汁は味わった事も、出会った事も無い。
口内はジャリジャリで、ツナ缶の様な煮干しの繊維だらけ。
宮内庁御用達の溜まり醤油を配合していると言う。
鳥取県産潤目鰯の四種類を配合していると言うが、此の濃さでは分からない…。
麺は中太の自家製麺との事で、つけ汁の余りの凶暴さに存在感は薄い。
冷水で確りと〆られ、ひんやりとして、腰が効いており、モッチリ感も良い。
つけ麺で身体に損傷を受けたので、さっぱりする意味でも、
「いわし丼」に助けを求めたい。
鮮度抜群の新鮮な鰯は、醤油ダレに漬けられ、御飯に乗っけられている。
此の鰯が素晴らしく、今は無き「鮨処 いっしん」に負けず劣らずの旨さ。
脂の乗りもそうだが、鮮度が良く、目利き、仕入れの良さが窺える。
ちゃんと脂が乗っているのだが、凶暴つけ麺の後ではさっぱりと感じられる。
此の「いわし丼」だけでも訪れた価値は有り、「まぐろ丼」も気に成ったな。
さて、つけ麺に戻り、此れは普段は滅多にしないが、スープ割りをしないと、
如何にもこうにも、身体に大打撃が及ぶと判断し、御願いする。
割って貰ったつけ汁を飲み、普通に、此れがつけ汁でも良い位。
此のつけ麺で、もう僕は若くないんだと、引導を渡された気がした。
此れからは無茶をするのは止そう…。