◆「炭火焼 牛たんや」【大宮】
…昨晩。
一〇月二十三日からの八連勤を終え、漸く漕ぎ着けた休日。
もう、死んじゃった方が余程楽なんじゃないかと思う程、心身共にきつい。
死ねないから生きているに過ぎないが、生きるって厳しいわ…。
生きるのに向いていない性格なので、ストレス耐性も低く、心身も疲れ易い。
今、ストレス解消は休日に旨い肴を摘みに、しこたま酒を呑む事。
携帯電話を二度も失くしたって良いじゃないか、人間だもの。
と言う事で、長年、一度御邪魔したいと思っていた此方に突撃。
埼玉県では御馴染み「酒蔵 力」の系列の様だ。
◎「生中」五五〇円+「お通し」五〇〇円
…階段を下り、地下の此方に入ると、女店員氏が出迎えて呉れる。
独りぼっちであると告げ、カウンター席に通される。
店内は然程広くないが、月給取りの集団で賑わっているが、喧しくはない。
さて、先ずはルービーから。
大人しく、ゆっくり飲るには良さげな環境で、一寸、高級感も感じられる。
御通しは、鮪のブツと蛸と若布の酢味噌。
◎「特選!肉刺盛合せ(舌刺、馬刺)」九八〇円
…此方を御邪魔したいと思った切っ掛けが、此の肉刺し。
本来は舌刺、ハツ刺、馬刺の三点が盛り合わされて一一四〇円の様だが、
此の日はハツ刺が無いのか、二点盛りと言う事で、九八〇円に成っている。
舌刺は四切れ、馬刺は六切れと、此の価格なら満足か。
別皿の大蒜醤油で頂けば、舌刺は程好く脂身も入っており、
口内の熱で冷たさが和らぎ、トロンと蕩け、程好い脂身が有って旨い。
馬刺しは赤身で、魚と見紛う程にさっぱりとして、物足り無ささえ感じる程。
もう少しコクが欲しいが、あっさりとした感じも良かろう。
◎「フェイクホッピー」六五〇円
…麦酒は一杯で止し、此方はホッピーが無い様なので、代わりに此れを。
「フェイクホッピー」と称し、「キリンフリー」で割る様だ。
値も張り、御洒落感も出てしまったが、無いんじゃ仕方ない…。
檸檬の薄切りも入り、ホッピーの不細工な感じが薄らいでしまった。
まあ、酔えりゃ何でも良いのだが…。
◎「上たん塩焼」一〇八〇円
…牛タン専門店に来たのだから、焼き物は勿論、頂かずには帰れない。
「厚切り!牛たんステーキ」、「極上たん塩焼」と言うのも有るが、
初めてなので無難に、普通の「上たん塩焼」と言うのにしてみよう。
カウンター席の目の前が厨房で、其処で炭火の網焼きで調理される様だ。
さて、出て来た其れは、大き目の物が三切れ。
此れに檸檬を搾り、早速、噛り付こう。
噛み切る事が出来ず、手を使ってしまったが、食べ出は中々だ。
箇所に依っては、サックリとした軟らかい所も有り、香ばしさも有って旨い。
流石、「利久」の様には行かないが、先ず先ずかしら。
◎「和牛ハラミ焼(タレ)」一三五〇円
…御薦めが記された黒板の中から、腹身好きとしては外せない此れを発注。
塩かタレが選択出来るので、迷わずタレだ。
焼肉でも、カルビが無いのは我慢出来るが、腹身が無いのは許せない口だ。
此の日の出色は此れだ。
甘辛いタレで味付けされた腹身は、軟らかく、脂も乗って、蕩ける旨さ。
悶絶して、身悶えしそうで、肉肉しさも堪能出来、うん、此れは良いぞ。
◎「ゆで舌のゴマ塩仕立て」五五〇円
…生物、焼き物と来て、今度は茹でタンも行ってみたいわね。
此の手の内臓肉は、胡麻油と塩のテレレとの相性が抜群なので期待が持てる。
茹でたタンはモソモソした食感だが、非常に軟らかく、ホロっと解れる。
歯が要らない程で、此の軟らかさは罪だ。
胡麻油と塩は、もっと強めに感じられても良く、薄味に仕上がっている。
レバ刺しのテレレ位に濃くても良いかも知れない。
◎「麦とろ」五八〇円
…牛タンと言えば、麦とろ御飯が付き物だ。
とろろフェチとしては、気に成って仕方が無い。
〆間近だが、発注してしまおう。
とろろの出汁は濃口の醤油味で、パンチが効いている。
生玉子も発注すれば良かったが、此れだけでも十分だ。
ヅルヅルと音を立て、麦飯を掻っ込む。
◎「じゃがたんチーズ」五五〇円
…焼き物をもう一品発注していたのが運ばれて来る。
オーブンで焼いたのか、ズーチーがヂウヂウ言っている。
賽の目に刻まれたじゃが芋、ピーマンが入り、赤茄子のテレレも僅かに加わり、
茹でタンの千切りが上に乗り、大量のズーチーが塗されて焼き上げられる。
此の手のズーチー料理が美味しくない訳が無いわね。
麦酒一杯、似非ホッピー三杯を頂き、御近所さんに連絡し、拙宅で、
ザーピーの出前を取って、二次会を催すポンコツおぢさん…。