◆「伝説のすた丼屋」【大宮】
◎「すたみなカレー」六八〇円
…一月三日。
新年早々、元日から労働を熟し、正月もへったくれも無い。
人間らしさとは何か、幸福とは何かと言うのを考え込んでしまう。
色々と話題にも成っていたが、三が日位、公共性の高い業種以外は、
休業にして良いのではないかと思ってしまう。
昔は何処も彼処も休みだったし、だからこそ、年末の買い出しが愉しかったり、
忙しない感じが、年末年始の良さでもあったりしたのだろう。
色々な面で、昭和への回帰を本当に望みたい…。
さて、話は遡って、三が日も最終日。
十九時半に仕事を終え、疲労困憊で帰路を辿る。
何だか、三が日の打ち上げも兼ねて、大宮駅でぶらり途中下車。
翌日も仕事の為、「立ち飲み日高 大宮すずらん通店」でホッピー三杯を呷り、
早々に〆に向かおうと、周辺を彷徨う。
「ジャンクガレッジ」は行列が形成されており、はい、却下。
と来れば、其の並びの此方で、カレーを飲むしか無かろう。
店に入り、券売機で食券を購入し、カウンター席に着席し、冷水を汲む。
食券を回収され、冷水を呷り、出来上がりを待つ。
五分強で、味噌汁、カレーの順番で配膳される。
〆には持って来いの堪らない逸品だ。
早速、匙を手に取り、カレーから啜る。
正直、カレーに関しては、普通と言うか、可も無く不可も無いカレーだ。
言い方は悪いが、学生食堂で出て来るカレーと大差は無いだろう。
然し、此れに「すた丼」の頭が乗る事で、価値観が大いに増幅される。
中華鍋と高火力で一気に仕上げ、素材の旨味を閉じ込める職人技が売りで、
厳選された脂身迄旨い甘味の有る、軟らかくジューシーな豚肉に拘り、
此れが葱と一緒に、大蒜の風味を最大限に活かしたと言う、
秘伝の大蒜醤油ダレで炒め合わされており、此れが旨くない訳が無い。
鼻腔を大蒜の風味が駆け抜ければ、至福の時が訪れる。
肝臓にも良いと言い、此れに玉子の蛋白質が加わり、此れは完全な健康食。
福神漬けを大量に投入して頂いてみたいものだ。
両店で持ち帰りの弁当を購入すれば再現出来るな。
今年の目標にしてみよう…。
