続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「食彩処 てん雅」【加茂宮】

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◆「食彩処 てん雅」【加茂宮】

 ◎「お弁当」一一〇〇円

 …心身の不調が甚だしく、日常生活にも支障が出そうな感じで、況してや、
  此れから、血尿が出そうな程の忙しさを迎え、且つ、身を切られる様な、
  辛く耐え難い仕事が待ち受けているので、完全に崩壊する前に、
  御医者に掛かり、状態を改善しようと、代休を取り、病院に出掛ける。
  午前一〇時に予約を入れ、問診、診察を受け、処方箋を貰う。
  一時間半以上掛かり、何だか、疲労した感じだ…。
  正午を前に、昼御飯を済ませてから帰る事にする。
  数年前から、美味しいと言う話を耳にし、存在は知っていたものの、
  人気店で混雑していると言う情報から、回避していた此方を初訪問。
  刺身、天麩羅、揚げ物が中心で、昼のみの営業との事。
  国道十七号線から路地を一本入った所に在り、一軒家の一階部分が店舗で、
  住宅街にひっそりと佇む、知る人ぞ知る、隠れ家、穴場の様な趣きだ。
  玄関を開けて中に入ると、一軒家らしく、靴を脱いで上がる。
  正午前なので、未だ混み始める前と見え、空席が多く、すんなりと着席。
  カウンター四席、四人掛けテーブル席が二つ、小上がりに四人席が二つ、
  そして、奥にも和室が有り、四人掛けテーブル席が二つと、二十八人収容可能。
  さて、メニューを眺めるとしよう。
  「お弁当」、「天ぷら定食」、「さしみ定食」、「天丼」、「ひれかつ定食」、
  「フライ定食」の定番と、サービスメニューと言う「海老フライ定食」のみ。
  事前の下調べで、「お弁当」であれば、刺身と天麩羅両方が味わえると言う。
  此方の一番の御薦めの様なので、此れを発注し、冷茶を飲み乍ら待つ。
  続々と、近隣に住む老人や、月給取りの団体が押し寄せて来る人気店だ。
  先に、生野菜が配膳され、其れを摘んで時間を繫ぐ。
  そして、二〇分程で、御辨當の御出座しだ。
  蓋をパカッと開ければ、昼間っから豪華な布陣に、壊れ掛けの心も踊る。
  僕の昨今の食生活では、先ず御目に掛からない、色鮮やか、彩り豊かな昼御飯。
  先ずは味噌汁から啜れば、チンチンに熱く、出汁の風味が膨よかで旨い。
  日本人で良かったと、心身に染み入る優しい味わいだ。
  煮物の小鉢は、厚焼き玉子、人参、薩摩揚げ、切り干し大根。
  味の加減も素晴らしく、和食の神髄と言った旨さ。
  天麩羅はと言うと、先に野菜から遣っ付け、最後に魚介類を残して置く。
  隠元や莢豌豆の類の物、茄子、南瓜、紫蘇、そして、烏賊、海老と六種類も入る。
  カラッと軽く揚がり、重たさや諄さは丸で無く、食欲が落ちている僕でも、
  サクサクとしているので、胃凭れ、胸焼けせずに頂く事が出来る。
  天つゆが染みた衣と言うのも旨い物だ。
  さあ、刺身に取り掛かろう。
  鮪の赤身、中トロ、鰹、烏賊の四点盛り。
  赤身はさっぱりとし乍らも味が濃く、中トロも脂の乗りが程好い。
  そして驚いたのが、烏賊が驚く程に軟らかく、ねっとりとしている。
  大宮市場で仕入れていると見え、此れは赤烏賊を使用しているのだろうか。
  初めての食感に、おぢさん、吃驚。
  御飯の御替わりも出来るとの事で、御言葉に甘えて、追加で一膳頂く。
  其れにしても、何れを取っても水準が高く、此れは正に隠れた名店だ。
  最後には珈琲迄出して頂き、些か、心が豊かに成った心持ちだ。