続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「らーめん よし丸」【高田馬場】


 …つい此の間、マッカーサーが来たと思ったら、もう八月だ。
  夏の繁忙期は未だ三分の一で、先は永い…。
  暑さで既にバテ気味で、心身の不調と相俟って、常に怠い。
  先週土曜日は人手不足で出勤し、今週末の土日は書き入れ時で出勤の為、
  今日は公休を充て、野暮用を済ませたり、静養に努めよう。
  と言う訳で、伸び切った頭髪を切り落としに出掛けようと、
  十二時半の予約を前に、一〇時過ぎには家を出て、先に昼御飯を済ませる。
  高田馬場で下車し、前回同様、此方で麦酒と、絶品の叉焼とつけ麺を頂こう。

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◎「ビール」五〇〇円
 …店に着けば、未だ十一時十五分と早い時間の為、先客は三名のみ。
  券売機で食券を購入し、カウンター席に腰掛ける。
  平日の昼間っから、背徳の酒を呷ろう。
  「サッポロ黒ラベル」の瓶とコップを受け取って注ぐ。
  どちらも頗る冷えており、チンカチンカの冷やっこいルービー。
  駅から歩いて汗ばんだ身体に、スーッと心地好く染み入る。
  御通しは叉焼の切り落としと麺麻二本。
  茶色の食べ物は大概美味しいので助かる。

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◎「つけチャーシュー」一〇五〇円
 …御目当ての「つけチャーシュー」を券売機で探すも見当たらず、
  仕方無く、「つけ麺」の食券を購入し、食券を手渡す際に、
  「つけチャーシュー」に変更したい旨を告げ、差額を支払おうとすると、
  一〇五〇円なので、三二〇円追加しなければならないと言う。
  前回の六月三日は、券売機にも釦が有り、然も、九八〇円だったのに、
  値上がりしたのかしらと、些か訝しく思うも、まあ、良いか。
  其処迄厚かましくないので…。
  気持ちを切り替え、麦酒を呷り、三分の二を呑み終えた頃合いでの御出座しだ。
  今回は、店主氏は調理には殆ど携わらず、若い男性店員氏に任せている。
  時折、厳しい指導が入っているが。
  さて、其れにしても相変わらず、此の叉焼は圧巻としか言い様が無い。
  巨大で分厚く、最厚の箇所で一センチメートル以上は優に有り、
  丸で、今川焼が三個乗っているかの様な存在感が有る。
  此の叉焼三枚全てをつけ汁に移した日にゃ、完全に警戒水位を超えるので、
  一枚ずつ様子を見乍らにするが、箸で持ち上げる事すら困難な程に軟らかい。
  麺を手繰り、つけ汁に浸して、いざ啜ろう。
  つけ汁は完全無化調を謳う、魚介と豚骨の合わせ技。
  此方の豚骨スープは、豚の頭のみを使用し、只管、スープと睨めっこで、
  丁寧な灰汁取り作業、火加減、スープの色、匂い、蓋の開閉を調節し、
  豚の頭が砂状、粉状に成る迄、丹念に煮込んで混ぜると言う。
  魚介スープは拳骨をコトコト八時間以上煮込み、此れも火加減の調節を行い、
  魚をぎゅうぎゅうに押し込み、出汁が出たら急冷保存し、
  豚の油に魚の香り付けをし、此の油でプースーに蓋をし、香りと旨味を保つ。
  其の拘りに裏打ちされた旨さで、今回は気持ち、味が薄めの印象だったが、
  裏を返せば、身体に優しい、健康的なラーメンと言っても良かろう。
  実際、此方の御店主は、年間三六〇食、此方のラーメンを食し、
  毎年三六〇日前後、一日十八時間労働を続けていると言うから驚きだ。
  言ってみれば、素材が良く、製法に拘れば、健康食と言う事か。
  麺はと言うと、店内奥の「栗原製麺室」で打たれる自家製麺
  国産最高級小麦二種類を使用し、特別な粉末梘水を使用し、
  準強力粉と中力粉の配合で、ツルツル、モチモチ感を意識していると言う。
  啜り心地が最高で、三七五グラムと言う量を感じさせない程。
  麺の脇には、以前は卓上に配備されていた「ラー油のかす」だろうか、
  辛味噌の様なテレレが添えられている為、徐々につけ汁も赤く染まって行く。
  叉焼はと言うと、言う迄も無く「ネ申月豕」だ。
  バラ肉を巻いた物で、赤身の部位は適度な噛み応えと軟らかさを兼ね備え、
  脂身の部はトロントロンに蕩け、身悶えする様な旨さで、原価超過と言う代物。
  嗚呼、兎にも角にも、旨い。
  最後はつけ汁をグイッと飲み干し、今度は「よし丸チャーシュー」にしようか、
  今から悩みつつ、西早稲田駅から副都心線で表参道へと向かう社会不適合者…。