◎「つけ麺(中)」八五〇円+「チャーシュー」三五〇円
…昨日。
今週は草臥れ果て、毎晩、眠りに落ちるのだけは早かった様に思う。
携帯電話を弄っている内に五分程で眠くなり、気付けば気絶している。
とは言え、夜中に目が覚めてしまい、矢鱈と夢を見るのだが…。
朝から眠く、午後も眠く、睡眠時無呼吸症候群なのだろうな。
平日は飲酒していないのに、弱ったね、此りゃ…。
さて、話は遡って金曜日。
やっとこさっとこ、五日目、金曜日に辿り着いた感覚。
十三時半に屋外に飛び出せば、外はもう夏。
此処最近のお気に入りの此方で、今回こそは「チャーシュー」を追加し、
つけ麺を存分に啜りたいと、足早に歩き、十五分程で到着。
昭和を思わせる木戸を開けて中に入ると、何時もの様に御店主が「どうぞ~」と。
祈る様に券売機と対峙すれば、「チャーシュー」の釦に「✕」が点っていない。
前回振られたので、喜び勇んで食券を購入し、冷水を汲み、
何時もの年配の女中さんに食券を手渡し、止まり木にヨッコイショーイチ。
今回も御店主と女中さんの二人体制で、東 京太・ゆめ子と同じ編成。
出来上がりをヂッと待つが、ずっと気に成っていたのだが、店内の彼方此方に、
「一ノ蔵 無鑑査本醸造辛口」の一升瓶が幾本も置かれている。
醤油ダレや、其の他調理に使用されているのだろうな。
そうこうして居ると、女中さんからつけ汁、少し遅れて麺の器が配膳される。
期待の叉焼はと言うと、こんがりと焼かれた物が三切れ、存在感を醸し出す。
其の叉焼と海苔をつけ汁に移したら、さあ、一週間振りのつけ麺を頂こう。
つけ汁は相変わらず、濃厚な動物系の出汁が出ているにも拘わらず、
サラッとして、すっきりとした味わいで、何とも不思議だが癖に成る。
こってりだと重たいが、あっさりだと物足りないと言う、両方を叶えて呉れる。
仄かに甘味が有り、調理工程を見るに、砂糖が入っている様だが、
嫌な甘さではなく、鰹出汁とも巧く調和し、円やかでコクが有って好きだ。
叉焼から染み出した豚の旨味も存分に溶け出しているのだろうな。
そして、細目の麺はと言うと、此れが、噛むとポキポキ、コリコリと音がして、
強靭な腰と張り、表面の微かなざらつきが心地好く、箸を持つ手が止まらない。
柄木田製粉の中華麺用粉「黒獅子」、超強力小麦粉「ちからのめぐみ」を使用。
「黒獅子」は、力強く弾力の有る麺に仕上がり、癖の有るスープが確り絡み、
「ちからのめぐみ」は、北海道産「ゆめちから」と長野県産「ハナマンテン」、
二種の小麦を配合し、ロール製粉で、麩質が超強力小麦の特徴が有ると言う。
朝晩二回打つと言い、長野県の製粉会社と言うのも嬉しいな。
さて、期待の叉焼はと言うと、提供前に鉄板で軽く熱が入れられてあり、
カリッと香ばしく、バラ肉の赤身と脂身の旨さを堪能出来る。
厚味は五粍程有り、確りとした噛み応えと、蕩ける食感が何とも良い。
つけ汁に沈む刻み叉焼も又、鉄板で焼かれ、うん、矢張り素敵だ。
前回の麺麻も絶品で、此の叉焼と何方かを選ぶのは悩ましい…。
出来る事なら両方入れたいが、「チャーシュー」三五〇円、「メンマ」二〇〇円。
此の両方を入れられるのは、皇室関係か石油王、豪族でないと無理だからな…。
あっ、「厚切りチャーシュー」四五〇円と言うのも有ったな。
そんな尽きない悩みを抱え、最後はつけ汁を残らず飲み干し、
豚骨の髄と魚粉を摂取し、又、十五分歩いて帰る低性能おぢさん…。