続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「塩そば専門店 桑ばら」【池袋】

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◆「塩そば専門店 桑ばら」【池袋】

 ◎「熱盛り釜玉 辛味噌漬汁のつけそば」一〇五〇円

 …木曜日。
  徐々に業務も習得し、慣れつつあるが、駄目を出される事に怯え、萎縮し、
  手足も縮こまり、龜の様に首を窄め、猫背でひっそりと仕事を熟す。
  此処が駄目、彼処が駄目、此処が違う、彼処が違う、癖が違う、汗が違う、
  愛が違う、利き腕違う、御免ね、去年の人に未だ縛られてはいないが、
  流石に、硝子の中年、ガラスの四十代なので、心はもっきり折れて複雑骨折…。
  此の日も十四時を前に、気分転換を図らないと駄目だと思い、
  脱兎の如く飛び出し、くすんで澱んだ空気を吸いに、池袋の街に飛び出す。
  折しも、雨は昼過ぎに雪へと変わった様で、暑がりの僕でも薄ら寒い。
  行く当ては取り立てて無いので、そう言う時は必ず検索する事が有る。
  其れは、此方の毎日の「裏そば」を調べる事。
  そして、此れは!と思う時は頂く様にしている。
  毎日、蠱惑的な「裏そば」なので、欲を言えば毎日頂きたい位だが、
  如何せん、御値段も宜しいので、皇室関係か、石油王でないと無理なので…。
  そんな此の日は、「熱盛り釜玉 辛味噌漬汁のつけそば」と言う。
  「塩そば専門店」で、「当店 シオソバしかございません」と黒板で謳う程で、
  其の中で提供される味噌味に大いに惹かれたので、いざ突撃。
  店舗脇の小型の券売機と対峙し、目的の「裏そば」が白板に記されている。
  「本日の裏そば! ◎熱盛り釜玉 辛味噌漬汁のつけそば 1050円」、
  そして、「塩チャーシューそば」の食券を買う様にと指示されている。
  其れに従い、暖簾を跳ね上げて店内に入り、カウンター席にヨッコイショーイチ。
  食券を提示し、「裏そばで」と御願いする。
  屋台の様な感じで、出入口が全開なので、雪が舞い込みそうで寒い。
  厨房内は店主氏と女性店員氏の二人体制で、チェリッシュと同じ編成。
  然し、店内の音楽は「てんとう虫のサンバ」ではなく、ももいろクローバーZ
  漢字で表記するなら、「桃色白詰草乙」とでも言うのだろうか。
  何も、漢字表記にする必要は無いのだが…。
  そうこうしていると、相も変わらず仕事が早く、五分足らずで配膳される。
  此れは、弛み無い熟練の技と、抜かり無い仕込みの賜物であろう。
  つけ汁は辛そうな赤色をしており、すっかり、「*」の事を忘れていた…。
  毎日、カルボナーラ、もとい、ボラギノール軟膏が手放せないのだが、
  貴重な味噌味を頂ける機会を逸しては悔やまれるので、「*」には我慢を強いる。
  一月十九日の「生海苔そば」とは全く方向性の異なる一杯。
  釜玉と言う通り、麺は生玉子で絡めてあり、此れは初めての体験だ。
  此の玉子が纏わり付く麺を手繰り、赤味を帯びたつけ汁にドヴンと浸して啜る。
  おおっ、辛味噌は結構な辛さが有り、ガツンと大蒜の風味が感じられる。
  そして、山椒が塗されているので、辛味噌の唐辛子の辛味とは別で攻めて来る。
  燃える様な辛味と、痺れる様な辛味が交錯し、一気に汗腺が開放される。
  麺は平打ち麺で、モチッとした食感。
  此れに玉子で覆われており、其の分、辛さを緩和し、円やかさを齎して呉れる。
  つけ麺で釜玉とは、正に新感覚だ。
  つけ汁には刻み叉焼がゴロゴロ入り、此れが又、此方の評判の叉焼が堪能出来る。
  味付けも良く、蕩ける脂身、解れる赤身が何とも堪らない。
  他には麺麻、海苔、葱。
  いとも簡単に麺を平らげてしまい、最後は躊躇うも、つけ汁をグイッと飲み干す。
  外が雪とは思えない程、汗をだぁだぁ噴出させつつ、何とか完食。
  午後は暫く汗が引かず、ナニ親方だよ!と言う感じの屑人間…。