続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「麺 くら馬」【大宮】

◆「麺 くら馬」【大宮】

 …四連休の黄金週間も、遂に、到頭、今日で最終日。
  最早、絶望感しか無く、此の世の終わりの様な、止め処無い悲壮感に襲われる。
  昨晩は実家で晩御飯を頂いてから帰宅したので、酒は呑まず仕舞い。
  夜中に何度か雪隠に起きるも、魘される様な事は無かった様に思う。
  尤も、必死で寝ているので、其の最中の事は知る由も無いが…。
  今朝は七時半に起床し、明日からの壮絶な、平凡な毎日に備える。
  午前中は極めて自堕落に、非生産的に過ごし、十一時半前に動き出す。
  連休中の暴飲暴食を労わるべく、最終日はあっさりとした物を頂きたい。
  と言う訳で、「鉄板・懐石 くら馬」と言う超高級和食店が営むラーメン店、
  此方に初潜入してみる…。

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 ◎「ノンアルコールビール オールフリー」四八六円+「おつまみ盛合せ」五四〇円
 …十二時前に到着すれば、駐車場にも、店内にも先客は無く、第一号の様だ。
  席に案内され、ヨッコイショーイチし、献立表に暫し見入る。
  黄金週間最終日だ、一寸、贅沢したって良いじゃないか、駄目人間だもの…。
  麦酒風飲料が有るので、何とも蠱惑的な摘みの盛り合わせも序に発注。
  叉焼、鶏山椒巻き、朝鮮漬け、麺麻、味付け玉子、三つ葉と豪勢だ。
  此の後に来るラーメン用に取って置いても良かろう。
  摘みは他にも「鯖のへしこ」、「からすみ大根」なんてのも有り、
  其処は矢張り、和食の粋が息衝いている、ならではの逸品の数々だ。
 
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 ◎「醤油ラーメン」九五〇円
 …粋な肴の数々を摘みに、麦酒気味飲料を愉しんでいると、
  ラーメンが配膳され、此れ又、何とも上品で、瀟洒な佇まいで清廉な雰囲気。
  偶には、こう言う、日本蕎麦の空気をも漂わせる、優しいのも身体が欲する。
  先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
  天然魚の粗と、鰹や鯖等の混合節の魚介出汁と、鶏出汁を合わせたプースーで、
  天然魚の粗ならではの旨みと、無添加、無化調に拘ったと言う、
  自然の風味を味わえると言うのが売りで、醤油ダレはと言うと、
  数種類の風味と旨味を閉じ込めた自家製のタレと言う触れ込み。
  醤油ダレの仄かな酸味と、じんわりと広がる滋味溢れる出汁の旨味が伝わる。
  麺はやや茶色と言うか、蕎麦の様な趣きが感じられる。
  全粒粉入りの中加水の中太麺で、プースーとの相性も抜群という謳い文句。
  ぷりぷりとした躍る様な啜り心地で、持ち上げたプースーが迸る勢い。
  具はと言うと、此れ又、何とも「和」だ。
  叉焼は、肉の旨味、食感、脂身の甘味を同時に愉しめると言う肩ロース肉。
  気持ち、豚の体臭が感じられたが、プースーに浸せば訳は無い。
  麺麻はシャキシャキとした歯触りが心地好い。
  黒い陰毛の様な物は岩海苔と言うか、素干し海苔と言う。
  磯の香が豊かで、馨しくて好きだ。
  「おつまみ盛合せ」の中から、味付け玉子を取って置いた。
  黄身がとろりと蕩け出し、三日以上出汁を染み込ませたと言う、和食の神髄だ。
  やや甘目だが、玉子の良さが存分に堪能出来る。
  三つ葉も香りが良く、シャキッとしている。
  プースーは勿論、綺麗に飲み干す。
  ラーメンと一緒に、柚子ドレッシングの葉っぱが提供される。
  荒んだ心が浄化されるかの様な一杯だ。