続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「俺の空」【池袋】

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◆「俺の空」【池袋】

 ◎「俺の掛け節そば」一一三〇円

 …昨日。
  一週間は、如何してこんなにも永く、険しいのだろうか。
  一生の方が短いのではなかろうかと思える程…。
  心がぞみぞみして、小動物の様に細かく震えつつも、平静を装うのも大変だ。
  何も、そんな言い方しなくても良いのにと、硝子の中年、ガラスの四〇代は、
  不惑とは正反対で、些細な事に大きく揺れる、脆弱な人間だ。
  道理で、頭頂部が薄く成ったと言われる訳だ。
  禿げたら死んだ方が増しだろうな。
  世の中を見ると、禿に人権は無い位の扱いだし…。
  さて、話は遡って金曜日。
  華金と言う浮かれ気分も然程無く、常に靄が掛かっている様な感じ。
  最近、声を出して笑う事も無く、笑い方を忘れてしまったさ。
  笑えなくても良いから、満足行く食事だけは摂りたい。
  水曜日は「らーめん つけめん 鶏の穴」で限定の「カツオ鶏らーめん」、
  木曜日は「滝野川大勝軒」で「中華そば」と、魚介の優しさに触れたので、
  したらば此の日もと、魚介と豚骨の織り成す旨味を再発見した此方に決定。
  十五日以来、十一日振りと感覚が詰まっているが、身体、舌が欲している。
  十四時過ぎに木戸を開けて仄暗い店内に入り、券売機で食券を購入する。
  前回は「和え節そば」だったので、前々回の「掛け節そば」に回帰しよう。
  そして、一応は、華金だと、回転寿司に行った気分で、具の全部乗せ、
  「俺の掛け節そば」、一一三〇円と大奮発し、釦を押して店内奥へ。
  空席は二席のみと結構な混雑で、促される儘にヨッコイショーイチ。
  食券を手渡し、冷水を受け取り、薄暗い中、薄ぼんやりと出来上がりを待つ。
  一〇分程で、深い丼が運ばれて来る。
  相変わらず、旨そうな茶色をしているわぃ。
  先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
  魚介の和の風味がふんわりと薫り、動物系の出汁がガツンと伝わる。
  魚粉のざらつきが舌に残り、魚介の優しさが、草臥れた心を癒して呉れる。
  無化調なので、其の点でも、棘が無くて良い。
  背脂や豚骨、豚足等、豚を主体に作られ、一晩寝かせてから使われると言い、
  熟成されて旨味が凝縮されている様に感じられ、一層、旨さが引き立つ。
  麺は、素麺を髣髴とさせる、真っ直ぐな細麺。
  しなやかにプースーと絡み合い、スルスルと入って来て、喉越しが素敵だ。
  噛むとバツっと千切れる食感で、替え玉をしたく成ってしまう。
  具は、「掛け節そば」の解し豚、細麺麻と置き換わるのかと思いきや、
  確りと其れ等も入った上、叉焼、極太麺麻、味付け玉子が加わる。
  其りゃ、一一三〇円もするのだから、そうでないと割に合わないか。
  「俺の~」と冠された物には、低温調理と思しき叉焼が入ると認識していたが、
  いざ頂いてみると、ん!?此れは鴨肉ではないか。
  てっきり、豚の叉焼と思って齧ると、しっとり感が強く、上品な軟らかさで、
  脂身はぷるんとして、濃厚さも有り、ラーメンに鴨肉とは初体験かしら。
  極太麺麻はシャキシャキ、シャクシャク、釈由美子で、歯触りが兎に角、快い。
  硬さは丸で無く、軟らかいのに軽快な食感で、此れは良いな。
  味付け玉子は、黄身がどぴゅっと飛び出る物ではないが、ねっとりとして、
  旨味の強いプースーと良く合い、最後は其のプースーも綺麗さっぱり飲み干す。
  昼間っから一一三〇円の散財をし、ちったぁ憂さ晴らし出来たかな…。