◆「俺の空」【池袋】
◎「掛け節そば」八三〇円
…水曜日。
週末の休日だけが生き甲斐、生きる支えで、今週も何とか漕ぎ着ける。
とは言え、又しても颱風さんがいらっしゃる様で、寝て暮らすしか無いが。
三連休明けは何だか矢鱈と忙しく、仕事も手が休まる暇が無く、
さて、話は遡って水曜日。
此の日も慌ただしく、其の合間を縫って、十三時過ぎに外へ飛び出す。
無性に、魚介と豚骨の旨いラーメンを頂きたくなり、思案した結果、
四月六日以来、約五ヶ月半振りに此方に御邪魔する。
木戸を開けて中に入ると、書き入れ時だが空席が目立っている。
先ずは券売機で食券を購入するが、前回はつけ麺、「浸け豚そば」にしたが、
今回はラーメンが良いので、「掛け豚そば」の釦を押っぺそうとすると、
「掛け節そば」と名前が変わっており、良く見ると夫々、「浸け節そば」、
「和え節そば」と成っており、何だろう、魚介要素を強めに味を変えたのか…。
食券を購入し、薄暗い通路を歩き、店内奥の客席へと向かい、促される儘、
一番奥のカウンター席にヨッコイショーイチし、食券を手渡す。
先客は三名のみで、空いている分には非常に助かる。
一〇分程でラーメンが配膳され、口が広く、底が深い丼を受け取る。
嗚呼、此れぞ正しい魚介豚骨ラーメンの佇まいだ。
先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
一口含んだ瞬間、旨さが舌を撃ち抜き、豚骨の力強い、まったりとしたコクと、
鰹や鯖等の芳醇な魚介の香り、魚粉の程好いざらつきに一気に魅了される。
身体が欲していた魚介豚骨であり、見事な迄に期待に応えて呉れる味わい。
嘗ては大行列の大人気店で、今と成っては、大宮の「狼煙~NOROSHI~」、
妻沼の「つけめん・らあめん 福は内」等、多くの名店を輩出した店、
と言う位置付けで居たが、いやはや、恐れ入谷の鬼子母神、脱帽の旨さ。
背脂や豚骨、豚足等、豚を主体に作られ、一晩寝かせてから使われると言い、
そう言われると、熟成されている感じがして、味に厚味と深味が感じられる。
麺はと言うと、真っ直ぐの極細麺。
丸で、素麺を思わせる様な細さで、スルスルと入って来る喉の通りの良さ、
ポキポキとした確りとした腰も持ち合わせ、プースーとの絡みも良い。
此の啜り心地は快楽的だな。
具の解し豚はぎゅっと噛み締めたくなる感じで、量感は無いが好印象。
具の全部乗せ「俺の掛け節そば」には叉焼が一枚入る様だが、又の機会に…。
麺麻は細く、食べ出は無いが上品な印象。
具は他に海苔、浅葱、刻み玉葱。
最後は絶品のプースーを残らず飲み干し、確りと味わい、存分に堪能する。