◆「中華そば 青葉」【大宮】
◎「特製中華そば」九〇〇円
…遂に、到頭、此の時が来てしまう。
あれだけ生きる希望として、心の支えとして待ち望んだ三連休が、
断りも無く、無慈悲に、呆気無く、あっと言う間に終わろうとしている。
此の先、何を生き甲斐に生きて行けば良いのだろうと打ち震えていると、
朝も起きたくなく、今朝は九時過ぎに、耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで起床。
我が家の上空のオゾン層は、ぽっかりと大きな穴が開いている事だろう…。
午前中は極めて自堕落に、非生産的に過ごし、十一時過ぎに漸く動き出す。
大宮の街に買い物がてら出掛け、先ずは腹拵え。
もう、大した量を食べられなく成ったが、食べる事しか愉しみが無いので…。
食べたい物を挙げたら、鰻、寿司、天丼、焼肉、牛タンと切りが無いが、
如何せん、財布と折り合いが付かず、無難に此方のラーメンを頂こう。
正午の五分前に到着して店内に入れば、一組四人の待ちと、まあ、許容範囲内。
券売機で食券を購入し、食券を先に手渡し、待ち席でヂッと待つ。
「青葉」自体は池袋で九月六日以来、約四ヶ月振りで、「大宮店」で言えば、
二〇一六年一月十一日以来、実に三年振りと、中々、来ないものだな…。
七分程で席が空き、カウンター席の端っこにヨッコイショーイチ。
冷水を呷り、二分程で「特製中華そば」の御出座し。
う~ん、相変わらず麗しい、見た目にも美しい、容姿端麗なラーメンだ。
先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
思わず、「あ゛ー!」っと心の中で唸ってしまう程に味覚を刺激して来る。
五臓六腑に染み渡る、滋味、滋養たっぷりの贅沢な味わいだ。
正しいラーメンの味、御手本の様な味わいに、心落ち着き、安心してしまう。
「青葉」自慢のプースーと言えば、東京ラーメンと九州ラーメン、
両方の良さを取り入れた物で、東京ラーメンは香り高い和風出汁と、
九州ラーメンの濃厚なコクを合わせたダブルスープが最大の売りだ。
九州ラーメンの豚骨、鶏ガラと言った動物系スープから脂を分離し、
コクだけ残したスープと、其れに負けない様な濃い、鰹節、鯖節、
煮干しと言った魚系の和風スープを別々に抽出して合わせると言う。
そして、一般のラーメンの約三倍のゼラチン質が含まれていると言い、
豚骨、鶏ガラを贅沢に使って実現したと言い、膠原質豊富なスープは、
濃厚な上、脂分や塩分を控える事が出来、塩分は一般の約三分の二だと言う。
又、膠質は、美肌効果などで注目されている膠原質と略同じ物で、
化粧品や食品に使用されている膠原質の大半は、豚から抽出した物の為、
女性を始め、僕の様な美肌を心掛けているおっさんにも御薦めと言う。
立て続けに何口も啜ってしまい、すっかり、麺を手繰るのを忘れてしまう。
さて、其の麺を手繰って啜ろう。
饂飩と中華麺の良さを合わせた物で、此方で開発した物を使っていると言い、
特に小麦の風味を活かす為、作り立てに拘っていると言う触れ込み。
ツルツルとした口当たりで、加水率は高目か。
スルスルと入り、喉越し、啜り心地が良く、ぷりっとした食感で躍るかの様だ。
そして、此方で特筆すべきは叉焼だ。
箸で持ち上げるのも困難な程に、ホロホロっと解れてしまう軟らかさ。
一枚一枚は大きさは無く、厚味も然程無いが、口内でいとも簡単に蕩け、
歯も不要な程に軟らかく、派手な味付けではないが、上品な味わい。
出来る事なら、「豚W中華そば」とか、一度で良いから食べてみたい…。
味付け玉子は黄身の半熟加減が絶妙で、黄身はねっとりとして円やか。
玉子の良さ、旨さを最大限引き出している出来であろう。
麺麻はシャクシャクとした歯触りが心地好く、具は他に海苔、鳴門、葱。
最後は絶品のプースーを一滴残らず飲み干し、改めて「旨いっ!」と唸る。