続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「らーめん 元楽」【蔵前】

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◆「らーめん 元楽」【蔵前】

 ◎「特製元らーめん」六五〇円

 …火曜日。
  一〇連休に突入したは良いものの、明けた時の事を考えると、
  既にサザエさん症候群を患い始め、げんなりとした心持ちに成る…。
  年末年始の九連休よりも長いのだから、致し方有るまい。
  休みの長さに比例して、症状は重くなるのだから。
  かと言って、休みが無ければ、其れ以上に心身共に患うだろうが…。
  さて、話は遡って火曜日。
  午後の業務の兼ね合いで、何時もより早目、十二時半過ぎにぶらりと。
  外気を吸わないと、息が詰まって死んでしまうので。
  並ばずに、サッと頂ける物が良かろうと、前回、一ヶ月半振りに御邪魔し、
  改めて、此方のラーメンの旨さを再確認し、唸ってしまったので、
  四月八日以来、十五日振りに再訪してみよう。
  年季の入った木戸を開けて中に入れば、混んではいるが、空席は僅かに有る。
  券売機で食券を購入するが、すっかり「こぶためし®」は我慢出来る様に成り、
  ラーメンのみで十分な程に少食に成ったので、「特製元らーめん」のみ。
  食券を提示し、毎度、「背脂たっぷりのラーメンですが」と訊かれるが、
  何ら問題は無いので了承し、止まり木にヨッコイショーイチ。
  毎回訊くと言う事は、其れだけ、観光客や一見客が多く、知らずに食べて、
  背脂が多いと苦情を言う馬鹿な客が過去に多くの居たのだろうな。
  調べてから来いと。
  調べずに発注したのなら、其れは自己責任以外の何物でもない。
  冷水を汲み、午前中の疲れを癒し乍ら、厨房内を薄ぼんやりと眺める。
  相変わらず、平均年齢は高目の名うての職人と言った風情のおやっさんで、
  今回は三人体制で、海援隊と同じ編成。
  中牟田俊男役のおやっさんが背脂をチャッチャとし、千葉和臣役が配膳。
  まあ、誰が武田鉄矢役だったかは不明だが…。
  丼の外側にもたっぷりと背脂が降り注いだラーメンは、実に魅力的。
  先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
  表面にびっしりと浮かんだ背脂を口に含めば、ほんのりと甘味が感じられる。
  プースーはロイクーだが、此れが、塩っぱいと見せ掛けてそうでないのが良い。
  店内に醤油の薫りが充満しているが、濃い味ではなく、上品ささえ漂う。
  コクが有り、香ばしい醤油ダレは切れ味は鋭いが、角の取れた円やかさ。
  豚骨スープには、豚骨の中でも大腿骨である拳骨だけを使用し、
  軟骨部分が多く、膠原質を多く含んでいる為、長く煮込むと車厘状に成り、
  円やかな味になると言い、徹底的に灰汁を取り乍ら、野菜、鶏ガラ等と一緒に、
  三日間煮込み、濃厚なスープを作り出すと言う触れ込み。
  全く以って凭れそうな感じは無く、寧ろ、あっさりとさえ感じる程。
  見た目は胸焼けしそうだが、そんな心配は護謨用、もとい、御無用。
  主役とも言うべき背脂は、厳選した物を炒め、下茹でし、手洗いして、
  余分な脂肪や汚れ、灰汁を取り去り、豚骨スープで二時間煮込むと言う。
  麺はと言うと、此方では五種類の麺を使い分けていると言い、
  此の「特製元らーめん」には、中太の真っ直ぐな麺を使用している。
  背脂を確りと絡め取る様にして纏わり付き、プリッとした食感。
  具の叉焼は、厳選した豚のバラ肉を使用し、丁寧に一本ずつ筋切りして、
  余分な脂身を削ぎ落とし、一九九五年の創業以来受け継がれて来た秘伝のタレで、
  肉の美味しさを閉じ込めたと謳い、一本二八〇〇円で店内でも販売している程。
  蕩けると言う感じではないが、プースーの熱で戻され、箸で切れる程に軟らかい。
  具は他に、濃い目の味付けが良いロイクーな麺麻、茹で玉子半個、葱。
  最後は矢も盾も堪らず、絶品の背脂たっぷりのプースーを飲み干し、
  給油も完了し、午後の業務へと戻る、燃費の悪いおぢさん…。