続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「らーめん 元楽」【蔵前】

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◆「らーめん 元楽」【蔵前】

 

 ◎「特製元らーめん」六五〇円

 

 …颱風は過ぎ去ったものの、颱風一過の猛烈な狂った暑さに打ちのめされ、

  更には、バーチーでは停電、断水と豪い事に成っているとか。

  昔よりも災害に晒される事が増えた様に感じ、身の危険を脅かされる事も屡々。

  益々、生きるには過酷な世の中に成って来ている…。

  そんな中、真ん中もっこり水曜日の今日は、又しても、昼御飯は独りぼっちで、

  生きたい店に行き、食べたい物を食べられる機会に恵まれる。

  十三時の一〇分前に屋外に出れば、刺す様な殺人光線が痛い程。

  陽射しで身体中の背脂が融け出す中、向かった先は此方。

  六月四日以来、三ヶ月振りと随分と御無沙汰で、久し振りに給油に御邪魔する。

  店内を覗けば、券売機前で間誤付いている中年が居り、暫し店外で待機。

  片付いた所で、年季の入った木戸を開けて店内へ。

  券売機で何時もの食券を購入し、熟年の店員氏に手渡せば、何時も通り、

  「背脂たっぷりのラーメンですが?」と訊かれるが、 全く以って愚問だ。

  支障無い旨を伝え、冷水を汲み、止まり木にヨッコイショーイチ。

  冷水を呷り、混雑しているのでゆっくりと待つとしよう。

  すると、三分程で、自棄に早く配膳される。

  随分と早いなと訝しく思うも、早い分には嬉しいので、さっさと頂こう。

  先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。

  表面には淡雪の様な背脂が降り注ぎ、色はロイクーだが、此れが吃驚する程、

  あっさりとして諄くなく、塩辛さの無い甘味さえ感じる味わいに唸る。

  店内に醤油の薫りが充満しているが、濃い味ではなく、上品さすら漂う。

  コクが有り、香ばしい醤油ダレは切れ味は鋭いが、角の取れた円やかさ。

  豚骨スープには、豚骨の中でも大腿骨である拳骨だけを使用し、

  軟骨部分が多く、膠原質を多く含んでいる為、長く煮込むと車厘状に成り、

  円やかな味になると言い、徹底的に灰汁を取り乍ら、野菜、鶏ガラ等と一緒に、

  三日間煮込み、濃厚なスープを作り出すと言う触れ込み。

  主役とも言うべき背脂は、厳選した物を炒め、下茹でし、手洗いして、

  余分な脂肪や汚れ、灰汁を取り去り、豚骨スープで二時間煮込むと言う。

  甘味が有って、芳醇な味わいに虜に成ってしまう。

  そんな中、右方に座っている月給取り風の客が、自分のラーメンが来ていないと、

  厨房内の老練な店員氏に苦情を入れており、推測だが、僕に供されたラーメンが、

  本来は其の客に出される物だったのではないかと察する。

  何だか、丸で僕が悪いかの様な雰囲気に、一気に美味しいラーメンが台無し…。

  僕が逆の立場なら、基本、啼かぬなら 啼く迄待とう 不如帰、なので、

  苦情を言う事自体有り得ないが、何だか心がぞみぞみしてしまう。

  順番を間違うのは良くないが、態とではないのだから文句は言いたくないわね…。

  嗚呼、気持ちを切り替えないと駄目だ。

  はと言うと、此方では五種類の麺を使い分けていると言い、

  此の「特製元らーめん」には、中太の真っ直ぐな麺を使用している。

  麺が淡雪の様な背脂を絡め取る様に、確りと纏わり付いて来る。

  具の叉焼は、厳選した豚のバラ肉を使用し、丁寧に一本ずつ筋切りして、

  余分な脂身を削ぎ落とし、一九九五年の創業以来受け継がれて来た秘伝のタレで、

  肉の美味しさを閉じ込めたと謳い、一本二八〇〇円で店内でも販売している程。

  蕩けると言う感じではないが、プースーの熱で戻され、箸で切れる程に軟らかい。

  具は他に、濃い目の味付けが良いロイクーな麺麻、茹で玉子半個、葱。

  すっかり「こぶためし®」は我慢出来、ラーメンだけで十分な身体に。

  最後はプースーを飲み干し、満杯に給油し、汗だくで退店する高燃費おぢさん…。