続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「らーめん 元楽」【蔵前】

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◆「らーめん 元楽」【蔵前】

 ◎「特製元らーめん・こぶためし」八九〇円

 …火曜日。
  今週もやっとこさっとこ、ふらふら、くたくたで週末の休日を迎える。
  通常業務自体は割かし平穏で、残業がし辛い環境なので、
  遅くとも十九時半過ぎには上がる毎日なので、以前よりは労働時間は短いが、
  如何せん、勝手の分からなさ、据わりの悪さ、肩身の狭さで疲労する。
  まあ、属国と成った敗戦国の人間に人権なんて無いからな…。
  さて、話は遡って火曜日。
  此の日は久し振りに独りで昼休憩に出る事に成功し、束の間の息抜き。
  先週は浅草の「麺屋 江武里」を新規開拓したが、今回は他を当たろう。
  と言っても、目星はとっくの疾うに付けてあり、此方に御邪魔する。
  其の昔、「元楽」のラーメンを頂いた様な記憶は有るのだが、如何も、
  店構え、立地が此の場所ではなく、記憶違いなのか、支店で頂いたのか…。
  痴呆症なので思い出せないが、背脂ヴィッチヴィチで有名なのは間違い無い。
  旧き良き時代の昭和を思わせる造りで、引き戸を開けていざ入店。
  券売機で食券を購入するが、背脂が降り注ぐ「特製元らーめん」を頂こう、
  と言うのは決まっているが、此れに「こぶためし」が付く組み合わせの釦が、
  左上の一番の御薦めに有り、肥えるのを承知で、食券を購入してしまう…。
  食券を店員氏に手渡し、冷水を汲み、五番の席にヨッコイショーイチ。
  厨房内は男性三人体制で、ぴんからトリオと同じ編成。
  冷水を呷り乍ら、ヂッと待ち、一〇分程で先に「こぶためし」の御出座し。
  刻み海苔塗れで中身が判別出来ないが、刻み叉焼と葱が乗っている。
  そして、少し遅れて、丼の外側迄も背脂が付着した「特製元らーめん」が配膳。
  「土佐っ子」を思わせる、環状七号線沿いが夜な夜な賑わった頃のラーメン。
  先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
  背脂のほんのりした甘味が口内に一気に広がり、プースーは濃い茶色だが、
  塩っぱいと言う印象は無く、角が取れた円やかな醤油味で、膨よかで芳醇だ。
  豚骨スープには、豚骨の中でも大腿骨である「拳骨」と言う部分だけを使用し、
  軟骨部分が多く、膠原質を多く含んでいる為、長く煮込むと車厘状に成り、
  円やかな味になると言い、徹底的に灰汁を取り乍ら、野菜、鶏ガラ等と一緒に、
  三日間煮込み、濃厚なスープを作り出すと言う触れ込みで、濃厚で居て、
  諄さは無く、意外にもさっぱりとした印象で、胃凭れはしなさそうだ。
  主役とも言うべき背脂は、厳選した物を炒め、下茹でし、手洗いして、
  余分な脂肪や汚れ、灰汁を取り去り、豚骨スープで二時間煮込むと言う。
  臭味は丸で無く、口内で粒々が感じられる程で、見事に旨味と成っている。
  麺はと言うと、此方では五種類の麺を使い分けていると言い、
  此の「特製元らーめん」には、中太の真っ直ぐな麺を使用している。
  やや黄味がかっており、プースーと確りと絡み、背脂を絡め取る様で、
  ぷりっとした程好い食感で、中程度の加水で、スルスルと通りも良い。
  具の叉焼はバラ肉を巻いた物で、赤身と脂身の均整が取れた秀逸な物。
  此れを刻んだ物が入る「ぶためし」への期待が一気に高まる。
  麺麻はロイクーで、軟らかくしんなりとした物で、派手さは無いが中々だ。
  具は他に茹で玉子半個、葱が入る。
  さて、ラーメンの味を確かめた所で、続いては「ぶためし」に取り掛かろう。
  何でも、「ぶためし」は此方の商標登録、即ち、®が付く代物。
  貼り紙に「ぶためし®の美味しい食べ方」と言うのが有り、其れに倣う。
  先ずは卓上のタレを少量で良いと言うので、一周廻し掛ける。
  次に卓上の胡麻油も一廻しして、後は掻き混ぜて頂けば良いとの事。
  尚、出来立ての胡麻油が、店内奥の搾り機の横に有ると言うが、今回は自重。
  最早、此れが美味しくない理由は皆無で、ゴロゴロした刻み叉焼の肉肉しさ、
  タレの塩気と旨味、胡麻油の香ばしさ、海苔の風味の良さが米に合う。
  御飯を頬張り、「特製元らーめん」のプースーで流し込めば最高だ。
  此れは、定期訪問確実だな。
  世間では、此方は「土佐っ子」の暖簾分けとか、直伝と言われている様だが、
  玩具の「増田屋コーポレーション」の子会社で、此の場所は、
  其の社員食堂の跡地で、出していたラーメンが好評で、開業したと言う。
  次回も此れを頂いてしまうのだろうが、此れは肥えるわ…。