続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「滝野川大勝軒」【池袋】

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◆「滝野川大勝軒」【池袋】

 ◎「中華そば」八五〇円

 …木曜日。
  今週もやっとこさっとこ、ふらふらに成り乍ら、週末の休日に漕ぎ着ける。
  が、土曜日の昼に迫ろうとしている頃合いには、サザエさん症候群が忍び寄る。
  週明けの事を考えると、どんどん落ち込んで来て、絶望の淵に立たされる。
  東尋坊の高さだわね…。
  さて、話は遡って木曜日。
  此の日も唯一の息抜きの昼御飯を摂ろうと、十四時前に外へ出る。
  矢鱈とゼーカーヨイツーで、伸び切った張りと腰の無い頭髪を模したヅラが、
  毛根から根刮ぎ持って行かれそうな勢いで、顎紐を忘れたのが痛恨…。
  何を頂こうかと悩み、少し彷徨った結果、風を除ける様に逃げ込んだのが此方。
  昨年一〇月二十五日以来、三ヶ月振りの訪店。
  木戸を開けて店内に入り、券売機で食券を購入する。
  偶には「もりそば」も良いかなと、一瞬、気持ちが揺らぐが、そうは言っても、
  此方では、以前は「ラーメン」、今は「中華そば」と呼び名が変わった此れ。
  食券を提示し、カウンター席の端っこにヨッコイショーイチ。
  冷水を汲み、出来上がりをヂッと待つ。
  厨房内は、何時もは三人体制だが、今回は一人欠けている。
  相変わらず、大柄で声の大きい御店主の存在感は並外れている。
  一〇分程で、其の御店主御自ら、「はい、中華~」と言って配膳して呉れる。
  外気に触れた側から、表面の豚脂が凝固して行く様が見て取れる。
  先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
  熱熱で猫舌泣かせで慎重に啜れば、化学調味料の味わいがヴィンヴィン伝わり、
  ケミカルな感じだが、動物系のパンチとコク、魚介系の和風の旨味が良い。
  「東池袋大勝軒」のプースーは、拳骨、豚足、鶏が基本と言い、
  其処に挽き肉の旨味と甘味が混ぜ合わされ、更に煮干、鯖節、魚粉を加え、
  魚の風味とコクが確りと活きた豊かな味を創り出すと言う謳い文句。
  此方のプースーは、「本店」よりも遥かに濃厚、濃密で好みだ。
  麺はと言うと、御馴染みの自家製麺で、シコシコした食感が心地好く、
  真っ直ぐとした、高気密の引き締まった麺で、ヌルっとした滑りが感じられる。
  毎朝、其の日の為だけに作る自家製麺と言い、多加水卵中太麺を謳い、
  艶やかな白色に玉子の黄色が仄かに掛かり、ツルっとした軟らかさの中にも、
  腰が確りとした食感で、塩分を含んでいる鹹水の比重が低いので、
  身体に優しい麺だと言う触れ込みで、だとすれば、心置き無く、盛大に啜ろう。
  具の麺麻はロイクーで、真竹の乾燥麺麻から丁寧に戻しを加え、
  特製のタレで味付けし、完成する迄に三、四日もの日数を掛け、
  確りとした歯応えと濃厚な味に仕上げていると言い、量も多く食べ出は十分。
  叉焼は薄い物が二切れ、厚味の有る物が二切れ入る。
  精選した国産の腿肉を使用し、山岸一雄氏が完成させた秘伝のテレレで、
  じっくりと炊き上げて作り、軟らかさを出し乍ら、肉の持つ味わいを、
  最大限に引き出しすと言い、むっちりとして、程好いしっとり感を保っている。
  昔乍らの中華蕎麦、ラーメンに入っていた、あの叉焼の食感が味わえる。
  具は他に海苔、鳴門、葱。
  すっかり胃袋も温まり、強風の中、ヅラが飛ばない様に気を付けて帰る…。