…昨日。
蟹工船を下船して、早いもので一年以上経ったが、未だに当時の辛さを思い出し、
不意に、もう乗船しなくて良いのだと思うと、途轍も無く安堵する時が有る。
とは言え、当時の乗組員には恵まれ、随分と助けられたり、愉しかった記憶。
そんな乗組員同士が昨春に入籍し、此の度、祝言を挙げると言うので、
九時半に表参道へと向かい、一〇時から式に列席し、感慨深く当時を思い出す。
仕事自体は辛く厳しかったが、こうして蟹工船が縁で結ばれると言うのは、
嬉しくも有り、若い二人を心から祝福したい。
十一時半からは披露宴で、親族と極少数の知人のみの小ぢんまりとしたもので、
温かく感動的で、すっかり薄汚れちまった此の心が洗われる様だった…。
◎「鮮魚のセミクルード 華やかな旬野菜と共に」
◎「フォアグラのフラン」
◎「牛腿肉の低温ロースト」
◎「レアチーズのムース」
午前中から麦酒、三鞭酒、赤葡萄酒を頂き、すっかりおぢさんは酩酊。
此の歳に成ると、祝言に出席するより、葬式の方が多いので、何だか良いわね。