続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「どさんこ太郎」【七里】

◆「どさんこ太郎」【七里】

 …日曜日の午後の此の筆舌に尽くし難い絶望感は、一体何なんだろう。
  明日からの五日間で池袋とも御然らばで、寂しくも有り、来週からは、
  通勤時間も長くなり、乗り換えも多くなり、肩身の狭い思いに戸惑う事だろう。
  嗚呼、嫌だな…。
  今から吐き気がしそうだが、取り敢えず、今日一日を穏やかに過ごそう。
  今朝は八時半に何とか起き出し、熟睡出来ていない寝足りない身体を擡げる。
  午前中は極めて自堕落に過ごし、本当は昼前から動き出さないと明日に障る。
  休日最後の昼餐は、何を食べようかと思案するも中々決まらない儘に外に出、
  自動車を走らせ、十一月十八日以来、子供時分の懐かしの此方へ漂着する。
  十三時前だが、前回よりは空いており、カウンター席にヨッコイショーイチ。

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 ◎「ニンニク焼肉定食」七五〇円
 …一先ず発注を済ませ、薄ぼんやりと、厨房内の様子を眺めてヂッと待つ。
  厨房内は年配の御夫婦が切り盛りし、若い女店員氏が配膳、洗い物をしている。
  近所の常連と思しき客が殆どで、飲酒率は高く、思い思いに、
  優雅な日曜日の午後をゆったりと過ごしており、何とも羨ましい限りだ。
  さて、僕はと言うと、前回は懐かしの「みそラーメン」だったが、
  定食類も豊富に取り揃えられているので、魅惑的な「ニンニク焼肉定食」を。
  厨房内の符牒は「焼き定」と言う様で、おやっさんが手際良く中華鍋を振る。
  そして、一〇分弱で配膳され、何とも蠱惑的な取り合わせに心躍る。
  脇役の千切りの甘藍が、豚肉を炒めたテレレをたっぷりと吸っていて素敵だ。
  いざ、豚肉から頂けば、大蒜のパンチが程好く効いており、甘辛いと言うか、
  甘塩っぱいと言うか、此の手の炒め物は腕白は大好きな一品。
  しんなりとした玉葱も甘味が有り、生姜焼きの大蒜風醤油ダレ版の様な感じ。
  此れにマヨネーズが有れば最高なんだが…と思った其の刹那、
  女将さんがマヨネーズを忘れてたと、容器の儘、僕に手渡して呉れる。
  おおっ、掛け放題とは、デヴの気持ちを理解して頂いて助かる。
  皿の脇にマヨネーズをたっぷりと放出し、少しずつ塗して頂けば、
  円やかさとコクが増し、旨さが倍増され、御飯をバクバクと頬張る。
  くたくたの千切りの甘藍も、テレレが存分に染み込んで、良い味を出している。
  別皿の御香香は白菜と胡瓜で、嬉しい事に「味の素」が確りと振られている。
  醤油を少し垂らして頂けば、漬かりの良い塩気と、ケミカルな甘味が交錯する。
  御御御付の具は若布、油揚げ、豆腐で、定食屋の正しい味噌汁だ。

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 ◎「ぎょうざ」三〇〇円
 …前回に続き、餃子も御願いしていた。
  接客の合間に女将さんが包んでいる餃子で、其れをおやっさんがこんがりと、
  良い塩梅に焼き上げて呉れ、六粒で三〇〇円と言う価格設定も素晴らしい。
  例によって、小皿に卓上の胡椒を振り掛け、酢を投入し、辣油も少々。
  勢い良く一口で頬張れば、余りの熱さに悶絶し、直ぐに冷水を口に含む。
  猫舌の癖に、喰い意地が張っているとは、何と浅ましいのだろうか…。
  表面はカリッと香ばしく、中の餡は野菜多目で、大蒜と生姜も確り効いている。
  昨今の大蒜控え目とか言う、余計な忖度抜きの昔乍らの攻めた餃子。
  此れを摘みに一杯飲りたいが、電車で来るには駅から遠いのが玉に瑕…。