続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「手打ちうどん・そば・奥久慈田舎料理 三次郎」【七里】

 
 
 
 …週末の生きる希望の休日も、遂に、到頭、無慈悲にも終わろうとしている。
  明日から又、辛く厳しい、長い一週間が始まり、苦悶する日が続くのだろう…。
  此の週末は、否、此の週末も、と言った方が正確だろうが、何かする気力も、
  体力も丸で無く、暇さえ有れば横に成り、呆け老人の様に寝て暮らす二日間。
  動き出す迄に、只ならぬ気力を要し、少し動けば、只ならぬ疲労感を覚え、
  外に出れば直ぐに椅子を探し、如何してこんなにも容易じゃないのか。
  如何して世間様は、あんなにも生気が溢れて動けるのかが不思議で成らない。
  きっと、平日も気力、体力が有り余っていて、余裕綽々なのだろう。
  休日最后の昼餐と買い物を兼ね、勇気を振り絞って、正午過ぎに家を出る。
  見沼区の外れに、魅惑的な蕎麦屋が在ると言う情報を元に、現場へ急行する。
  東京環状から脇に入ると、古民家風の建物が突然現れ、いざ突撃。
 
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 ◎「ミニエビ天丼」四八六円
 …鄙びた感じの木戸を開けて中に入ると、正に田舎の趣きの有る民家で、
  空いている席に座る様に促され、窓際の席にヨッコイショーイチ。
  献立表を眺めれば、蕎麦と饂飩、両方が御薦めの様だが、蕎麦を発注。
  そして、肥えると分かって居乍らも、誘惑に負けて小さい天丼も御願いする。
  まあ、心的警告反応を和らげる為の措置と思えば安かろう…。
  冷水と一緒に鹿尾菜の煮物が提供され、其れを繫ぎに出来上がりを待つ。
  先に配膳されたのは「ミニエビ天丼」。
  海老、舞茸、茄子、甘唐辛子、人参が入っており、タレは甘からず、辛からず、
  不味からず、御飯にも確りと染み込み、天麩羅はカラッと軽く揚がっている。
 
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 ◎「彩の国黒豚入 ナスそば」一一八八円
 …此方は茨城県は奥久慈産の軍鶏を売りにしている様だが、其れを見逃しており、
  埼玉県民は「彩の国」と言う単語に敏感に反応し、気紛れで此れを発注。
  埼玉県と言えば武蔵野饂飩で、豚肉と長葱の入ったつけ汁に、極太の饂飩、
  此れが至高の逸品だと思っているが、偶には蕎麦も良かろう。
  蕎麦を手繰り、具沢山のつけ汁にたっぷりと浸して啜る。
  つけ汁は醤油味の甘辛い味わいで、素揚げした茄子の油や黒豚の旨味が染み出し、
  キラキラと肌理細やかな油が浮かんでおり、埼玉県の地場の味だ。
  蕎麦粉も埼玉県は三芳町産の物との事で、地産地消の良さが味わえる。
  スルスルっと通りの良い蕎麦は、色黒の田舎蕎麦らしい佇まいだが、
  細く切られており、繊細な感じも窺え、いとも簡単に平らげてしまいそう。
  黒豚は脂身に甘味が有り、豚バラ肉の良さが堪能出来、噛む毎に旨い。
  茄子も存分につけ汁を吸ってトロトロで良いわね。
  長葱もたっぷり入り、最後はつけ汁を蕎麦湯で割らずに其の儘、グイっと呷る。
  色々な旨味が凝縮して、濃い味の甘辛さも相俟って格別だ。