続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「もつ煮の店 まつい」【東松山】

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◆「もつ煮の店 まつい」【東松山

 

 ◎「もつ煮定食」八五〇円

 

 …週末の休日も、刻一刻と終焉が近付いており、心のぞみぞみ度は増すばかり。

  そう言えば、昨年は盆休み最終日の夕暮れ時に、森に行って蜩の声を聞いて、

  夏の終わりを感じ、其の美声に癒されたなと、思いに耽ってみる。

  今日の夕方、森に行って蜩を探してみようかしら…。

  昨晩は都内で軽く呑んで二十三時過ぎに帰宅し、潰れる事も無く、

  何だかんだで午前一時過ぎに寝床に潜り込み、冷房も点けずに眠れる程。

  矢張り、風は常に浴びて居たく、風が有ると無しでは大違いだな。

  今朝はだらだらと九時前に起き出し、風呂に入って身を清めて真人間に戻る。

  午前中は極めて自堕落に、非生産的に過ごし、十一時半に徐に行動開始。

  埼玉県知事選挙の投票を前に、先ずはふらっと昼御飯を摂りに出掛けよう。

  最近何だか、妙にもつ煮込みがお気に入りで、今夏も盆休みに田沼へ行き、

  「もつ煮本舗 まるぶん」で「もつ煮定食」を頂き、土産も持ち帰って堪能。

  僕ともつ煮込みの出会いと言えば、大学一年生の時分、不意に大宮駅東口で、

  看板に書かれた「もつ煮込み定食」の文字に惹かれ、当時と言えば、

  当然、酒も呑めず、両親がもつ煮込みを食べる習慣も無く、一体、どんな味かと、

  憧れを持っており、其処で飛び込んで入ったのが「いづみや第二支店」。

  大学へと通う乗り換えの際に、大宮駅でぶらり途中下車をした十八歳は、

  鉄火場帰りの歯の無い親爺が、競輪新聞片手に自棄酒を呷る脇で大人しく、

  初めて頂くもつ煮込みの味に豪く感動し、少し大人に成ったと感じたものだ。

  まあ、今や寧ろ、自棄酒を呷る爺さんの側の人間に成ってしまったが…。

  そんな二十五年前の想い出に浸りつつ、東松山にもつ煮込みの名店が在ると、

  風の便りでは聞いていたものの、御邪魔する機会を失していたので、いざ突撃。

  自動車を走らせ、関越自動車道東松山出入口の手前を左に折れ、

  埼玉県道四十一号東松山越生線に入ると、程無くして右手前方に発見。

  店舗裏手の広い駐車場に停め、店内に入れば、左手の座敷席は結構な客入り。

  止まり木は空いており、独りぼっちの旨を告げ、一番奥にヨッコイショーイチ。

  献立表を一応は眺めるが、此方は「もつ煮定食」と、辛口のもつ煮と言う、

  「まつい」だけに「ゴジラ定食」の二本立てだが、「もつ煮定食」を発注。

  厨房内は女中さん四人体制で、PINK SAPPHIREと同じ編成。

  「P.S. I LOVE YOU」とは絶対に言わなそうだが、知る由も無い…。

  冷水を呷っていると、五分と掛からずに女中さんが配膳して呉れる。

  此の量なら、九八〇円の「もつ煮定食 おかず大盛り(もつ煮1.5倍)」、

  此れにすれば良かったかなと後悔するも、だから太るんだよと自戒してみる…。

  先ずは味噌汁を啜って喉湿しをし、小鉢の萌やしの和え物を遣っ付け、

  白米を頬張ったら、主役のもつ煮込みに取り掛かる。

  色味は橙色をしているが、辛さは無く、寧ろ甘目の印象。

  そして、豚の大腸のみを使用していると言い、此れが吃驚する程に軟らかく、

  とろんとろんのぷるんぷるんで、飲み物感覚で頂ける程。

  膠原質たっぷりで、此の食感は他に類を見ないかも知れない。

  味付けは味噌味で、大蒜、生姜、唐辛子を使用している様だが、

  「永井食堂」や「もつ煮本舗 まるぶん」よりもパンチは控え目で大人しい感じか。

  但し、軟らかさは「まつい」>「まるぶん」>「永井食堂」の順で、

  味の濃厚さは「永井食堂」>「まるぶん」>「まつい」の順か。

  煮込みの具は葱のみで、具が一切無く、モツだけで勝負の「まるぶん」並みの潔さ。

  嗚呼、此れは東松山駅から一.四粁歩いても良いから、此のもつ煮込みを肴に、

  一杯飲るのも一興だろうなと、妄想に期待が膨らんでしまう。

  最後はルーシーも余す事無く飲み干し、一一〇〇円の御土産も購入し、

  会計を済ませて帰る、痛風一直線の困ったおぢさん…。