続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「蒙古タンメン中本 新宿店」【新宿西口】


 …仕事が終わり、十九時過ぎに京王堀之内駅に着いたので、晩御飯を済ませて帰る目論見。
  場所は「ラーメン二郎 八王子野猿街道店2」。
  駅からトボトボと重たい鞄を背負いつつ、一路、店を目指す。
  然し、事も有ろうに店のシャッターが下りている…。
  定休日は日曜日の筈なのに…。
  こっ酷く打ちひしがれ、撫で肩の肩を一層落とし、電車に揺られて新宿へと向かう。
  昨晩に引き続き、小滝橋通り界隈を徘徊する。
  其の道すがら、「昭和BOOGIE」と言う八〇年代の歌謡曲バーを発見。
  一度は此の手の店に行ってみたのだが、独りで出掛ける勇気も無く、
  然りとて、他に誘う人も無く、僕はこうして随分と損をして人生を終えるのだろうな…。
  そんな感傷は兎も角、先ずは目先の食事が最優先。
  昨晩の「ラーメン二郎 新宿小滝橋通り店」は其れなりに客が入っているが空席有り。
  其の隣りの「味噌屋八郎商店」は店内に待ち客有り。
  悩んだ末、導き出した答えは「蒙古タンメン 中本」…。
  昼間、仕事でさんざっぱら汗をかいた序に、半ば自棄糞で…。
  店内に入り、食券を購入し、先客四名の最後尾に並ぶ。

 ◎「ビール」五〇〇円
 …矢鱈と回転が悪く、チマチマと食べるんだか食べないんだか分からない速度で食べる客や、
  食べ終わっているにも拘らず喋っている、不道徳な客の所為で、何時の間にか大行列…。
  十五分強で席に通され、漸く至福の麦酒との御対面。
  此方のはジョッキではなく瓶麦酒。
  手酌で遣るのは豪い久し振り。
  一気にコップの半分程を呑み干し、周囲の目を憚る様にして溜息を吐く。
  御通しは味付け萌やし。

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 ◎「蒙古タンメン」七七〇円
 …回転が悪い所為で、座るや否や、もうラーメンが運ばれて来る。
  此れは実に良くない。
  折角、麦酒で一息吐いているのに、落ち着かないったら有りゃしない。
  慌てて、今度は激辛物に取り掛かる。
  今年の二月十四日に「御徒町店」を訪れて以来、約五ヶ月振り。
  蓮華で、其の赤々としたスープを啜れば、先ずはベースの「味噌タンメン」の、
  野菜の旨味が凝縮された深い味わいが感じられる。
  此のベースの味がしっかりしているので癖に成るのだ。
  すると、じわじわと辛さが舌先を襲う。
  汗っかきで、暑がりで、辛い物が駄目な癖に無理するからこう成るのだ。
  今日は肉体労働用で大き目のタオルも持参しているので、汗対策は万全だ。
  流れ出た溶岩の様に真っ赤な麻婆豆腐が、見ているだけで汗を噴き出させる。
  然し、辛さの中にもクタクタに煮込まれたキャベツ、白菜、人参、韮、豚バラ肉の甘さが感じられる。
  麺はモチモチ感の有る中太麺。
  スープ自体が鬼の様に辛いので、此の麺が甘く感じられる程。
  小麦粉の味わいが漂い、旨さを持った麺だ。
  嗚呼、辛い!
  時折、麦酒で口の中を冷し乍ら、一方では額の汗を拭い乍ら、着々と食べ進める。
  隣りでは、一人で来た女性客が「五目蒙古タンメン」と格闘している…。
  何とか麦酒の冷たさも手伝って、平らげる事が出来る。
  勿論、汗は止まらない…。
  店外に出、夜風が随分と涼しく感じられる。
  不意に窓硝子に映った自分を見ると、蒸し風呂から出て、水風呂に入る前の状態の汗達磨が、
  脂汁出っ放しで、加齢臭を漂わせた、松の木におじやをぶつけた様な不細工軍曹にしか見えない。
  こんな醜い姿を見たら、嗚呼、此の先、絶対に持てないな…と心の底から確信した。
  良いんだもん、別に…。