続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「お食事処 紀南」【醍醐】

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◆「お食事処 紀南」【醍醐】


 ◎「ミンチカツ唐揚定食」八二〇円

 …木曜日。
  火曜日の夕方に上司から電話で、木曜日から急遽、京都に行く様に告げられ、
  些かの動揺をしつつも、木曜日は朝六時前に起床し、トランクケースを転がして出掛ける。
  東京駅発七時五〇分の「のぞみ十三号」に乗車し、二月以来の関西圏に足を踏み入れる。
  霞む富士山を尻目に、浜名湖を過ぎ、名古屋も過ぎ、関ヶ原、琵琶湖も通り過ぎ、
  一〇時過ぎに京都駅に着き、在来線に乗り換え、山科駅で下車し、地下鉄に乗り換え、
  醍醐駅に降り立ち、先発隊に合流し、仕事に突入する。
  只でさえ暑い京都にも拘らず、室内なのに空調が故障中の様で、今一効きが悪い。
  背広姿なのに首からタオルを掛け、噴出する汗を拭いつつ業務を遂行する。
  十三時に成り、昼休憩を取る事に成り、食事を摂りに出る。
  地下鉄醍醐駅と直結した「パセオダイゴロー」と言う商業施設が在り、
  「駄洒落かよ!」と突っ込みつつ、他に店も無さそうなので致し方無く入ってみる。
  「グルメドール」や「杵屋」の様なチェーン店しか無いかと危惧したが、
  チェーン店ではない店も在り、先ずは京都に来た意義を見出せそうだ。
  其の中に昔乍らの定食屋の様な佇まいの店が在り、四人して意を決して入ってみる。
  凡そ、此の手の商業施設に入居する店とは思えない感じで、店員は無愛想極まりなく、
  無表情で出迎えて呉れるが、緩い接客には「二郎」系で慣れているのでまあ良い。
  店内にはメニューの貼り紙が多数有り、場末の居酒屋の様な雰囲気も醸し出している。
  卓上のメニューを繰り、何とは無しに「ミンチカツ唐揚定食」と言うのにしてみる。
  「メンチカツ」ではなく「ミンチカツ」と言う表記に、隠された何か秘密が有るのではと期待…。
  然し、其の一〇分後、抱いた期待は音を立てて崩され、暫し呆然とする。
  盆に載せられて運ばれて来た「ミンチカツ唐揚定食」は誰の目にも明らかな、 
  見るからに冷凍食品で、学生食堂だってもう少し手を加えるだろうにと項垂れてみる…。
  僕も随分と鼻が効かなくなったなと落ち込みつつ、ミンチカツにソースを掛ける。
  此れはミンチカツではなく、単なるメンチカツで、弁当のおかずに入っている奴…。
  ハァーと溜息を吐き、其のメンチカツに齧り付くと、何処かの幕の内弁当で出会っている味。
  まあ、普通に頂ける普通の味で、冷凍庫から油に鍋に放られたのが目に浮かぶ…。
  さて、脇に並んだ鶏の唐揚はと言えば、「味の素」の唐揚げの方がもう少し旨そう。
  此れを齧ると、口内を切りそうに衣はガリガリで、中身はパサパサのスカスカで、
  成型肉の様な感じで、二七〇円均一居酒屋で絶対に出て来るスリリングな味わい…。
  其れでも、此の暑さでは食べないとバテるので一生懸命頂いて完食。
  僕は決して批判しているのではなく、普通に食べられる普通の味だと伝えたいので悪しからず…。