続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「必勝軒」【津田沼】

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◆「必勝軒」【津田沼


 ◎「ラーメン」七五〇円

 …昨日。
  今週は土曜日迄の六連勤なので、水曜日で折り返しと言う訳ではない。
  腰や風邪の塩梅は快方に向かっているが、そろそろ、疲労の疲れも蓄積し始めている。
  寝起きは相変わらず悪く、断末魔の様な感じで、いっその事、永眠してしまいたい程…。
  そんな身体に鞭打って、外套を羽織り、蒸し暑い通勤電車に揺られて津田沼へ。
  不快なのが、外気温と車内、室内の温度の差が激し過ぎる点。
  駅迄歩いて電車に乗り込むと、電車の中では汗が滲んで、矢鱈と暑いのが困る。
  そして、電車から降りれば、心の臓が痛む程の寒さを感じる。
  こんなに寒暖の差が激しかったら、熱帯魚だったら浮いていよう…。
  此の日も朝一から黙々と仕事に従事し、眉間に皺を寄せ、溜息を吐き、すべき事を熟して行く。
  十三時に成り、毎日の唯一の憩いの時間、昼御飯を摂りに出掛ける。
  津田沼と言えば、すっかり此方に御世話に成っている。
  「東池袋大勝軒」と「永福町大勝軒」の両方で修行したと言う異色の店主が営む店。
  此方は日替わりでスープの味が異なると言うのが魅力で、全ての味を頂いてみたくなる。
  前々回は木曜日の「濃厚魚介スープ」、前回は火曜日の「バランススープ」。
  そして今回は、水曜日の「濃厚鶏豚スープ」、此れが目当て…。
  寒さを感じる中、早足気味で出掛けると、運の良い事に行列は無し。
  然も、店内にも空席が有り、待たずに其の儘、すんなりと入店出来る。
  一番奥の「麺打室」寄りのカウンター席に腰掛け、発注を済ます。
  「もりそば」と「ラーメン」が有り、初めての時に「もりそば」を頂き、
  二度目の時に「ラーメン」を頂いた結果、「ラーメン」の方が旨い気がしたので、
  其れ以来、ずっと「ラーメン」で御願いしている…。
  調理をし乍ら店主が、水曜日の「濃厚鶏豚スープ」は近所の大学生や予備校生の若者に人気が有り、
  毎週大挙して押し寄せ、何時も行列が出来ていると言う様な事を客向けに演説している。
  常連客との会話では、此の日のスープは「やばい」と頻りに言っており、自信が有るのだろう。
  此の日、行列が無かったのは、恐らくは冬休みに入った所為なのだろう…。
  そうこうしている内に、五分と掛からずにラーメンが差し出される。
  例によって、此方のスープは兎に角、熱い。
  リアクション芸人が喜びそうな熱さだ。
  慎重に丼を受け取り、早速、一番人気の味を舌で確かめてみよう。
  此方のスープは何れも似た様な色をしており、一見すると判断が付き辛いが、
  流石、「濃厚鶏豚スープ」を謳うだけあり、スープの表面は油の層が出来ている。
  蓮華で一口啜ってみると、先ずは御決まりの胡椒のピリッとした辛味が伝わり、
  次には、動物系のコクの有る、こってり、円やかな味わいがブワッと襲って来る。
  思ったよりもゴテゴテしておらず、滑らかで、クリーミーな感じがする。
  「鶏、豚を基本スープの二倍使用し、魚介系の出汁を抑えたワイルドな味」と謳われている。
  スープは相変わらず熱く、油の層が蓋をしている様な感じで冷め難いのだろう。
  麺は何時もと変わらない、店内に設えられた「麺打室」で打たれた自家製麺
  細麺で緩やかな縮れが効いており、啜ると唇に当たり、食感が良い。
  そして、ポキポキ、コリコリと言う音がしそうな歯応えで、徐々に嵌って来ている…。
  もう少し太くても良い気がするが、此れは此れで、何だか妙に癖に成る。
  三〇〇グラム有ると言うが、スルスルといとも簡単に啜れてしまう。
  具は御決まりの叉焼、麺麻、茹で玉子半個、海苔、鳴門。
  食べ進めるに連れ、スープが減り、蓮華が丼の底を掠めると、
  動物系の骨粉のジャリッとした感覚が伝わり、出汁が出ているのが窺える。
  熱熱のスープですっかり汗を噴き出させ、午後の業務へと戻る…。