続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「必勝軒」【津田沼】

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◆「必勝軒」【津田沼


 ◎「ラーメン」七五〇円

 …今日は朝一で津田沼へと出掛けねば成らない。
  埼京線武蔵野線は調子が良かったが、西船橋駅で乗り換えの総武線が駄目。
  後続の電車が遅れているからとの理由で、途中駅で随分と待たされ、結局、到着予定時刻には着かず。
  JRさんの緩慢な対応の最たる例を昨晩目撃した。
  仕事を終え、大船駅で電車を待っていると、向かいのプラットフォームの端っこの枯れ草が、
  突如、野焼き、否、キャンプファイヤーの様に燃え出し、現場は一時、騒然と成る。
  其の一部始終を見ていたが、まあ、消火活動に取り掛かる迄、随分と時間の掛かった事。
  其の奥のプラットフォーム脇の詰め所の様な建物から職員が出て来るも何もせず、
  結局、上階から階段を駆け降りて来た職員が消火器で消すと言う始末。
  まあ、そんな所だ…。
  其れは兎も角、仕事に取り掛かり、朝から腕捲りで従事する。
  切りも良くなった所で、十三時に昼休憩を取る事にする。
  津田沼と言えば、もう此方と決まっている。
  言わずもがなだが、「東池袋大勝軒」と「永福町大勝軒」の両方で修行した経歴の店主が営む此方。
  日替わりでスープの味が異なり、残す所、未食は最後と成った「魚介系強調スープ」が今日、金曜日。
  半ば、此の日を狙って津田沼を訪れた感は無きにしも非ずだが、飽く迄も業務上だ…。
  店頭に行列は無く、直ぐに店内に入る事が出来、奥から二番目の席に通される。
  水が出され、直ぐに「ラーメンで」と発注を済ます。
  此方は「もりそば」と「ラーメン」の二本立てだが、専ら、「ラーメン」が殆どだ。
  相変わらず、店主は常連客と、親父ギャグや駄洒落を織り交ぜつつ、快活に会話をしている。
  会話に現を抜かしていると思いきや、しっかりと全てを把握している俯瞰の眼を持っている様だ。
  程無くして、此方は出来上がりが早いので、大して待たずにラーメンが遣って来る。
  今回は御約束の「熱いですよ、熱いです!」と言う、リアクション芸人への前振りの様な注意は無く、
  シレっと目の前に差し出され、熱い丼を慎重にカウンター上から下ろす。
  先ずはラーメンを観察すると、はっきり言って、日替わりでスープが違うものの、色は同じに見える。
  何時もの茶褐色をしており、表面は冷める傍から油膜が張って行く。
  膜が張る、膜張り、マク張り、幕張メッセ状態だ…。
  さて、味の違いを確かめるべく、蓮華を持ち、熱熱のスープを啜る。
  一口目は、何時もの胡椒の辛味こそ翳を潜め、確かに魚介の味わいが出ていると言われればそう感じるが、
  月曜日、火曜日の「バランススープ」、水曜日の「濃厚鶏豚スープ」、木曜日の「濃厚魚介スープ」、
  土曜日、祝日の「オールマイティースープ」と比較しても、此の馬鹿舌では大差が分からない…。
  夫々の写真を見比べて頂ければ分かると思うが、見た目では分からない。
  全てを一同に並べて食べ比べれば分かるだろうが、個々に頂いたのでは、美食家ではないので無理だ。
  此れは決して、味の批判をしているのではなく、己の馬鹿舌を悔いているだけなので悪しからず…。
  確かに魚介の風味が強調されているが、動物系の出汁もしっかりと出ており、コッテリ感が有る。
  道理で膜が張る訳だ。
  麺は、前回は正月限定の「打ち立て太麺」だったが、今回は通常に戻っている。
  店内に設えられた「麺打ち室」で打たれた自家製麺は細く、縮れが効いている。
  此れが、熱熱の濃厚スープを巧い具合に持ち上げ、ツルツルっと入って来る。
  ポキポキ、シコシコして腰が効いており、何度も通うに連れ、此の麺が癖に成って来ている。
  具は御決まりの、薄っぺらな叉焼と、麺麻、鳴門、海苔。
  麺も食べ終わり、余韻を愉しむ様にスープを啜っていると、最後に成って漸く、胡椒の辛味が。
  序に、丼の底に沈殿した骨粉も蓮華に残り、出汁が良く出ている様子が窺い知れる。
  此方の全てのスープを制覇した達成感と、次回からは如何しようと言う悩みが綯い交ぜに成り、
  熱熱のスープに因って汗を噴き出しつつ、寒風の心地好い店外に出る…。