続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「麺場 風天」【大井町】

◆「麺場 風天」【大井町

 ◎「煮干し醤油そば(大盛)」七八〇円

 

 …一〇連休明けの社会復帰も二日目。
  昨朝は気合いを入れた為に寝起きの悪さも乗り切り、然したる苦痛も感じなかったが、
  一日労働した疲労が出たのか、今朝は何だかグッタリ加減…。
  頻尿の所為で、床に入ってから一時間経たずに厠に行き、其の後も立て続けに二回起き、
  そんなに起きちゃ、熟睡出来るものも出来やしない…。
  目が覚めてから、暫くボーっと天井を見詰め、起き上がるのに時間を要す。
  何とか身支度を整え、駅迄歩けば、もう汗だく。
  病的な迄に汗が噴出し、木綿のハンカチーフが手放せない。
  電車に揺られ、大井町に出掛け、止まらない汗を拭いつつ、「暑い!」と口に出し乍ら、
  てんこ盛りの仕事を前に、心がもっきり折れそうに成るが、奮い立たせて奮闘する。
  十三時に成り、一息吐くべく、昼御飯を摂りに出掛ける。
  何処にしようかと考えつつ、大井町駅周辺を彷徨い、気紛れの思い付きで決めたのが此方。
  二月二日に初めて訪れた、ゼームス坂上の交差点付近に在る。
  前回はつけ麺を頂き、此方の一押しメニューに、煮干し出汁のラーメンも有る様なので、
  是非、其れを頂いてみたくてと言うのも有り、何気無く決定する。
  店に入り、券売機に対峙すると、此の暑さも相俟って、ラーメンは少々きついなと思い、
  「つけ麺」の釦を押しそうに成るが、初心を曲げてはいけないと、初志貫徹で行く。
  煮干し出汁のラーメンには醤油と塩が有り、「煮干し醤油そば(大盛)」の釦を押す。
  食券を手渡し、カウンター席に腰掛け、火照った身体を冷ますべく、冷水を立て続けに呷る。
  其れにしても、暑いっ!
  茹だる様な暑さに辟易し乍ら、熱い物が出て来るのを待つ。
  周囲には、僕より先に入り、恐らくはつけ麺を発注しているであろう客が居るが、
  其の人達を差し置いて、出来上がりの早いラーメンなので、一〇分経たずに運ばれて来る。
  目の前に置かれた丼は、上品な醤油ラーメンと言った趣きで、普段の僕には不釣合い…。
  いざ、熱いのを覚悟で、蓮華を手に取り、先ずはプースーから啜る。
  煮干し出汁と言うのを期待して啜ると、フワッと煮干しの風味が感じられる優しい味わい。
  何に付けても、ガツンと来る強烈な味が好きな僕としては、もっと前面に煮干しが出ていても良い。
  熱熱のスープが外気に触れて冷める度、表面には油膜が張って行く。
  煮干しに鶏ガラの出汁が加わり、円やかで、角の取れた味わいに仕上がっている。
  久し振りに、身体に優しそうな、僕には似合わないスープを頂いた心持ちだ。
  お次は麺。
  普通は一六〇グラムで、此の大盛りは二四〇グラムと言う。
  前回頂いたつけ麺は、極太で強靭な腰の効いた物だったが、ラーメンの麺は細麺。
  細麺で二四〇グラムも有るので、麺一本一本の量が多く、食べ出は有りそうだ。
  もっとツルツルとした麺を想像したが、程好いボソボソ感が有り、シコシコと腰が効いている。
  そして、粉の風味が感じられるのが旨さを倍加させている。
  具は、叉焼二枚、穂先麺麻、菠薐草、鳴門、刻み玉葱、葱。
  叉焼はバラ肉を巻いた物で、脂身はプルンとして、脂の甘味が感じられ、
  赤身はしっかりとした噛み応えが有るものの、箆棒に旨いと言う感じではなく、もう一歩。
  然し、二枚入っている事を評価したい。
  穂先麺麻はシャキシャキとした柔らかい物で、胡麻油で炒められた物で有れば尚の事良い。
  総体的には非常に上品で美味しく仕上がっているが、もっと強烈な煮干し風味が効いていても良い。
  此の塩味と言うのも気に成る所で、次回以降の宿題に廻したい…。