続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「季風亭」【川口】

◆「季風亭」【川口】

 …昨晩。
  川口での仕事を十八時半にクタクタで終えると、外は俄かに夕立。
  幸いにも、毎日何処に行くか分からない仕事なので、折り畳み傘は持ち歩いているが、
  川口駅迄歩き出すと、徐々に雨脚も強くなり、雨粒も大きくなり、雷鳴も轟き始める。
  ずぶ濡れに成り乍ら、川口駅付近へと漸く辿り着く。
  こうも暑いので、暑気払いも兼ねて、一杯引っ掛けて帰ろう。
  川口と言えば、元「和匠喜酒 かもん」のマスターが今労働している「しゃぶしゃぶ ごまだれ屋」。
  約一ヶ月振りに訪れると、屋号が「季風亭」と改められており、そう言えば、
  三週間前に不祝儀で会った際、屋号を変えると言っていたのを、すっかり失念していた…。

 ◎「生ビール(中)」五八〇円
 …店に入ると、夕立の影響か、僕が此の日の初めての客の様だ。
  歩いて来たので身体が火照り、汗が止め処無く噴き出し、席に着く気に成れない。
  暫く、冷房の風に直に当たりつつ、発注した麦酒を立った儘で呷る。
  汗が出っ放しで仕事をした為、此の水分補給は有り難い。
  冷たい麦酒は一日の疲労の疲れを癒して呉れる。
  其れにしても、夏と言う季節に殺意すら覚える…。

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 ◎「かれい煮付け」八八〇円
 …漸く汗も落ち着き、席に座り、一息吐く。
  何を頂こうかと悩むのも束の間、マスターが「鰈の煮付けが有るよ」とゴリ押しして来る。
  如何せん此の暑さなので、煮魚は如何しようかなと逡巡していると、
  発注しても居ないのに、半ば強制的に、勝手に出て来る厚かましさ。
  まあ良い、乗り掛かった笹舟、否、泥舟だ…。
  とは言え、鰈の煮魚は美味しく、箸で突いて頬張れば、ホクホクした身の柔らかさが有り、
  甘辛い煮汁がしっかりと染み込んでいて、骨の処理が億劫だが致し方有るまい。
  今は無き「かもん」の味を、此のノーパンではないしゃぶしゃぶ屋で頂けるのが不思議な心持ちだ。
  「かもん」の煮魚は、卸生姜を添えて頂くのが流儀で、生姜の爽やかな辛味が、
  濃厚な甘辛い煮汁をさっぱりとして呉れる感じで、ちまちま突き乍ら、チビチビ酒を遣るには良い。

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 ◎「和牛炙り串~梅肉ポン酢」五八〇円
 …麦酒を二杯頂いた後、「コークサワー」に替え、摘みも如何しようかなと熟考に入る。
  屋号の変更に当たり、メニューも手が加えられているが、此方の売りの牛肉メニューは健在。
  と言う訳で、前回、気紛れで発注した此れが美味しく、しゃぶしゃぶを発注出来ない僕でも、
  此れならば安価で牛肉の味を堪能出来るので有り難い。
  串から外し、梅肉の入ったポン酢に浸して頬張る。
  牛肉は端肉の部位とは言え、脂がジュワーっと溶け出し、甘味で口一杯に支配される。
  ポン酢の酸味に、梅肉の強い酸味が加わり、ポン酢の旨さに梅の風味が心地好い。
  端肉と言えども、肉の旨さは十分過ぎる程に感じられ、此の値段で焼肉に来た感覚を味わえれば、
  十分、御釣りが来るのではなかろうかしら…。

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 ◎「肉汁うどん」七三〇円
 …店内に客が僕しか居ない事も有り、皆で猥談で盛り上がると言う無茶苦茶な店。
  栗の花の匂いが立ち込める様な感じで、猥談好きの僕としては楽園だ…。
  マスターとは普段から周囲がドン引きする様な猥談を繰り広げているので心地好い。
  其れより、〆に肉汁饂飩を前回に続いて頂こう。
  「かもん」時代から、〆に此れは必須で、〆としては最適。
  油揚げを切らしているから、代わりに豚肉を多くしておいたと言う、マスターの嘘をかわし、
  饂飩を手繰り、つゆに浸して啜ると、ツルツルとした喉越しで、スルスル入って行く。
  つゆは以前よりも味が薄くなった感じで、高血圧患者にとっては物足りなさが有る。
  マスターも、僕を遥かに超越する高血圧患者なので余計だ。
  豚バラ肉は脂身の旨味が染み出している感じで、バラ肉は最高だ、素敵だよ、豚さん…。
  勿論、つゆは全て飲み干す。

 麦酒二杯、コークサワー三杯を呷り、マスターと一緒に店を出、最終の高崎線で帰る…。