続・ROCK‘N’ROLL退屈男

続・ROCK‘N’ROLL退屈男 B面⇒https://twitter.com/RandR_taikutsu

「らあめん 満来」【新宿西口】

イメージ 1

◆「らあめん 満来」【新宿西口】

 ◎「チャーシューざる」一二〇〇円

 …火曜日。
  週明け二日目とも成れば、何と無く身体も慣れ、平常運転に。
  此の日も朝一で、胸のポッケに入れた携帯電話に水滴が付着する位に汗をかきつつ、
  駅迄の道程を歩き、満員電車に揺られて池袋へ出掛ける。
  電車は如何して冷房を点けないのだろうか。
  車内は人熱れで窓が曇っていると言うのに、JRと言うのは融通が利かない…。
  残務を熟し、新宿での仕事の為、十一時に上司と二人して向かう。
  電車内ならずとも、室内も実に暑く、汗だくなのは言う迄も無い。
  Yシャツを腕捲りし、噴き出す汗を拭いつつ、仕事に入り込む。
  十三時に成り、切りも付いた所で昼御飯を摂りに、眠らない街・新宿を彷徨う。
  新宿と言えば、一〇月に初めて訪れ、其の肉の量に驚愕し、圧倒された此方。
  駄ブログ休止中には、此方の弟子筋に当たる「らぁめん ほりうち」にも訪店し、
  同じく「チャーシューざる」を頂いたが、今回は本家に戻ろう。
  店に着くと、店外にこそ行列は無いものの、店内では一〇人以上が腹を空かせて待っている。
  場所柄、中年の月給取りが多く、斯く言う僕も、最早、其の仲間入りの年齢だ…。
  先ずは券売機で、昼御飯としては超高級な「チャーシューざる」の食券を購入。
  昼御飯で一二〇〇円だなんて、石油王か、ブルジョワジー、皇室関係しか許されまい。
  列の最後尾に並べば、意外にも回転が早く、一〇分も待たされなかっただろうか。
  年端も行かない、一人で一杯も食べ切れない餓鬼を連れている客が居ないのが大きい。
  そう言う客が、「ラーメン 二郎」の様な、回転が命の狭い店に襲来した日にゃ、奥さん。
  そう言う木っ端家族は、「幸楽苑」にでも行くべき。
  さて、非難されそうな愚痴はさて置き、カウンター席に通され、冷水を呷って出来上がりを待つ。
  そして、先につけ汁、否、肉の塊が犇めき合う汁が差し出される。
  其れにしても、此の見た目は実に圧巻で、魅惑的で、「魅惑のチキルーム」より魅惑的。
  麺も運ばれて来た所で、一日の唯一の愉しみ、僕の昼御飯の始まりの時間のタイム。
  刻み海苔が塗された、笊蕎麦の様な麺を手繰り、豚肉祭り開催中のつけ汁に浸す。
  と言っても、浸す余地も無い程なので、豚肉の隙間に捻じ込む様にして、無理矢理に。
  ツルツルっと啜れば、平打ちのややピロピロした麺は、モッチリとして旨い。
  つけ汁は醤油が立っており、さっぱり、すっきりとしているが、角は無く、嫌味が無い。
  飽きの来ない味といったら陳腐だが、万人受けしそうな、昔懐かしさも感じられる。
  甘味は無く、仄かな酸味と、一味唐辛子の辛味が印象的だ。
  然し、難点は、前回も感じたのだが、温いと言う点。
  此れだけの叉焼を投入すれば、自然と熱が奪われて、冷めてしまうのも無理は無い。
  さて、お次は此の肉塊だ。
  何処から如何見渡しても、見えるのは肉のみ。
  此の肉が、実に秀逸で、一見するとパサパサで、固そうな感じがするが、
  齧り付けば、赤身の部位はホロッと解れ、脂身はトロッとして、柔らかくて最高。
  食感の異なる部位や、切り方の違う肉が入っているのが良い。
  此処迄来ると、つけ麺を食べに来たと言うより、肉を食べに来たと言う感じ。
  具は他に麺麻が入るが、此れだけの肉が入っていれば、麺麻だけで十分だ。
  つくづく、此の「チャーシューざる」がゴイスーだ…。
  麺は後半に成ると表面が乾いて来て、刻み載りが麺と一体化してしまい、手繰るのが大変。
  麺と麺がくっ付いてしまい、箸で手繰る手が疲れて、手を揉み解して休み休み啜る。
  麺は一見すると、水切りが甘いかなと思ったが、麺の皿に水が溜まる事も無い。
  つけ汁はと言うと、後半は完全に冷め、表面には叉焼から染み出した脂が白く凝固して浮き始める。
  〆は勿論、つけ汁を全て飲み干し、豚の脂をしっかりと摂取し、美肌に努める。
  一二〇〇円を支払う価値は有るが、貧乏人にはちょいと痛いな…。