続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「らあめん 満来」【新宿西口】

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◆「らあめん 満来」【新宿西口】

 ◎「チャーシューざる」一二〇〇円

 …金曜日。
  此の所、寝付きが悪く、寝ても悪夢に魘されて目が覚める様な毎日だ。
  嗚呼、何処かに消え入りたい…。
  とは言え、そんな度胸も勇気も無く、小心者は時間通りに起床し、
  身支度を整え、重たい鞄を背負い、いそいそと仕事に出掛けるしか術が無い…。
  神無月に入り、背広の上っ張りを已む無く羽織っているが、いやはや、未だ暑いな。
  豚骨スープと言う名の汗を止め処無く噴き出させている。
  池袋に着き、一頻り残務を熟し、十一時過ぎに新宿へと仕事に出る。
  新宿に着くと、気温を示すデジタル表示が、二十七度と点いている。
  道理で暑い訳で、立派な真夏日だ。
  デヴの僕からしたら、二〇度が夏日、二十五度以上は真夏日としている。
  引っ切り無しに噴き出して来る汗を拭うのも儘成らない中、仕事を黙々と遣っ付ける。
  勿論、「遣っ付け仕事」と言う意味ではない…。
  時刻も十三時に成り、一先ず、昼御飯を食べよう。
  コンクリートジャングルの新宿の街を彷徨い、目当ての此方へ辿り着く。
  昨年一〇月四日に初めて訪れ、其の余りに暴力的な盛りに驚愕したのを覚えている。
  其れ以来、昨年末は何度も通い、並びに在る弟子筋に当たる「らぁめん ほりうち」も合わせ、
  大量の豚肉を摂取したが、最近は新宿で昼御飯を頂く機会が減り、すっかり御無沙汰だ。
  久し振りに機会を得、いざ、二月二十二日以来の腕白の聖地へ。
  店外に行列は無いが、店内には十六人程の待ちが発生している。
  然し、今日と言う機会を逃す訳には行かないので、券売機で食券を購入する。
  一応、減量も気にしている最中なので、普通の「ざる」にしようかとも思うも、
  矢張り、店頭の写真を見てしまうと、叉焼がてんこ盛りでないと寂しく思え、
  食べれば胸焼けするのは分かっちゃいるが、ついつい、「チャーシューざる」の釦をポチっとな。
  痩せたい気持ちは十分過ぎる程に有るのだが、嗚呼、何たる意志薄弱さ加減だろう…。
  行列の最後尾に並び、只管、ヂッと待つ。
  此方は回転が早いので、何時も予想よりも早く着席出来るが、此の日は入店から二〇分後に着席。
  食券を提示するが、予め、食券を改札しているので出来上がりは早い。
  着席から三分もすれば、豪く蠱惑的で暴力的なつけ汁の器から先に配膳され、
  程無くして、麺の皿が差し出され、食事を開始する。
  相変わらず、腕白心を擽り、グッと掴んで放さない見事な迄の見栄えだ。
  つけ汁に溢れんばかりに盛り付けられた肉塊を、少しばかり端に寄せ、漸くつけ汁が見える。
  僅かな水面に、手繰った麺を捻じ込む様にして浸し、其れを啜る。
  つけ汁は醤油味のすっきりとした味わいで、鶏ガラや豚骨と思しき動物系の旨味もじんわりと感じられる。
  此の動物系の出汁の甘味、酢の酸味、一味唐辛子の辛味、此れ等が均整が取れていて心地好い。
  麺はピロピロとした平打ち麺で、水で確りと〆られており、腰も有り、喉越しが良い。
  此方はともすると肉の塊にのみ目が行き勝ちだが、つけ汁、麺共に秀逸なのだ。
  さて、次は大物に取り掛かろう。
  一体、何百グラム入っているのだろうと言う程、此の叉焼の塊は圧巻で、壮観だ。
  分厚く切られた物と、刻まれた小さ目の物が入り、其れはもう迫力満点。
  パサパサ感が有ると思いきや、吃驚する位に柔らかく、噛むとホロっと解れる。
  脂身も適度に付着しており、見た目に違わず、味の方も素晴らしい。
  正直、後半は可也きつくなって来るのは否めない。
  出来る事なら、肉の量は半分で良いから、一〇〇〇円位にして貰えないかしら。
  寄る年波には抗えないもの…。
  具は他に麺麻と葱のみで、叉焼の影に隠れて目立たないが、其れも致し方有るまい。
  何とか、胃袋に押し込み、とは言え、確りと美味しく頂き、最後はつけ汁を飲み干す。
  冷めたつけ汁には、叉焼から染み出した脂が凝固して白く成っている…。