続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「高砂ホルモン」【御花畑】

◆「高砂ホルモン」【御花畑
 
 …月曜日。
  此の日から一泊二日で秩父への小旅行に出る。
  今回の目的は、日帰りでは出来ない、泊まらないと出来ない事をする。
  其の最大の目的は、秩父名物で、聖地の様な店である此方で頂く事。
  十七時前に西武秩父駅近くの「ルートイン秩父」に転がり込み、
  少し横たわった後、十八時に予約を入れていた此方へ、意気揚々と向かう。
  大混雑店の為、予約を入れないと難しいと言う情報だったので。
  店に到着すれば、全ての戸が開け放たれ、モクモクと排煙されている。
  此れは隣近所の家は大変だなと、思わず心配してしまう程…。
  貼り紙に、予約でも順番に案内する為、待つ様にと言う旨が記されている。
  暖簾を跳ね上げ、店内を覗くと店主らしき方に予約した事を伝える。
  一〇分程待ち、席の準備が整ったのか、店内へと案内される。
  おおっ、此処が七年越しで訪店を夢見た聖地か…。
  地元民で溢れ返り、店内に音楽は無く無音で、会話と焼く音だけが響く。
  良し、喰うぞ。
 
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 ◎「ビール(大ビン)」六五〇円
 …先ずは酒を発注するが、生麦酒は無い様で、瓶麦酒のみ。
  此れは此れで乙じゃないかと、直ぐ様、発注。
  手酌で注ぎ、久し振りの瓶麦酒の味を味わう。
  此の日一日、ずっと運転のし通しで、山奥の三峯神社迄出掛けた疲労を癒す。
  其の間に、炭火と七輪の準備も整った様だ。
 
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 ◎「レバー」三五〇円+「ハツ」三五〇円+「カシラ」四〇〇円+
  「ネック」四〇〇円
 …さあ、肉だ、肉だ。
  事前の調査で、週に三度、肉の仕入れをする様で、此の月曜日が其の日。
  其の為、新鮮な肉が頂けると言うので、此の日を選択した程。
  一見の僕にも、店主が優しく声を掛けて呉れる。
  「レバー」と「ハツ」が御薦めで、此の日の朝に〆たばかりと言う。
  此の二品が店の看板である事は知っていたので、期待に胸が高鳴る。
  序に「カシラ」と「ネック」も合わせて発注しよう。
  タレも用意されるが、甘味は無く、醤油ダレが立った辛目の味で、
  キリっと引き締まっており、飽きの来ない味わいに成っているのだろうな。
  そして、皿に四種類の肉がワサっと盛り付けられて登場する。
  思わず、歓声を上げたくなる。
  レバーとハツは表面が白っぽく成ったら食べ頃で、焼き過ぎ注意と言う。
  先ずは、此方のレバーを頂く事に憧れていたので、其方から炙ろう。
  一切れが分厚く、箸で持ち上げると重量感が有る。
  七輪の網がヂューっと音を立て、焼き上がるのが待ち遠しくて仕方が無い。
  両面を一〇秒位ずつ炙り、タレに付け、いざ頬張らん。
  噛むとさっくりとした歯触りで、中は半生でトロトロ。
  臭味なんて物は丸で無く、甘味が強く、プリップリして生きているかの様だ。
  此りゃ、態々、宿泊迄して頂くだけの価値は有るわ。
  泊まらなくても帰れるのだが、どうせならゆっくりしたいしね。
  続いてはハツ。
  此れも表面を軽く炙れば、プルントゥルンで最高だ。
  中に迄火が通ってしまったら台無しだな。
  何せ、生で、刺身で頂けるレバーとハツは、焼かなくても良い程だ。
  豚と言えば「カシラ」が外せない。
  東松山名物の「焼きとん」にしても、カシラが主役だしね。
  此のカシラ、程好い噛み応えは有るのだが、箆棒に軟らかい。
  分かるかしら、噛み締めたくなる食感が有るにも拘わらず、軟らかいのだ。
  「ネック」は見ての通り、脂身の部位が付着し、ジューシーさが感じられる。
  硬い物も有るのだが、噛んでいると脂の旨味が染み出して来る。
 
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 ◎「おしんこ(きゅうり)」四〇〇円
 …周りを見ると、発注率の高かった「おしんこ(きゅうり)」を発注。
  箸休めとして、さっぱりしたいのでね。
  普通の糠漬けや浅漬けではなく、将又、キムチでもない。
  ホルモンのタレで漬けた様なピリ辛の物。
  然し、此れが後を引くと言うか、ポリポリと際限無く食べてしまいそう。
 
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 ◎「緑茶ハイ」四〇〇円
 …麦酒の大瓶を二本頂いた所で、酒を替えよう。
  酒の種類も必要最低限しか置いておらず、其れで良いのだ。
  「チューハイ」とも迷うも、「緑茶ハイ」に落ち着く。
  静岡県で言う所の「静岡割り」だ。
  ホルモンの脂をサッと流して呉れる様な爽やかさが良い。
 
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 ◎「レバー」三五〇円+「カシラ」四〇〇円
 …何だかんだで、昼間のつけ麺が未消化だったりで、胃袋が埋まって来る。
  其れと、此の手のホルモンや焼肉は、自分で炙り、頃合いを見て食べたり、
  意外と量を食べていない様だが、手持無沙汰に成る事が無く、
  気付けば結構、ちゃんと腹が一杯に成っていたりするから不思議だ。
  手持無沙汰だと、幾ら食べても満腹には成らないのだが…。
  と言う所で、最後に御替わりを。
  未食の「ホルモン(白)」、「タン」、「ナンコツ」、「コブクロ」、
  此れ等も大いに惹かれるのだが、「レバー」の旨さには敵わない。
  次回の御愉しみに取って置いて、今回は「レバー」と「ハツ」で攻める。
  今度は片面五秒ずつ、「生ラムジンギスカン 十勝平野」の「上ラム」風に、
  ほんの少し火が通る程度で頂いてみよう。
  中身は冷たさが残るが、トロンとして、生肉の旨さが堪能出来る。
  カシラも旨いナ。
  牛肉のカルビなんか要らないかも知れない。
 
 麦酒大瓶二本、緑茶ハイ二杯を頂戴し、煙に塗れ、滞在時間二時間弱。
 此れは是非とも再訪は有るな…。