◆「うな鐵」【大宮】
…暦通りの休日のブルジョワジーに戻り、初めての三連休。
と言いつつも、あっと言う間に最終日を迎え、サザエさん症候群が重症だ。
何だかナァ…。
此の三連休、何だかんだで毎日出歩いていたので、疲労してしまった。
然し、大宮市民として初詣に行かないといけない。
年が改まった気がしないと言うか、据わりが悪く、罰当たりな気がして…。
確りと、初詣を済ませ、大宮公園の小動物園を少し散策し、大宮駅周辺に。
腹も減ったのでね…。
年の初めなので、此方で鰻でも頂こうかね。
と言っても、此方は安く上げられるので重宝している。
◎「生ビール(中)」五五〇円
…寒風吹き荒ぶ中、寒さに凍える様にして店内に転がり込む。
別段、「いらっしゃいませ」とも言われず、歓迎されていない様だ…。
着席し、店内の暖かさにホッと一息吐き、先ずは麦酒を発注。
寒かろうが、何だろうが、手始めは麦酒が良い。
御通しは萌やしと竹輪の入った和え物。
◎「短尺」三〇〇円
◎「串巻き」三〇〇円
…「うな丼」も頂くのだが、其の前に、ちょいと鰻の串を頂こう。
此方では決まってそうしているのでね。
「短尺」とは、鰻の蒲焼を小さく串焼きにした物で、即ち、蒲焼の串焼き。
なので、味は鰻の蒲焼其の物。
小さくても、鰻の旨さは存分に堪能出来、幸福感に包まれる。
「串巻き」は、鰻を細く切り、串に巻いた物。
此方は蒲焼の状態ではないので、鰻の本来の身のプリッとした感じが残る。
◎「きも焼」二五〇円
…遅れて出て来たのは、鰻の串の定番の肝焼き。
肝と言いつつも、純粋に肝臓の部位と言う訳ではないのだろう。
他に「レバ焼」と言うメニューも有るのでね。
鰻の内臓のほろ苦い味わいが、何とも大人で、酒呑み向き。
香ばしくも有り、プリッとした弾力も有り、レバの様な食感も味わえる。
◎「うな丼」一二九〇円
…さて、主役は此れだ。
貧乏人の賤民は、「うな重」、「蒲焼定食」なんて高嶺の花だ。
「うな丼」ならば八四〇円で頂けるからと御邪魔してみると、
何時の間にか、一二九〇円と、四五〇円も大幅に値上げされている。
三年七ヶ月振りに御邪魔してみれば、何てこったい…。
此れが月日の流れと言うものか。
其れはさて置き、卓上の山椒を振り掛け、鰻丼に取り掛かろう。
値段は大きく跳ね上がったが、鰻の大きさは縮んだ様な…。
細かい事は考えない様にして、鰻に集中しよう。
此の値段なので、国産の天然物の訳はないが、矢張り、鰻は旨い!
炭火焼きで、表面は香ばしく、中はふっくらと軟らかく、
其れにタレが濃厚に絡み合い、本当、日本人に生まれて良かったと思う。
寿司も良いが、最期の晩餐は鰻を鱈腹食べたい…。
金持ちに成って、鰻屋で豪遊してみたいものだ。
宝籤でも購入するかな。
真面に労働しても高が知れているし…。