◆「らぁめん ほりうち」【新橋】
◎「チャーシューざるらぁめん」一一五〇円+「大盛」無料
…月曜日。
未だ未だ、暑く、忙しく、苦しい夏は続いている。
後、一週間の辛抱だが、其の一週間すら永く感じられる程に疲労している。
九月に入れば閑散期に成るが、九月一杯で流刑地での任務も終わる…。
其れは其れで、何とも言えない気持ちに成るが、此の先も未だ、
重たい仕事は残っているので、気が休まる暇は無さそうだ。
さて、話は遡って月曜日。
此の日は朝から池袋に出向き、残務を熟し、午後から蟹工船乗船の暮らし。
十三時半に切り上げ、移動を開始する。
久し振りに昼御飯でも頂こうと、「北大塚ラーメン」へと向かってみるが、
夏季休業と思いきや、九月三日迄、店舗改装で休業と言う。
仕方無く踵を返し、一瞬、気紛れで「ホープ軒本舗」でも良いかなと思うも、
壁の無い、暑い中で啜るのは地獄だなと感じ、諦めて山手線に乗車。
乗り換えのバシシンへと移動し、其処で済ませよう。
彼是と考えるのも億劫なので、毎度の此方にすんなり決まる。
六月二十六日以来、約二ヶ月振りの訪店。
店内に入り、券売機で何時もの食券を購入し、食券を手渡して着席。
麺の量を訊かれ、折角なので、「大盛りで」と御願いする。
十四時過ぎなので閑散としており、落ち着いて頂けるので助かる。
もう、人混みや行列と言うのが鬱陶しく、心がざわついてしまうので…。
厨房内は男性三人体制で、ヒップアップと同じ編成。
冷水を呷り、ヂッと出来上がりを待つが、右隣では、五〇前後の月給取り風が、
何と、麺の量六〇〇グラムの「特盛り」を啜っており、自分の衰えを痛感。
僕はもう終焉だ…。
そうこうしていると、一〇分強で、暴力的な「チャーざる」の御出座し。
麺の量は三五〇グラムで、右隣の御仁の約半分だが、僕は僕で頑張ろう。
いざ、麺を手繰り、叉焼が犇めき合うつけ汁の隙間を見付け、麺を浸して啜る。
つけ汁は、鶏ガラと豚骨をふんだんに使った、昭和時代のあっさり醤油味、
と言う触れ込みの御馴染みの滋味深い、じんわりと旨味が浮かび上がる物。
醤油のキリっとした切れと、出汁の迸る旨さが感じられる。
控え目の酸味と、唐辛子の辛味も心地好い。
麺はと言うと、其の日の気温や湿度に因って、生地の状態が変わる為、
伸び難い中太の多加水麺を使用し、毎日茹で時間を変えて、
麺の状態にとことん拘って作っていると言う力の入れ様だが、
厨房内には「中西食品」の麺箱も有り、恐らくは外注なのだろう。