続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「支那そば 心麺」【北本】

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◆「支那そば 心麺」【北本】

 ◎「白メンマの塩チャーシューメン」一一五〇円

 …木曜日からの四連休も、あっと言う間に三日目。
  如何してこうも、休日が過ぎ去るのが早いのだろうか。
  きっと、休日の日は一日が十二時間しか無いのではなかろうか…。
  昨晩は寿司と生牡蠣を肴に酒宴を繰り広げ、午前零時半には解散して就寝。
  何だか、夜中に夢に魘されて呻く事が多く、寝乍ら疲労している。
  今朝は八時過ぎに起き出し、午前中は極めて自堕落に、非生産的に過ごす。
  正午を過ぎ、漸く重たい腰を、よっこらせーのせーのせーのせと持ち上げる。
  欲を言えば、何もせずに家で寝て居たいのだが、流石に食糧も無く、
  餓死をしてしまっても何なので、耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで動く。
  本当、身体が容易じゃない…。
  向かう先は、十一月五日に御邪魔し、其の叉焼の出来栄えに甚く感動し、
  是非とも近い内にもう一度頂きたいと思い続けていた此方。
  先日、五ヶ月振りに再訪し、「白メンマの塩チャーシューワンタンメン」を頂き、
  流石は「支那そばや」の系統だと、此の歳に成って改めて思う事が有ったので。
  旧中山道を北上し、十三時過ぎに到着し、駐車場の空きも有り、
  店内にも空きが有り、すんなりとカウンター席にヨッコイショーイチ。
  少しして、冷水を運んで来た若い男性店員氏に発注を済ませる。
  月末なので節約して、雲吞は無しの「白メンマの塩チャーシューメン」で自重。
  厨房は店主氏、女性店員氏二名、男性店員氏一名の四人で、サーカスと同じ編成。
  冷水を呷り、後から右隣に座った横柄な客に苛立ちつつ、出来上がりを待つ。
  如何してあんなに偉そうな、不遜な態度なのだろうか…。
  そんな馬鹿はさて置き、十五分程でラーメンが目の前から差し出される。
  三週間振りと、間は空いていないが、此の美しい佇まいに悩殺される。
  くらくらとしそうな程に悩ましい黄金色の輝きに、心を奪われる。
  蓮華を手に取り、先ずは其の煌めくプースーから啜る。
  福島県銘柄鶏である本宮烏骨鶏で出汁を採っていると言い、
  塩ダレの甘味もじんわりと浮かび上がって来て、狂おしい迄の清廉な旨味だ。
  揚げ葱の香ばしさと、刻み葱の香味が相俟って、旨さが華やいでいる。
  麺はと言うと、店舗裏の「麺工房」で打たれたと思しき自家製麺
  此れ又、小麦の風味がふんわりと感じられる、しなやかで流麗な啜り心地で、
  喉越しが良く、スルスル入って行き、絹の様な風合いの麺。 
  一六五グラムと言う量が少なく感じられる程に、啜るのが勿体無い、
  啜ると愛おしく感じられる様な麺で、パツッと千切れる様な食感も兼ね備える。
  白麺麻は相も変わらず其れは素晴らしく、派手さは無いが、軟らかさと、
  シャキシャキとした軽快な歯触りと、上品な甘さを併せ持ち、此れは絶品だ。
  此の白麺麻を摘みに、麦酒を飲ると言う、皇室関係しか許されない様な、
  金に糸目を付けない豪遊をしている爺が居たが、激しく嫉妬する…。
  さて、僕には叉焼が有るではないか。
  箸で持ち上げるのも困難な程に軟らかく、吃驚する程に大判な叉焼二枚が。
  通常の「塩ラーメン」には、バラ肉を巻いた小振りの叉焼が入るが、
  「塩チャーシューメン」と成ると、此の大きさ、厚さのロース肉に替わる。
  口に入れるや否や、瞬く間にホロッホロに蕩けて無くなると言う魔術に掛かる。
  元来、ロース肉は硬くてパサパサしている事が多く、敬遠していたが、
  此の叉焼ばかりは、翻筋斗を打って引っ繰り返る程に素晴らしく、
  僕の中のロース肉の叉焼の概念を覆し、延々に食べ続けたい旨さ。
  淡麗な塩味のプースーを害わない味付けで、此れは店主氏の弛み無い、
  熱心な研究の賜物で、其の努力は味を裏切らないのだな。
  具は他に、通常の麺麻と小松菜が乗る。
  最後はプースーを一滴たりとも残らず啜り、会計を済ませ、満足感一杯で退店。
  此りゃ電車で来て、白麺麻を摘みに一杯飲ろうかしら。
  あっ、僕は豪族じゃないから無理だったわ…。