◆「俺系らーめん 藤本」【本厚木】
◎「チャーシューワンタンメン」一二〇〇円+「ミニチャーマヨ丼」無料
…昨日。
一体、来年は如何成ってしまうのだろうかと言う悲報ばかりで、
正に、本厄を象徴しているかの様な年の瀬で、本当、気が休まらない…。
年明け、十六日からの新部署での仕事内容も、丸っ切りの専門外、門外漢で、
七月の面談時に聞いていた話と違っており、大いに戸惑っている。
まあ、仕事なので、遣れと言われれば精一杯遣るが…。
さて、話は遡って木曜日。
此の日は、BOOK厚木に清算業務に出掛ける。
午前中に一つ搬出を終え、塵捨てに精を出す。
正午を前に、少し早いが昼御飯を済ませてしまおう。
恐らく、BOOK厚木に来るのも、来週二十九日が最後に成る予定なので、
何か、食べ納め、左様ならをして置かないといけないからな…。
と言う訳で、今年三月十六日の新規開店以降、七回御邪魔した此方へ。
小田原系ラーメンの薫陶を受け、其の味わいに肝銘を受けたので。
一〇分強の道程を歩いて到着し、白い暖簾を跳ね上げ、店内に入る。
相変わらず、自動扉と見せ掛けての手動扉。
入って直ぐの券売機で、良し、最後だと「チャーシューワンタンメン」の釦を。
此処五回、ずっと頂いているが、叉焼が右肩下がりの印象なので、
回避しようと思っていたが、折角、最後に来たのだからと言い訳を付ける。
店内の入りは良く、僅かに空いているカウンター席にヨッコイショーイチ。
御初の店員氏に食券を手渡すと、冬季限定で、香り付けに柚子の皮を入れており、
問題無いか訊かれ、こちとら、柚子は好きなので、入れて貰う事に。
更に、昼時の無料の持て成しで、「ライス」、「ミニチャーシュー丼」、
「ミニチャーマヨ丼」を振る舞って呉れると不意を衝かれたので、
咄嗟に「チャーマヨ丼で」と返し、此れじゃ、随分とプクマンに成るな…。
厨房内は店主氏と件の御初の店員氏の二人体制で、髭男爵と同じ編成。
冷水を呷っていると、先に「ミニチャーマヨ丼」が出され、程無くして、
十一月九日以来、一ヶ月半振りの対面だが、丼の真ん中には鮮やかな黄色が。
先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
相変わらずのロイクーなプースーは、千葉県産の濃口醤油を使用との事で、
表面には油層が構築され、一口啜れば、今回は醤油ダレの味わいが強めで、
其の塩気、酸味が感じられるも、油の甘味が角を取り、丸みを帯びさせる。
じんわりと浮かび上がって来る出汁の味わいは、気持ち、何時もより控え目か。
仄かに柚子の皮から、爽やかな馨しい芳香が
茹でた萌やし、大量の三つ葉は、全体をさっぱりとさせて呉れる。
麺は御馴染みの手揉み麺。
ピロピロとした食感の麺は、佐野ラーメンの青竹打ち程の不揃いな感じは無く、
緩やかな畝りはプースーとの絡みも良く、持ち上げも抜群で、啜り心地も良い。
雲呑はチュルンとして、餃子並みの大きさの物が五粒。
餡もぎっしりと詰まっており、生姜が効いて引き締まっている。
さて、最後に味わう叉焼は如何だろうか。
五枚入り、バラ肉が二枚、ロース肉が三枚と言う内訳。
バラ肉の物は、しっとり感が有り、脂身はプルンとして蕩ける食感が有り、
赤身の部位も、適度な噛み応えと軟らかさが同居し、中々に素晴らしい。
ロース肉の物は、厚味こそ有るが、パサつき気味で、些か残念。
九月十四日に初めて頂いた「チャーシューワンタンメン」の叉焼は、
実に淫猥で、むっちりとした淫靡な食感が、狂おしい程に良かったのだが…。
麺麻はポリポリ、コリコリとした歯触りが良く、麦酒の摘みにしたい程。
さてと、無料の「チャーマヨ丼」はと言うと、白米の上に、叉焼の切り落とし、
屑肉の様な部位が入り、此れにマヨネーズが掛けられ、上には葱が塗される。
無料なので文句は言わないが、ダーターならば、全く以って有り難い。
店内の暖房がきついので、汗だく、風呂上がりの様な状態で食べ終え、
恐らく、もう御邪魔する機会は無いだろうと、感慨深げに退店する…。