◆「麺処 景虎 produced by ほん田」【新三郷】
◎「特製濃厚鶏白湯ラーメン」一〇五八円
…昨日。
世間様は伴天連正月だと、浮かれ狂い、遊び呆け、狂喜乱舞している様だが、
こちとら昨日は、会社から泣きが入り、人手が足らないからと、
他部署の応援に駆り出され、不慣れな業務乍ら、新三郷へと出掛ける。
まあ、蟹工船乗船生活も終わり、仕事量が軽くなったので、
勿論、会社の指示に従って労働するのは当たり前で、何ら、吝かではない。
終日屋外、然も、陽が当たらない場所での業務の為、身体に堪える。
厚着をして、懐炉を忍ばせ、準備万端のつもりでも、地面から伝わる寒さは、
身体の芯から冷え、ヂッとしていると凍えそうだ…。
十四時を前に、昼休憩を宛がわれ、暫し、身体を温めよう。
昼御飯は、新三郷駅前の大型商業施設に潜入してみる。
尤も、事前に下調べ済みだが。
簡易的な飲食店密集地帯の中に、ラーメン店は二店入居している。
一つは、矢鱈と増殖している、御馴染み「つけめん TETSU」。
「つけめん TETSU」は、まあ、あの味だろうと容易に想像が出来、
此方は、大宮の「麺処 ほん田 niji」では頂いた事の無い鶏白湯が有り、
物珍しさからして、此方に決定する。
淡麗系の「鶏だし醤油ラーメン」、「鶏だし塩ラーメン」も有る様だが、
凍り付いた身体を解凍するには、とろみの有る濃厚な鶏白湯が良かろう。
然も、欲張って、具の全部乗せである「特製濃厚鶏白湯ラーメン」にし、
会計を済ませ、変な発信機を持たされ、空席を探してヨッコイショーイチ。
浮かれ気分でRock❛n❜rollな呑気な人間の多さに反吐が出る…。
着席から三分程、胸囲、もとい、驚異の早さで発信機が震え出す。
西野カナは逢いたくて震え、発信機は呼び出されて震える。
取りに行き、盆を受け取り、さて、存分に温まろう。
先ずは蓮華でプースーから啜る。
案の定、とろみが有り、ぽってりとした、鶏の濃厚な旨味が強く出ている。
唇がペトッとした感じに覆われる。
丸で、故・浜田幸一議員のポマード頭に熱いベーゼをしたかの様…。
とは言え、強火で長時間炊き出したと言うプースーに諄さは無く、
鶏の野性味溢れる味わいを感じつつも、巧く執拗さを抑えている。
麺は、豚骨ラーメンを思わせる細麺で、噛むとバツっと千切れる。
ポキポキとした食感は心地好く、プースーも絡み付き、持ち上げも抜群だ。
出来る事ならば、替え玉をしたくなってしまうな。
叉焼はと言うと、二種類入る。
真空低温調理を用い、肉の旨味を閉じ込めたと言い、燻した風味が香る。
「炙りバラ焼豚」は香ばしく、脂身も程好く有り、ムチッとしている。
味付け玉子は黄身が半熟で、味も確りと染み込んでおり、ねっとりと濃厚。
具は他に麺麻、鶏そぼろ、海苔、水菜、葱が入る。
最後は汗だくでプースーを飲み干し、あっと言う間に身体が火照る程に温まる。
然し、午後は陽も傾き、グッと冷え込み、あっと言う間に凍える…。