◆「とんこつラーメン 博多風龍」【池袋】
◎「とんこつラーメン」五八〇円+「替え玉」無料+「替え玉」無料
…木曜日。
此の日も朝から、皺の無くなったトゥルットゥルの脳味噌に鞭打ち、
慣れない仕事に奮闘し、眉間の皺も深くなる。
何だろう、脳味噌の皺が、顔や眉間へと移動して来たのかと思う程。
賞味期限を過ぎた雲丹の様な状態の脳味噌が、白根山の様に噴火も間近か…。
此の日も十三時半を廻り、すっかり仕事で外に出る事が無くなったので、
外気に触れ、気分転換も兼ねて昼御飯を摂りに出る。
目星は付けてある。
然し、ラーメンは食べたい。
と言う訳で、五八〇円でラーメンが頂け、尚且つ、替え玉が二玉無料の此方へ。
二〇一三年四月二十六日以来、四年九ヶ月振りの訪店。
店頭の券売機で食券を購入し、以前は五〇〇円だったのにナァ~と心でぼやき、
店内に入れば、横一列のカウンター席はぎっしりと混み合っており、
僅かに空いた席へ通され、食券を手渡し、麺の硬さを訊かれ、普通で御願いする。
客席は元より、厨房内も混雑しており、六人体制と大所帯。
勿論、国籍不明の女性店員氏は、飲食業に於いて、貴重な労働力の担い手だ。
冷水を呷り、前日の「豚骨らーめん 博多天神」の様に、一分と掛からず、
直ぐにパッと出て来るかと思いきや、混み具合も相俟って、時間が掛かる様だ。
観察していると、此方は替え玉が二玉迄無料なので、其の注文が引っ切り無しで、
通常のラーメンの調理は後回しにされると言った感じが見て取れる。
目の前の麺茹で担当氏を見ると、手を休める暇も無く茹で続けており、
替え玉二玉無料と言うのが売りで繁盛しているのだから、致し方無い…。
何とか、五分強で「ラーメンオマタセシマシタ~」と配膳される。
「豚骨らーめん 博多天神」同様、プースーは真っ白く濁っている。
蓮華を手に取り、プースーを啜れば、豚骨の旨味を主張しつつ、
濃厚でクリーミーな味わいに仕上がっていると謳う様に、円やかで滑らか。
「豚骨らーめん 博多天神」よりは塩気が立っており、懐かしい所で喩えるなら、
「とっぱちからくさやんつきラーメン」の様な印象を受ける。
即席麺と比べるのは失礼かしら…。
豚骨は国産と加奈陀産を使用している様で、日本と加奈陀の混血だ。
麺を手繰れば、真っ直ぐな博多ラーメン特有の細麺。
茹で加減「ふつう」は二十五秒の茹で時間と言うが、ポキポキとして、
粉っぽい低加水の食感と言うのは、何とも堪らないものが有る。
五八〇円で麺三玉分を頂け、其れで採算が取れているのだろうから、
麺の値段なんて二束三文なのだろうが、頂く方としては有り難いわね。
粉は濠太剌利産の様で、其の辺で価格を抑えているのだろう。
ラーメンヲタクや美食家でもないので、国産との味の違いはなんぞ分からない。
此れで十分。
卓上の辛子高菜は、昔乍らの樽漬け製法で漬け込んだ福岡県瀬高産と言い、
他に紅生姜、白胡麻、卸生姜、胡椒を投入し、味の移り変わりを愉しむ。
さて、替え玉を「ばりかた」で御願いし、今度は一分弱で手渡される。
其れにしても、替え玉の発注が多いの何の。
「ばりかた」は茹で時間七秒と言い、より一層、粉の風味が堪能出来る。
前回、四年九ヶ月前は「粉落とし」で発注して通じたが、今はと言うと、
「やわ」、「ふつう」、「かた」、「ばりかた」以外は対応不可と言う。
「スーパー粉落とし」、「湯気通し」で頂いてみたいナァ~。
具は豚臭さ満載の叉焼、木耳、葱が入る。
もう一度、「ばりかた」で替え玉を頂戴し、満腹で午後の業務に戻る。
週に一度位は御邪魔するのも良いだろうな。