続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「らーめん 山頭火」【明治神宮前】


 …漸く漕ぎ着けた、待ちに待った週末の休日と言えば聞こえは良いが、
  熱帯夜で夜は寝苦しく、夜中に魘され、呻き、変な夢を見て嫌な汗も掻く。
  熟睡とは程遠いが、ズリオロスパンチョスはぎりぎり回避。
  今朝は八時半過ぎにむっくり起き出し、気怠い休日の朝。
  早くもサザエさん症候群で、来たる明後日の朝を憂う。
  午前中は極めて自堕落に、非生産的に過ごし、十一時半に家出する。
  二ヶ月振りに、伸び切った頭髪を切り落としに出掛けよう。
  灼熱の屋外は、ぎらぎらと下品な陽射しが容赦無く、殺人光線の如く降り注ぎ、
  汗だくで、頗る不快な心持ちで、原宿駅に降り立つ。
  十三時半の予約を前に、先ずは昼御飯がてら、ちょいとパイイチ飲れれば良い。
  前回の「九州じゃんがら 表参道じゃんがら2F」は空いていそうだったが、
  何と無くの気分で回避し、二〇一六年十二月四日以来、一年五ヶ月半振りに、
  此方で「とろ肉」を摘みに呑もう。

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 ◎「生ビール」五五〇円+「とろ肉別皿盛り」七二〇円
 …店に入れば、街の混雑とは裏腹に空席が多く、すんなりとヨッコイショーイチ。
  浅黒い、彼方の国の男性店員氏に発注を済ませる。
  其れにしても、何処も彼処も、ジンガイばかりで、自分が日本人なのか、
  此処が原宿なのか、平壌なのか、吉林省なのか、其れすらも分からなくなる…。
  頭の中がこんがらがっている所に、最初に麦酒、遅れて「とろ肉」の御出座し。
  麦酒をグイッと呷れば、贅沢な休日の昼間を味わえる。
  さて、「とろ肉」はと言うと、見た目で既に美味しい。
  豚一頭から僅か二~三〇〇グラムしか取れないと言う貴重な頬肉は、
  非常に軟らかく、口内の温度で脂が融け出し、旨さが口一杯に拡がる。
  もう、身悶えして馬鹿に成ってしまいそうで困る。

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 ◎「しおらーめん」八七〇円
 …麦酒を半分程呷った所で発注したラーメンが出来上がって来る。
  今回も「しお」で御願いするが、此方では此れに限る。
  普段、塩ラーメンなんぞ、滅多に頂かないが、此方のは別だ。
  同じ塩でも、食べ甲斐が有り、物足り無さも感じないのが良い。
  さて、残して置いた「とろ肉」三切れを丼に投入し、いざ頂こう。
  先ずは蓮華でプースーから啜る。
  香ばしさが有り、さっぱりとした中にコクが有り、パンチも効いている。
  豚骨、野菜、干魚を夫々に合った温度で煮出した後、混ぜ合わせ、
  完成させていると言い、最後の一滴迄飲み干せる事を意識している為、
  必要以上に塩分を加えていないと言うのが売りで、甘味が感じられる。
  紅をさした色白で細身の女性の形象と言うだけあり、優しい味わいがする。
  麺は低加水の縮れ麺で、ザラッとした感じと、モソっとした食感が好み。
  さて、プースーに浸し、熱を持った「とろ肉」はと言うと、参ってしまうな。
  旨くて。
  とろんとろんに蕩けるのだが、程好い噛み応えも残しつつ、しっとりとして、
  舌と同化してしまいそうだが、其の前に僕が如何かしてしまいそうだ…。
  六切れで七二〇円、一切れ一二〇円と言う高級品に相応しい堂々たる旨さ。
  此れを御飯の上に敷き詰めて、「ラーメン二郎 池袋東口店」の味付け脂を、
  たっぷりとぶっ掛けて頂いたら、嘸かし旨いに違いないだろう。
  そんな妄想を膨らませつつ、叉焼、麺麻、木耳、葱、小梅も頂き、
  プースーを飲み干し、汗だくで店を出る。
  其れにしても、店頭の外席では、欧米人が麦酒だけで話し込んでいる。
  抑々、此の店の使い道を間違っている…。