◆「らーめん つけめん 鶏の穴」【池袋】
◎「鶏冷やしらーめん サラッと」七〇〇円
…月曜日。
唯一の希望の週末の休日も呆気無く終わり、今週が始まってしまう。
人生を全うするより、次の休日を迎え方が永いのではないかと思う程。
今週中に絶命するかも知れないが…。
蟹工船に乗船していた時の辛さは酷かったが、今は違った辛さが有るか。
さて、話は遡って昨日。
平日の生きる希望は、何を置いても昼御飯しか無い。
唯一の外気を吸う機会であり、独りぼっちに成れる貴重な時間。
只でさえ縮こまった手足を、思い切り伸ばしたい。
何を頂こうかと思案し、「塩そば専門店 桑ばら」の「裏そば」を検索すれば、
早々に売り切れた様で、他を当たらざるを得ない。
気付けば、何の断りも無く七月に成っていたので、月に一度の御愉しみに。
一応、今年の限定メニューを振り返ってみようかね。
一月は「鶏白湯の担々麺」、二月は「ピリりと辛い味噌らーめん ちょいみそ」、
三月は「とりちゃんぽん。」、四月は「Lemon~あっさりあえSOBA
ペペロンティーノ風~」、五月は「酸味と辛味のハーモニー 帰ってきた
さんらーたん。」、先月は「アゴつけ」と来て、今月は冷やしの様だ。
山形県の冷やしラーメンを思わせる、冷やしの醤油ラーメン。
店に着くと、前にはゆとり世代五人の男女が不純異性交遊で屯している。
彼奴等は矢鱈と囂しく、黙ると言う機能は備わっていない様で鬱陶しい。
退いた所で食券を購入し、木戸を開けて中に入り、行列に接続する。
相変わらず五月蠅く、口を畳針で縫ってやりたい…。
食券を手渡し、顰め顔でグッと堪えて待ち、数分でヨッコイショーイチ。
温い水を受け取り、ぐいっと呷り、出来上がりをぢっと待つ。
そして、一〇分程で冷たいラーメンが配膳される。
一見、普通の醤油ラーメンだが、丼は冷たく、具には蕃茄が添えられている。
先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
当たり前だが、ひんやりとして、此の暑さには助かる。
真っ先に、鰹出汁がガツンと感じられ、何と無く、日本蕎麦の雰囲気も有る。
「鶏のあっさり冷やし醤油ラーメン」と謳う通り、鶏清湯スープと思われ、
表面にはきらきらと鶏油が浮かぶが、然程、鶏の出汁は強くはないが、
感じられるコクは、鶏油ならではの旨味で、あっさりし過ぎないのが良い。
醤油ダレも辛過ぎず、じんわりと甘味も感じられる。
麺はと言うと、中太の平打ち麺で、緩やかな縮れが効いている。
冷水を確りと〆られ、しこしことした腰と弾力が心地好い。
具は、表面が軽く炙られている鶏胸肉の叉焼で、プースーが冷たいので、
軟らかさを取り戻す事は無く、硬さを感じるが、冷たい麺には鶏肉が良いか。
他に麺麻、若布、蕃茄、鳴門が盛り付けられ、簡素だが最低限は揃っている。
後半、丼の縁に添えられた山葵を溶かして頂けば、より一層、蕎麦の雰囲気に。
最後はプースーを全て飲み干し、汗を掻く心配も無く、涼やかに退店。
さて、来月は昨年に続いて「雲丹あえ」だった良いなと期待してみる…。