…昨日。
其れにしても、此の狂った様な暑さは一体、何なのだろう。
誰も得しないし、不愉快でしかなく、気が違いそうな程だ。
三連休は非常に嬉しいのだが、此のとち狂った暑さだけは許せない。
此の暑さなので、冷房を点けて、家でヂッとしているのが一番なのだが、
週に一度位は自動車を走らせないと具合が良くないので、耐え難きを耐え、
忍び難きを忍び、少しばかり遠出をしてみようと試みる。
どうせなら、涼しげな場所が良かろうと、二〇一五年一〇月三日以来、
二年九ヶ月半振りに、吹割の滝を観瀑しに行く。
先ずは昼御飯をと、此の暑さだが、矢張り、地場のラーメンを頂きたい。
検索した所、「トマトラーメン」なる、蕃茄を使用したラーメンを出すと言う、
此方が引っ掛かり、国道一二〇号線を東に走り、現場へ急行する。
到着すれば、地元の人気店の様で、炎天下、待ちが発生しているが、仕方無い。
自動車を停め、店内で名前を記入し、呼ばれるのをぐっと堪えて待つ…。
◎「ノンアルコールビール」三八〇円+「盛り合わせ(小皿)」四五〇円
…十五分程待ち、漸く席に案内され、何とかヨッコイショーイチ。
此の暑さなので、クイっと暑気払いと行きたい所だが、生憎、自動車なので、
身を引き裂かれる思いで、麦味の炭酸飲料水で我慢する。
豪勢に摘みも発注し、叉焼、麺麻、朝鮮漬けの盛り合わせにしてみる。
叉焼は正直、期待していなかったが、此れが実に旨い。
ラーメンに入った物の様に、熱で蕩けると言う感じではないが、
赤身の部位はしっとりとして、程好い噛み応えを保ちつつ、脂身の部位は、
ねっとりと濃厚に、口内の熱で蕩けると言う塩梅で、此れは当たりだ。
麺麻も朝鮮漬けも、一手間加えられている様な味わいで、好感が持てる。
◎「焼餃子」四〇〇円
…折角なので、人気が有りそうな餃子も発注してみる。
客の多くが発注していたので、期待が持てそうだ。
一皿六個入りで、此れを最近のお気に入りの酢胡椒で頂いてみる。
小振りだが、表面はカリッと香ばしく、肉汁が溢れると言う型ではないが、
何より素晴らしいのが、大蒜がガツンと効いていて、滋養強壮に良さ気だ。
昨今、大蒜を忌避する、遣る気の無い餃子が多い中、攻めている感じで好きだ。
田舎の少し大き目のラーメン店と言う感じの店内、外観も懐かしさが有り、
盆に帰省して食べに来たいと言った趣きで、中々に好感触。
沼田市も「真田の里」として売り出しており、上田の血が半分入っている僕は、
何と無く親近感が湧き、好感が持てる。
◎「坦々トマトラーメン」八五〇円
…さて、ラーメンはと言うと、実に悩ましい。
「トマトラーメン」と言うのが独自の献立で、此れが人気と言うのは分かる。
普通の醤油、味噌、塩ラーメン、広東麺や旨煮の乗ったラーメンも有る。
此処は、郷に入っては郷に従うべきか、将又、冒険は止すべきか…。
さんざっぱら思案した結果、通常の「トマトラーメン」から更に捻って、
新しい献立と言う、担々麺と蕃茄の融合、「坦々トマトラーメン」を発注。
一頻り、麦味の炭酸飲料水と、各種摘みを愉しんでいると、其処へ、
赤々とした、一見すると、此の暑さに拍車が掛かりそうな色味に、一瞬怯む…。
遣っちまったかなと言う思いを払拭しようと、先ずは蓮華を手に取り、
おっかな吃驚、此の真っ赤なプースーから啜ってみる。
仄かに甘味が有り、蕃茄特有の酸味も感じられ、此れは「トマトラーメン」だ!
と思ったのも束の間、胡麻、芝麻醤の担々麺のコク、味わいが勝って来る。
矢張り、此れは担々麺だ!と、二つの味が鬩ぎ合い、可也、不思議な感じだ。
旨いのだが、此の不思議さに戸惑いつつ、何口もプースーを啜る。
麺はと言うと、ツルツルとした、加水率高目の中太麺。
啜り心地も良く、蕃茄の爽やかな酸味と調和し、担々麺のコクとも合っている。
具は萌やし、蕃茄、白髪葱、葉っぱと肉っ気が全く無いので、
残して置いた摘みの叉焼を投入すれば、あっ、矢張り旨いわ。
叉焼は一枚一〇〇円で追加出来る様なので、三枚位足せば良かったな。
デヴなので汗だくで平らげ、観瀑に出掛ける百貫デヴ…。
~御負け~
八人が滑落して死んだと言う、「東洋のナイアガラ」、吹割の滝。