◆「ジャンクガレッジ 北浦和店」【北浦和】
◎「まぜそば 玉子あり(大盛)」八八〇円
…土曜日からの五連休も、今日が中日、三日目。
もう、既に連休明けの事を考えると、重度のサザエさん症候群を発症。
何だろう、心がぞみぞみして来る…。
別段、夏季休暇だからと言って、誰かが誘って呉れる訳でも無いし、
取り立てて、何の予定、用事も無いので、無駄に自動車を走らせる暮らし振り。
今日は腰痛の塩梅も芳しくないので、大人しくして居よう。
然し、昼御飯位はガツンと来る様な、パンチの効いた物が頂きたい。
無性に大蒜摂取がしたく成り、朝からずっと、暴力的な混ぜ蕎麦を検索する。
流石に迎え盆だけあり、軒並み、夏季休業日の店舗が多く、選択肢が限られる。
こう言う時は連鎖店が無難だ。
と言う訳で、「ジャンクガレッジ」に決定するが、自動車で行けて、
程好く遠くなく、駐車場の前向き駐車の規則を遵守出来ない馬鹿が居ない店舗。
此の条件では、間違い無く、「東大宮本店」はそう言う輩が殆どなので却下。
いっその事、駐車場の備えが無い此方が一番、精神衛生上、健全だと判断。
行列は愚か、店内に空席が有り、狙った通り、すんなりと入店出来る。
先ずは券売機で食券を購入するが、最近は「まぜそば」一本槍。
豚がパサパサで、「ラーメン」の味も大層落ちてからは、「まぜそば」に限る。
最近は「ドンーキタモト」の過労死訴訟に因る閉店や、新規開店しても、
短期間で閉店したり、色々と迷走している感じが味にも影響している感じで…。
さて、冷水を汲み、一番端っこの席にヨッコイショーイチ。
食券を手渡すと、大陸系の女中さんが無料の乗せ物を訊いて来る。
例によって、「全増し、脂ダブルで」と御願いし、出来上がりをヂッと待つ。
十二時一〇分を過ぎた辺りから、近隣企業の月給取りの中年労働者諸君が、
どやどやと押し寄せ、あっと言う間に満席に。
まあ、昨年迄は僕も其方の人間だったが同情するが、御苦労さんなこってす…。
そして十五分弱で、「マゼソバオオモリ、オマタセシマシタ~」と登場。
手元に下ろし、数ヶ月振りの対面を果たし、箸を取り、さあ、攪拌、攪拌。
丼の中に、整然と配された具材の数々が、何とも芸術的でもあるが、
其の美しい盛り付けを、一瞬にして、箸で攪拌してぐっちょんぐっちょんに。
此の破壊にも似た行為が、混ぜ蕎麦、油蕎麦、和え蕎麦の類の醍醐味でもある。
ぴちゃぴちゃ、くちゅくちゅ、にちにちと、卑猥な音を響かせつつ、
全てが一緒くた、ごちゃ混ぜに成り、原形を留めない程に見た目を変えて行く。
豚は白茶けているので、最も温度が高いであろう丼の底に追い遣り、
テレレとも絡ませ、熱で軟らかくなる様に仕込む。
全体がざっくりと、混ざり過ぎない程度で箸を止め、さあ、啜ろう。
最初から入っている温泉玉子、鰹節、揚げ大蒜、揚げ玉葱、茹で野菜に加え、
無料の乗せ物の「ニンニク」、「アブラ」、「チーズ」、「ベビースター」、
「エビマヨ」、「辛味」が、丼の中でしっちゃかめっちゃかに縺れ合っている。
序盤は「エビマヨ」の味わいが勝って来るが、ズーチーが糸を引いたり、
玉子の円やかさが有ったり、「辛味」がやや強めの効き、口内が熱く成ったり、
「ベビースター」のカリポリした軽い歯触りも心地好く堪らない。
大雑把に混ぜる事で、味が均一化せず、種々の味わいが斑に感じられる。
大蒜はもう少し多目でも良かったが、自分が悪いので致し方無い。
「まぜそば」は秘伝の醤油タレに、要と成る旨味が凝縮されたスープを合わせ、
麺と混ぜ合わせ、大蒜と黒胡椒の効いた濃厚な後引く味わいと言うのが売り。
プースーは拳骨、鶏ガラ、背ガラ、モミジ、香味野菜を八時間丹念に炊き込み、
旨味だけを凝縮し、ゼラチン質たっぷりのスープに背脂を投入する事で、
凝縮されたスープにコクと旨味と甘みが加わり、麺との絡みが格段に増し、
混ぜた瞬間に麺を離さない、パンチの効いたスープと言うのが謳い文句。
ごろごろした背脂の塊も甘味を齎し、存在感を醸し出している。
麺は御馴染み、「ニッセーデリカ」の特注麺。
強靭な腰を持つゴワゴワした極太麺は、強力粉オーションだけで打たれ、
強い小麦の風味を持ち乍らも独特の食感を持ち、ジャンクなスープに負けない、
強靭な歯応えと食べ応えが売りで、畝りが効いた縮れ麺はモチモチ感が強い。
丸で、吉田美奈子の蕎麦ージュの様だ…。
さて、白茶けた豚はと言うと、豚臭さは控え目だったのが救い。
往年のT氏が辣腕を揮っていた頃の神懸っていた豚、現在で言うならば、
「ジャンプ」の豚、あの頃を知っているだけに、此の凋落振りは悲しい限り。
組織が巨大化し、集中調理施設でプースーやら具を拵える様に成ってからか。
まあ、普通に頂く分には十分に美味しいので、及第点ではあるが…。