◆「ジャンクガレッジ 北浦和店」【北浦和】
◎「まぜそば 玉子あり(並盛)」七八〇円
…一〇連休も早くも二日目。
来たるべき令和の仕事始めの事を考えると、サザエさん症候群で寝込みそう…。
昨晩はチューリップの公演を観覧した後は、肉刺し的な物を肴に、
ピーホツを六杯呷り、ぐでんぐでんで帰り、長椅子で酔い潰れ、
丑三つ時に寝床へと潜り込み、今朝は八時半に何とか起き出す。
呑むと熟睡は出来ないし、変な夢に魘されるから宜しくないわね。
風呂に入って穢れを落として身を清め、午前中は昨晩のチューリップの復習を。
i-Podに項目を拵え、曲順通りに並べ、昨晩の記憶を呼び起こす。
午前中は極めて自堕落に、非生産的に過ごし、あっと言う間に正午も廻る。
腹の虫が喚き散らすものの、相変わらずの優柔不断、行動力の著しい欠如で、
中々動き出す気力が湧かず、彼是と逡巡していると十三時。
此れが普段の日曜日なら、十三時には昼餐を終え、十五時には帰宅して、
十八時には風呂に浸かり、二〇時には寝床に入らないと不安で仕方無いが、
其処は其れ、明日も明後日も休みじゃないか。
焦らず、十三時に家を出て、昼御飯を摂りに出掛けよう。
一寸足を伸ばして「ラーメンの店 どでん」で「油そば」良いかなと思うも、
道すがらの「ラーメンどでん 大宮西口店」の大行列を目にしたら、
一気に気持ちがもっきり折れ、並ばずに頂ける店にしようと、四月六日以来、
二十二日振りの此方へと決め、近隣の時間貸し駐車場に停めて歩いて到着。
硝子戸を開けて中に入り、券売機の前で間誤付いて二名の待ちが出来ているが、
空席は有り、案の定、すんなりと頂けそうで、判断に間違いは無かった様だ。
券売機で食券を購入するが、此処最近はずっと「大盛」を頂いていたが、
もう、すっかり御爺ちゃんなので、「並盛」で十分ですがな。
目盛りが付いていないのが救いで、検尿を思わせる紙容器に冷水を汲み、
食券を提示して、止まり木にヨッコイショーイチ。
直ぐに、何時もの大陸系の女中さんが「トッピング、ドウシマスカ~」と。
「全増しで」と御願いし、気怠い日曜日の午後をゆっくりと過ごす。
然し、後からどやどやと、薪を背負った二宮金次郎の様な勤勉さの欠片も無い、
狭い店内を大きな背負子を背負った儘、ゆとり世代五人が制服姿で襲来。
手前で開けた扉も閉めず、大声でああでもない、こうでもないと喧しく、
親の金でラーメンを啜るなんぞ、百億光年早かろう。
こう言う物は、自分で汗水垂らして労働した金で頂くから旨いのだよ。
堪り兼ねて、男性店員氏が厨房から出て来て、扉を閉める始末…。
苛々を抑えつつ、世も末、此の世の終末感を感じていると、丼の御出座し。
「マゼソバゼンマシ、オマタセシマシタ~」と、大陸系の女中さん。
丼を手元へ下ろせば、おっ!?今日の豚をチラッと見て確信。
若しかしてだけど、若しかしてだけど、今日の豚は当たりなんじゃないの~と、
心の中でどぶろっくに成り切った所で、箸を手に取り、恒例の行為に耽る。
中央の温泉玉子を中心に、全体をざっくりと、味が均一化しない程度に、
ざっと攪拌するのは、混ぜ蕎麦の醍醐味。
鰹節、揚げ大蒜、揚げ玉葱、茹で野菜に加え、無料の乗せ物の「ニンニク」、
「アブラ」、「チーズ」、「ベビースター」、「エビマヨ」、「辛味」と、
麺、テレレをぐちゃぐちゃに、ぴちゃぴちゃ、にちにちと卑猥な音を立て乍ら、
豚はテレレと麺が熱い内に、丼の底に潜り込ませ、其の熱で軟らかくさせる。
勿論、ズーチーも同様、熱で蕩けさせたら、箸で手繰って啜ろう。
鰹節の馨しい香りが鼻腔を擽り、初めの内は「エビマヨ」が強めに感じられ、
此れにズーチーも蕩けて加勢し、「ベビースター」のカリポリした食感、
大蒜のガツンと来る刺激と辛さが伝わり、身体が欲していた荒々しさだ。
テレレは秘伝の醤油タレに、要と成る旨味が凝縮されたスープを合わせ、
麺と混ぜ合わせ、大蒜と黒胡椒の効いた濃厚な後引く味わいと言うのが売り。
プースーは拳骨、鶏ガラ、背ガラ、モミジ、香味野菜を八時間丹念に炊き込み、
旨味だけを凝縮し、ゼラチン質たっぷりのスープに背脂を投入する事で、
凝縮されたスープにコクと旨味と甘みが加わり、麺との絡みが格段に増し、
混ぜた瞬間に麺を離さない、パンチの効いたスープと言うのが謳い文句。
麺は御馴染み、「ニッセーデリカ」の特注麺。
強靭な腰を持つゴワゴワした極太麺は、強力粉オーションだけで打たれ、
強い小麦の風味を持ち乍らも独特の食感を持ち、ジャンクなスープに負けない、
強靭な歯応えと食べ応えが売りで、畝った縮れ麺はモチモチ感が強い。
平成も終わるので…。
豚はと言うと、矢張り、僕の目に狂いは無く、近年稀に見る出来栄え。
無論、全盛期には遠く及ばないが、崩れる様な軟らかさで、蕩ける脂身、
程好い噛み応えの赤身、夫々の良さが味わえ、久方振りの大当たりか。