続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「こってりらーめん なりたけ」【池袋】

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 ◎「みそらーめん」七八〇円

 …昨日。
  今週も遂に、到頭、新しい一週間が始まってしまい、目出度くも何ともない。
  週明けの月曜日に自殺者が多いと言うが、物凄く気持ちが分かる…。
  休日が終わってしまい、仕事と言う名の戦場に赴く悲愴感、絶望感しか無い。
  寝起きから吐き気、嘔吐きと闘い乍ら、何とか通勤電車に揺られる。
  朝から溜まった週次の業務を黙々と熟し、慣らし運転をして行く。
  十四時を前に、息抜き、気分転換も兼ねて、外気を吸いに出る。
  先月末に胸焼けから始まった消化器系の不調も、万全とは言わない迄も、
  少しはガッツリとした物を頂いてみようかなと言う、欲が幾らか回復する。
  気温も下がり、すっかり夏も終盤、夏の終わりのハーモニーが聞こえ始め、
  濃い味噌味を欲する様に成るも、最近は「麺処 花田」一辺倒。
  偶にはと重い腰を擡げ、二〇一五年一月に、此の池袋に殴り込みを掛けて来た、
  バーチーを代表する背脂系の此方の存在は知っていたものの、南池袋と言う、
  目白駅の方が近いのではないかと思う立地の為に回避していたが、いざ突撃。
  此れから脂ギトギトの物を頂くのだからと、いそいそと歩いて出掛ける。
  「背脂」と言う看板を見付け、自動扉を開けて中に入り、券売機と対峙する。
  二〇一一年七月二十六日に「津田沼店」で頂いて以来、七年三ヶ月振り。
  其の際は「しょうゆらーめん」を頂いたが、今回は「みそらーめん」。
  食券を購入し、先客数名のみのカウンター席の端っこにヨッコイショーイチ。
  食券を手渡すと、背脂の量を訊かれ、「さっぱり」、「普通」、「ギタギタ」、
  三つの中から選択出来るが、今はもう耄碌しているので、「普通で」と告げる。
  冷水を呷り、昔に思いを馳せる。
  此方と言えば、言わずと知れた「らーめん 弁慶」出身と言う事で、
  二〇代の頃、金も無く、偶に頂くラーメンが御馳走で、そんな中で出会った、
  「浅草本店」、「堀切店」、「門前仲町店」で頂いた背脂たっぷりのラーメン。
  降り注いだ背脂が眩しく、神々しく見えたあの当時が懐かしい…。
  そんな事を懐古していると、黒い丼の味噌ラーメンが目の前へと差し出される。
  先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
  ドロッとして、背脂の沼に蓮華を入れるかの様で、いざ、此れを啜れば、
  ガツンと強烈な塩気、キリっとした辛目の味噌の味わい、迸る背脂の甘味、
  此れ等が怒濤の如く襲撃して来て、余りの衝撃に命の危険すら感じる…。
  万全でない体調では厳しかったかと後悔しそうになるが、徐々に慣れて来る。
  舌が麻痺して来る、とも言うだろうか…。
  「月」に「旨」と書いて「脂」、霜降り肉や大トロ、脂の乗った旬の魚等、
  美味しいと感じる食べ物には脂が多く含まれており、此方のラーメンは、
  最上質の背脂をたっぷり使用した、こってりと濃厚なスープが特徴であると、
  卓上の能書きに謳われており、丸で、甘酒を啜った時に感じる麹の如く、
  唇に背脂の粒子が当たり、喉元を過ぎ、胃袋へと落ちて行くのが分かる。
  中華鍋で炒められているので、熱熱で猫舌泣かせ。
  麺はと言うと、中細と言うか、中太と言うか、中程度の太さ。
  此の個性的なプースーを受け止める、自家製の中太麺を硬めに茹で上げると言い、
  プリッとした口当たりで、程好い腰が効いて、背脂を絡め取る様に持ち上げる。
  具は、バラ肉を巻いた薄切りの叉焼一枚、萌やし、麺麻、葱。
  普段、「麺処 花田」で無料の「半ライス」を頂くが、此のラーメンこそ、
  白米と一緒に頂かないと、否、頂いた方が美味しいのだろう…。