◆「塩そば専門店 桑ばら」【池袋】
◎「メンマチョモランマ五分で実家のそば」九五〇円
…月曜日。
今週も、やっとこさっとこ、へろへろで週末の休日に漕ぎ着ける。
今週は水曜日に、大ちょんぼをしていた事が発覚し、心が折れるどころか、
ぞみぞみし、口が渇き、手が痺れ、頭が真っ白に成り、自害を考えた…。
別段、損害を出した訳ではないが、久し振りの大失態に大いに凹む。
粗忽と言うか、我乍ら、自分の馬鹿さ加減に情け無くて涙出て来らぁ。
「あばれはっちゃく」桜間長太郎顔負けの失態を犯して死にたい毎日…。
さて、話は遡って、大ちょんぼ発覚前の月曜日。
週が明け、朝は喉から出血しそうな程に嘔吐き、週次の業務を熟す。
月曜日の朝は断末魔の苦しみで、絶望感満載で、如何にか成らないものか…。
一週間、何とか乗り切れる様に、景気付けの意味も込めて、
昼御飯は気持ちが上向く様な物を頂きたいと思ってしまうもの。
そんな中、毎度の此方の「裏そば」を検索すると、狂気の気配のラーメンが。
十四時過ぎに成ってしまったが、現場に急行すると、店外の券売機の上に、
未だ白板が出ており、ホッと一安心し、ちゃんと確認する。
「本日の裏そば ◎メンマチョモランマ五分で実家のそば ￥９５０」とな。
兎に角、麺麻がたんまりと、たっぷりと、狂った様に入っている様だ。
九五〇円分の食券を購入し、白い暖簾を跳ね上げて入り、
看板娘氏に食券を手渡し、「裏で」と御願いし、出来上がりをヂッと待つ。
此方は提供迄の時間が驚く程に早いので助かる。
冷水をゆっくり呷る暇も無く、五分と掛からずにラーメンが差し出される。
プースーが溢れそうな丼を慎重に手元へと下ろせば、ずしりと重量感が有る。
先ずは蓮華を手に取り、零れない様に慎重にプースーから啜る。
昔乍らの中華蕎麦を髣髴とさせる醤油味で、じんわりと五臓六腑に染み渡る。
表面にはきらきらと煌めく鶏油が浮かび、此れが実に旨味が強く出ていて、
口内が滋味で満ち、舌を撃ち抜かれる思いで、立て続けに何口も啜ってしまう。
さて、次は麺を手繰ろうと試みるも、とても辿り着きそうにないので、
こんもりと、御飯茶碗山盛り一膳分の量は有ろうかと言う麺麻に取り掛かる。
黒胡椒が効いた大量の麺麻は、軟らかくも有り、シャキシャキとした食感も有る。
麺麻を一頻り味わい、麺に取り掛かろう。
手繰ろうとするが、上に乗る麺麻が大量なので、重みが有って手が攣りそう。
何かの鍛錬の様な感じで手繰って啜れば、細麺はしなやかさで、
且つ、噛むとパツッと千切れる食感が心地好く、旨味たっぷりのプースーが絡む。
此の細さはスルスルと入って来て、喉の通りも良く、箸を持つ手が止まらない。
然し、こうして麺を啜っている場合ではないのだ。
大量の麺麻を中心に食べ進めないといけない。
最早、「麺麻ラーメン」ではなく、「ラーメン麺麻」だ。
麺を御数に麺麻を頂くと言った比率で行かないと駄目。
普通のラーメン店なら、追加一〇〇円で、此の量の一〇分の一程度しか無く、
此れだけの量を追加するには、麺麻だけで一〇〇〇円は必要か…。
麺麻好きには堪らず、何せ、死ぬ迄の細やかな夢の一つは、
其方程の太さこそ無いが、此れだけの繊維質を摂取したら、御通じが大変だな。
一心不乱に、大熊猫の様に竹を喰らうポンコツデヴおぢさん…。
麺麻に留まらず、叉焼も盛大に乗り、此れ又、脂身は蕩ける旨さで、
赤身も軟らかく、此方の叉焼は何時頂いても秀逸で絶品だ。
味付け玉子は黄身がねっとりと濃厚で、やや甘目のタレが染み込んでいる。
具は他に海苔と鳴門。
此れだけ頂けば腹もくちく、より一層、肥えた膨らんだ腹を抱えて退店。
