続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「麺屋 六文銭」【宮原】

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◆「麺屋 六文銭」【宮原】

 ◎「もりそば」七八〇円+「味付け玉子」一一〇円

 …昨晩。
  もう、すっかり、めっきり、外で呑む事も減ったが、偶には呑みたい時も有る。
  然し、いざ呑みに出れば、店員氏に悪態を吐く客に猛烈な胸糞悪さを感じ、
  気分を害して店を出て、結局、外で呑む事は心が疲れると言う結論に至る。
  大概、こうして店員氏に暴言を浴びせるのは、五〇代以降で、
  周りから阿られて、自分は偉いと勘違いしている爺が殆ど。
  大声で自慢話や持論を捲し立て、尊大で横柄で高慢で、御里が知れる…。
  すっかり呑む気も失せたので、街を少し徘徊し、サタデイナイトを体感する。
  と来れば、ヒーヴァーしたく成るが、そんな勇気も無く、トラボルタせず、
  大人しく電車に乗車し、気付けば宮原駅へと辿り着く。
  酔いも醒めてしまったので、「宮原元気酒場 もつ焼 エビちゃん別館」で、
  件の綺麗な若い女中さんを眺め乍ら、肉刺し的な物を頂くのも良いが、
  まあ、所詮は人の持ち物なので諦め、大人しく〆て帰ろうかね。
  宮原で〆ると成れば、二〇〇一年の新規開店以降、飛ぶ鳥を落とす勢いで、
  連日大行列で、此の界隈では名の知れた存在で、一世風靡した此方。
  二〇〇七年に広い店舗に移転後、暫くして御店主の姿も見られなくなり、
  徐々に味も変わり、人気も翳りが見え、二〇一五年に今の店舗に再移転し、
  個人的には華麗なる復活を果たして欲しいと思っており、そうは言うものの、
  二〇一七年一月十四日以来、二年一ヶ月振りと、随分と不義理をしてしまった。
  二十一時十五分に硝子の引き戸を開けて中に入れば、先客は一名のみ。
  もっと流行っても良いのだが…。
  券売機で食券を購入するが、瓶麦酒は自重し、簡素に「もりそば」を並盛りで、
  序に、「味付け玉子」の釦も押してしまい、カウンター席にヨッコイショーイチ。
  御店主自ら食券の回収に出て来て、手渡し、冷水を呷ってヂッと待つ。
  店内はレディオが流れ、超短波放送の周波数七十九.五、FM埼玉。
  翼の折れたエンジェルが喋っている…。
  席には、つけ麺は茹で時間に十二分掛かる旨が記されており、十五分程で配膳。
  以前と盛り付けが変わり、具の叉焼、茹で野菜、海苔が麺の上に配されている。
  先ずは其れ等を全てつけ汁に移し、準備が整った所で、いざ、頂こう。
  麺を手繰り、つけ汁にドヴンと浸して、勢い良く一気に啜り上げる。
  言わずと知れた、「東池袋大勝軒」で修業を積まれた御店主なので、
  系統は甘酸っぱいあの味わいだが、国産素材のみを厳選した完全無化調スープ、
  と言う謳い文句で、下品な刺刺しさは無く、優しさも感じられて好きだ。
  二〇一六年の初めに、圧力鍋でプースーを拵える様になった影響で、
  白濁し、随分と円やかに成り過ぎたが、今回は昔を髣髴とさせる味わいが戻り、
  大行列を成していた頃の往時の思い出が甦り、懐かしくも有る。
  動物系の出汁は、豚背骨、鶏胴ガラ、拳骨、鶏油、豚背脂、豚頭骨、鶏足、
  鶏頭から炊き出され、円やかでコクの有る味わいに仕上がっている。
  麺はと言うと、旧「六文銭」、現「フレンチバル セゾニエ」店内で打たれた、
  北海道産一〇割で、全粒粉を始め、四種類を独自配合の自家製麺
  昨年春頃から、既製の全粒粉から、自家製の全粒粉に変えたとの事で、
  玄小麦を仕入れ、より香ばしくする為に炒り、石臼挽きしていると言う拘り様。
  風味が良く、冬場で乾燥しているので、加水率を高目にしているのか、
  ツルツルした口当たりで、喉の通りも良く、勿論、腰と弾力も効いている。
  具の叉焼は薄切りの物が二切れ入り、那須高原豚だろうか。
  味付け、肉質は良いのだが、少し寂しい印象は否めない。
  茹で野菜は萌やしと甘藍で、さっぱりとして、箸休めにも成り得る。
  味付け玉子はと言うと、箸で持ち上げただけで、黄身の半熟度合いが分かる。
  ぷるんぷるんで、齧れば黄身がドピュっと飛び出し、飛び散らない様に注意する。
  勿論、ねっとりした黄身も好きだが、此の位の半熟加減が好みだ。
  最後はつけ汁をグイッと飲み干し、コク深い甘酸っぱさを堪能して退店。
  もっと頻繁に御邪魔しないといけないな…。