続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「自家製麺 伊藤」【浅草(つくばエクスプレス)】

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 ◎「肉そば 中(焼豚4枚)」八五〇円

 …水曜日。
  言い古された言い回しだが、出来る事なら、目ん玉を取り出して、
  食器洗浄機に掛けて熱湯消毒して洗い流したい程…。
  嚔、鼻水は処方して貰ったイニシエーションの御蔭か、至って快調で、
  目だけは如何にもならず、未だにコンタクトレンズで頑張っているが、
  そう成ると、抗原用の点眼薬は使えないので、人工涙液で流し乍ら過ごす毎日。
  皆様は如何御過ごしでしょうか…。
  さて、話は遡って、真ん中もっこり水曜日。
  小雨の中、こんな天気の日は空いているだろうと、偶には豚カツが頂きたく、
  目星を付けていた田原町の「デンキヤホール 寿店」に向かえば、
  目の前で先に入ろうとした客が追い返されたので、恐らく満席なのだろう。
  潔く諦め、次なる当てを目指して、国際通りを北上する。
  浅草六区にはラーメンの人気店が幾つか在り、其の中の一つに狙いを絞る。
  言わずと知れた、タイヤ屋の飲食店の案内本にも掲載されたと言う、
  王子神谷の名店「中華そば屋 伊藤」の支店で、昨年末に駒形から移転した様だ。
  行列が出来ているだろうなと思いつつ、路地を入ると、其の様子は見られない。
  店に着いて店内を覗くと、何と客は誰も居らず、御店主の姿が厨房内に在るのみ。
  こんな千載一遇の機会を逃してはなるまいと、店頭の券売機で食券を購入する。
  秋田県は角館の「自家製麺 伊藤」の流れを汲み、煮干しの「中華そば」と、
  比内地鶏と煮干しの「比内鶏そば」の二本立てだが、此処は矢張り、
  前日の「煮干中華そば のじじR」に続き、煮干しでプリン体を摂取したい。
  奮発して、叉焼の入った麺の中盛り「肉そば 中(焼豚4枚)」に決定。
  店内に入り、食券を提示し、止まり木にヨッコイショーイチ。
  六席のみの小ぢんまりとしており、厨房内も必要最低限が簡潔に纏まっている。
  冷水を呷り、歩き疲れを癒す暇も無く、五分と掛からずに丼が差し出される。
  手元へと下ろし、初対面を果たせば、洋灰色と言うよりは茶褐色で、
  何とも馨しい煮干しの薫りを、肺一杯に吸い込めば、肺が痛風に成りそう…。
  さて、先ずは蓮華を手に取り、プースーから啜ろう。
  粘度は無く、サラッとした鶏清湯で、勿論、煮干しの風味は確りと感じるが、
  苦味や蘞味は無く、塩気も強くなく、均整の取れた絶妙な味わいに思わず唸る。
  九十九里産の煮干しをふんだんに使用したと言う、無化調の滋養たっぷりの味。
  態々歩いて出掛けた甲斐が有ったと、嬉しくなってしまう。
  続いて、自家製麺を謳う其の麺を手繰って啜ろう。
  真っ直ぐの細麺は、煮干しラーメンに良く合う低加水で、バツっと千切れ、
  此の歯触りは快感すら覚え、張りと腰が素晴らしく、永遠に噛んで居たい。
  歯で噛み切る感覚を味わいたくなり、直ぐに啜りたくなる。
  博多ラーメンの麺とも違い、何とも味わい深い、粉の風味も薫る麺だ。
  具の叉焼は四切れ入り、噛むとガシっと歯が入り、赤身は適度な噛み応えで、
  パサつきの無い瑞々しさで、脂身はぷるんとして、膠原質の旨味が堪能出来る。
  プースー、麺、具、孰れを取っても秀逸で、恐れ入谷の鬼子母神
  最後は残らずプースーを、飲み干してしまうのが惜しい気持ちで平らげる。
  少々距離が有るので行き辛いが、此れは是非とも再訪したい名店だ。