続・ROCK‘N’ROLL退屈男

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「自家製麺 伊藤」【浅草(つくばエクスプレス)】

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 ◎「肉そば 小(焼豚4枚)」七五〇円

 …月曜日。
  四月に入ってからと言うもの、何でこうもぐったりするのやら…。
  一、四、七、一〇月は忙しいと言うのは分かっていたが、其れに加え、
  組成変更に伴う引き継ぎが入り、末端のぺいぺいは時間が幾ら有っても足らない。
  手放す業務の引き継ぎが終わらない所へ、新たに引き継ぐ業務の引き継ぎが入り、
  其処に日常の業務が覆い被さり、現場は疲弊している…。
  一年単位でころころ変わり、其の都度、一ヶ月近く掛けて引き継ぎを行い、
  漸く慣れたと思ったら、一年後にはがらがらぽん。
  非効率にしか思えないのだが…。
  さて、話は遡って月曜日。
  最早、昔の事過ぎて、記憶が殆ど無い…。
  写真が残っているので、恐らく、此方でラーメンを頂いたのだろう。
  サンダーボルトゲート付近で済まそうと思うも、何れも帯に短し襷に長しで、
  結局は安全牌、安定、安心の此方に辿り着いた様な気がする。
  三月二十五日以来、三週間振り、三度目の訪店だが、今回も先客は無く、
  他の客に気を遣う事も無く、ゆっくり、ゆったりと味わえそうだ。
  店外の券売機で食券を購入するが、初回は「肉そば 中(焼豚4枚)」、
  前回は「比内鶏肉そば 小(焼豚4枚)」と来ているので、順番からしたら、
  「肉そば」に戻るしか無いので、「肉そば 小(焼豚4枚)」に決定。
  食券を購入し、店内に入り、御店主に食券を手渡してッコイショーイチ。
  丁度、店舗二階から拵えたプースーの寸胴を下ろしている最中の様だ。
  其の作業も一段落したのか、僕のラーメンの調理に取り掛かって頂ける。
  冷水を呷り、週明けの気怠い心身の疲労を癒す様に出来上がりをヂッと待つ。
  客は僕一人で、麺も細いので、五分と掛からずに丼が差し出される。
  丼は小さ目、プースーも少な目の瀟洒な感じの佇まいで魅惑的だ。
  先ずは蓮華を手に取り、貴重なプースーから啜ろう。
  煮干しの薫りが揺蕩う様に鼻腔を掠めて潜り抜け、口内では味覚が駆け抜ける。
  王子神谷の名店「中華そば屋 伊藤」の支店で、更に其の大本を辿れば、
  秋田県は角館の「自家製麺 伊藤」の流れを汲み、言わずもがなの名店。
  粘度は無く、サラッとした鶏清湯で、勿論、煮干しの風味は確りと感じるが、
  苦味や蘞味は無く、塩気も強くなく、均整の取れた絶妙な味わいに思わず唸る。
  九十九里産の煮干しをふんだんに使用したと言う、無化調の滋養たっぷりの味。
  移転前は、もっと煮干しがガツンと効いていたと言う情報も有るらしいが、
  其の味を知らないので何とも言えないが、もっと強烈でも良いかも知れない。
  とは言え、全て緻密に計算し尽くされた至高の味わいだ。
  さて、麺はと言うと、自家製麺と謳うだけ有り、自信に満ちた代物。
  勢い良く啜って噛むと、歯と唇に挟まれてバツバツバツっと千切れる。
  此の感覚に愉悦を覚え、麺自体の旨さと相俟って、実に快楽的だ。
  思わず、我慢汁が出てしまいそうだ…。
  具の叉焼はと言うと、此れもプースーと麺に決して負けて居らず、
  しっとりとした赤身の部位は、噛み締め甲斐の有る食感と解れる感じが秀逸。
  特段、分厚くて、「豚」と呼ぶに相応しい様な豪快な叉焼ではないが、
  上品さを兼ね備えた口当たりで、脂身の部位は多くはないが蕩けて行く。
  具は他に葱のみ。
  簡素でも、プースー、麺、叉焼の出来が素晴らしいので十分に満足だ。
  最後はプースーを飲み干すのを惜しむ様に、残らず確りと頂く。