◆「煮干中華そば専門 煮干丸」【大宮】
◎「濃厚煮干そば」七九〇円＋「味玉」一〇〇円
…金曜日。
十八時過ぎに逃げる様に退勤した後は、三連休へと雪崩れ込み、
大宮駅でぶらり途中下車の旅をし、「大宮酒場 もつ焼きエビス参」にて、
肉刺し的な物を摘みにホッピー六杯を呷り、すっかりヘベのレケ。
日頃から駄目人間なのに、酔っ払って更に駄目に成り、如何しようも無い…。
駄目人間序に、〆て帰ろうかしらね。
此方で洋灰色の煮干し汁でプリン体を充填する事にしよう。
二十三時の閉店時間の二〇分前に、千鳥足で階段を上がって二階幹事長へ。
券売機と対峙し、夜の部限定の「極濃厚煮干そば」が未だに頂けていないので、
其の釦を探すのだが、酔っ払っているからか、如何にも見当たらない。
漢字迄読めなくなってしまったのだろうか…。
仕方無く、「濃厚煮干そば」に甘んじ、「味玉」の釦も押っぺしてしまう。
酔うとからきし堪え性が無いわね。
店内に入り、食券を手渡し、窓側の止まり木にヨッコイショーイチ。
店内は呑んだ帰りと思しき月給取りやらで囂しく、華金を満喫してけつかる。
酔い覚ましに冷水を呷っていると、五分強で配膳される。
二〇一七年三月十一日以来、二年四ヶ月振りの御対面。
相変わらず、凄まじい洋灰色をしており、全く以って蠱惑的。
先ずは蓮華を手に取り、其のプースーから啜ろう。
拳骨や豚頭を炊き出した豚骨スープがどっしりとして重厚感が有る。
其処に香川県は伊吹産の高級煮干しがガツンと効いており、雑味や蘞味は無く、
旨味しか無く、芳醇で風味豊かなプースーは、蓮華を持つ手が止まらない。
煮干しを冷凍保存して管理を徹底する事で、煮干しの酸化を防ぐと言う。
細麺で噛むとバツっと千切れる食感が快楽的で、粉の風味も確りと香り、
低加水のざらついた舌触りが心地好く、腰が効きつつ、しなやかさも兼ね備える。
中盤、卓上の髑髏印の「内臓オイル」を投入する。
煮干しの内臓と大蒜をじっくり煮込んだ油で、半液状をしており、
苦味とパンチの補充をすれば、更に刺激的になり、勿論、旨さが増す。
具の叉焼は、見ての通りの角煮の様にバラ肉で、軟らかくて蕩ける味わい。
味付け玉子は奥久慈卵との事で、ぷるぷるで黄身がねっとりと濃厚。
具は他に「高級黒ばら海苔」、葱。
一八〇瓦の麺を平らげ、最後は洋灰色のプースーも飲み干し、
三連休の前夜祭を締め括り、乗り過ごす事も無く帰宅する駄目人間…。
